見落としがちなレッドフラッグ | 日本オランダ徒手療法協会

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見落としがちなレッドフラッグ

2017.09.07

こんにちは!オランダ徒手療法協会の杉山です。

 

今回は腰痛のレッドフラッグについてお話をしていきたいと思います。

 

「レッドフラッグ」の言葉自体、耳慣れない方もいるかと思います。

 

スポーツでは危険なプレーや横柄な態度を取った時に主審からイエローカードやレッドカードなどが出され、一時退場や退場になるカードがあります。

 

医療業界にもそのようなものがあります。

 

リハビリ業界でいうレッドフラッグは退場とかではなく、リハビリできるかどうかです。

では、少しレッドフラッグに関してみていきましょう!

レッドフラッグとは

医療業界で言うレッドフラッグとはどのような意味なのでしょうか?

レッドフラッッグの定義
生命を脅かすような重大疾患や緊急手術を要する疾患

 

病院やクリニックなどドクターがいるところはある程度安心していいですが、スポーツ現場や治療院を開いている方々はいかがですか?

 

皆さんは、来た患者さんや選手、すべて治療しようとしていますでしょうか?

ここしか拠り所がないから、しょうがなく診ている治療家の方もいるかもしれません。

 

しかしどうでしょうか?

 

チェックしていますか?

・・・・・・。

どうでしょう?

・・・・・・。

無言になる方多いのではないのでしょうか?

 

まず、レッドフラッグなんて知らなかったという方もいますよね。

 

実際、当協会でセミナーを開いた時に、この言葉を知らなかった方が数多くいましたし、私もこのスクールに入るまでは知りませんでした。

 

では、今回は腰痛を例に出して考えてみましょう。

85%が非特異的腰痛!

腰痛と聞いた時に、私たち治療家は真っ先に何を思い浮かべるでしょうか?

 

きっと、「筋・筋膜性〜」「ギックリ腰」「脊柱管狭窄症」「ヘルニア」などが多く出てくると思います。

 

ここに出てきたものは、整形外科領域当たるものがほとんどなんです。

 

腰痛=筋骨格系の疾患

 

この連想かなり多くの治療かが持っている公式だと思います。

 

他には何かありませんか?

 

ここで、上記とは違う答えを出される方が出てくると思いますが、ほとんどの人は気づかないのではないのでしょうか?

 

筋肉なのでしょうか?筋膜なのでしょうか?

 

他にはありませんか?

 

腰と言われている深層部には、骨・神経・血管・内臓など様々な器官が存在しているのです。

つまり、なんらかしらの訴えできた時は筋・骨格系だけでなく、すべての事柄を考えるべきなのです。

 

腰の痛みを感じる疾患は以下のものが上げれれます。

腰痛を伴う疾患
腰椎の圧迫骨折、慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胆嚢炎、胆石症、胆道結石、腎盂腎炎、尿路結石、子宮筋腫、卵巣嚢腫、卵巣炎、腹部大動脈瘤、帯状疱疹

 

腰痛の85%が原因不明の非特異的腰痛です。

 

クライアントが腰痛を訴えてきた時に、先にあげた整形外科疾患だけで片付けることは、ものすごく危険が高いのです。

 

上記の内部疾患まで考える必要性があります。

 

実際の鑑別方法とは

下のような流れで、まず腰痛をレッドフラッグか否か、鑑別していきます。

実際にレッドフラッグに挙げられる症状としては、下記のものが挙げられます。

レッドフラッグの症状(例)
・ 楽な姿勢がない
・ 安静時痛がある
・ 発熱がある
※発熱に関しては、もともと平熱が低く、発熱時に問題視されないことがありますので注意も必要です。

 

もちろん、これだけが全てではないですが、主に注意すべき症状です。

 

では、実際にクライアントがレッドフラッグの場合どうすればいいのでしょうか?

 

簡単です。治療はせず、他の医療機関に託すことです。

 

「ここでは治療できません。専門の医療機関で受診することをお勧めします。」

この言葉を言えるかどうかが、クライアントの未来を左右します。

 

私たちは治療家です。

 

クライアントを決して危険に晒すことはダメなのです。だからこそ、時と場合によっては専門医に受診することを勧めるべきなのです。これを言うと、たらい回しにするみたいだと言う方もいるかもしれません。

 

本当にそうなのでしょうか?

 

私たちが考えなければならないことは、クライアントに笑顔を取り戻すことです。

決して、クライアントを危険に晒してはダメなのです。

まとめ

レッドフラッグを見つける行為こそ、治療家にとって最初大きな仕事になるはずです。

皆さんはどうですか?

 

レッドフラッグ見落としていませんか?

 

治療家は決して治療することだけが仕事ではないはずです。

是非、明日からの臨床に役立ててください。そして、一緒にクライアントの笑顔を多く導き出していきましょう!!