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なぜ骨挫傷は長引くの?
2018.11.15from 杉山貴規
@広尾オフィス
「ねー、見て見て〜」
「難破船が見つかったよ〜」
朝から大声で息子が叫んでいた。
休日はゆっくり眠りたいのだが、そこは眠らせてくれない。
何かと思いきや、マインクラフトというゲームで難破船が見つかったのだ。
子供に言わせるとそれはとても、珍しいものらしく、キラキラと目を輝かせながら話してきた。
マインクラフトの内容はネットで探して欲しいですが、、、
このゲームには様々なところに宝箱(チェスト:マイクラ用語)があり、その中に宝が入っている。自分を強くする装備や食べのものがあれば、冒険を手助けてくれるアイテムが多くある。
それが難破船の中に数多くあるらしいのだ。
その難破船は、浜辺に打ち上げられており、いわば座礁した状態。
そこを、少しずつ掘って行き、宝箱を探していく。
うまく探さないと迷子になったり、自分自身が落ちてしまいゲームオーバーになってしまう。
なんでこんなものが面白いのか、自分にはよくわからないのだが、、、
でも、宝探しの疑似体験をできて子供のにとっては最高のゲームらしい。
しかも、このゲームをユーチューバーたちが面白おかしく、アップしており、それを見てうちの息子はハマってしまった。
なんとも、悲しい光景なのだが、昔の自分もマリオやドラクエといったゲームにはまっていたので、子供になんとも言える立場ではないのだが、
今となっては、自分も親の立場、やり過ぎてしまうところは、しっかりと注意しています。
で、この流れで、今日はなんの話をするかお分かりでしょうか?
実は、今日話す内容が、この中に隠れていたのですが、、、
わかった方もいるかな???
痛みが出ている組織は??
そう今日は、挫傷について話していきたいかなって。
挫傷というとどのように考えているかなって?
この言葉を聞いて、少し苦手意識やよくわからない人もいるのではないでしょうか?
<挫傷>
転倒や打撲の際、皮膚は傷つかないが皮下組織や深部が傷つくこと。
大辞林 第三版
このようなことらしい
で今回話すのが、骨挫傷の話
3年くらい前に、サッカーの試合中に膝を痛めた選手がいたんです。
軸足が逆くの字曲がってしまい、その場で倒れこんだんです。
本人はその場から立ち上がることもできず、歩くこともできない、ましてや肩を貸してケンケンしてもその振動で痛みがくる状態。
担架を使って運んだんですね。
自分がその場に居たんで、その場でチェックをしたんです。
痛みの状態、受傷した様子から、前十字靭帯・後十字靭帯・半月板損傷を疑ったんです。
でその場で整形外科テストをしたんです。
するとすべて陰性
何かなーって思ったんです。
靭帯損傷はなさそう、でも半月板損傷はまだ可能性は高い。
それと、骨挫傷の恐れがあるって思ったんです。
それで、その場で救急病院に行って、レントゲンを撮ってもらったら骨には異常はなかったんです。
で、 MRIを撮ったんです。
そこで、この痛みの原因がわかったんです。
それは、骨挫傷だったんです。
医者からも軽いものだから、2週間くらいしたら、復帰していいよって言われたんですね。
本人はホッとしてたんですが、自分はそれを聞いた時にこれは厄介だぞって思ったんです。
骨挫傷は骨折と同じ??
骨挫傷は簡単に言えば骨の組織の損傷なんです。
これ意外と長期になることが多いんです。なぜならば、挫傷と判断されて、安易にとる人が多く、すぐに動けると勘違いしやすいんです。
でも、これ見誤ると長期化する恐れがあって、痛みや違和感がずっと残ってしまうんです。
この子ではないけど、実際に自分のせいで復帰を長引かせてしまった例もあって、それはドクターの許可が出て、動きのチェックや運動強度のチェックをして痛みも、違和感もないから監督と話してすぐに復帰させたんですね。
すると、最初は良かったんですけど、徐々に痛みや違和感が戻ってきたんです。でも、違和感も出たり出なかったりだったんです。
ただ長期化したんです。1年くらいしてようやくその違和感が戻ったんですけどね。
で話を戻すんですけど、
ドクターの言った通り、2週間後には全体練習・試合復帰させました。
その間、色々とサッカー特有の動作の確認、負荷をかけて大丈夫だったんで、
しかし、
前回、長引いいた経験をしたので、そのパターンにならないように注意したんです。
で何に注意したのか?
それは
- 骨挫傷を骨折と同じと捉えて治癒期間の設定をしたんです。
- 膝の骨折の治癒期間ってわかりますか?
- 今回大腿骨側の骨挫傷だったので、3ヶ月間自分は見守ることに決めたんです。
- 痛みがなくても、違和感がなくても、練習後は必ずチェックを入れたんです。
- 膝の引っ掛かりがないか?
- 過度に膝に負荷をかけても症状が出てこないか?
- 膝の変な揺れなどはないか?
これをチェックしていったんです。
もちろん、毎回ではないです。本人とのコミュニケーションだけで終わることもありました。
ただ、骨挫傷を骨折として考えて3ヶ月間見守り。大丈夫だと判断自分の手から離すことにしたんです。
その後は、何もなく通常通りのパフォーマンスを発揮!
スムースな復帰に導けました。
ドクターの判断はドクターの判断なのです。
現場にドクターはなかなかいないですよね。
膝にかかる負担、サッカー特有の動作、量の調節はその場のメディカルスタッフやトレーナーしか判断できないんですよね。
だから、この取り組みは重要なんです。
今回、自分は骨挫傷を大腿骨骨折と同じと捉えて行って、治癒期間3ヶ月を設定。
この間に、違和感や痛みがあった場合は上記に書いた負荷、量、動作のどれかが原因と判断して、調節しながら介入できた結果、スムースに復帰できたんです。
痛みや違和感だけで、骨挫傷を考えたいたら、きっと延々とチェックしている可能性があったかもしれないですよね。
ぜひ、骨挫傷を骨折と同じと考えて目の前の選手や患者さんに接してあげると治療側も受けている方も安心して復帰できますよ。
PS
今はもうマイクラは飽きたらしく、青鬼というゲームにはまって、興奮しまくっています。
ゲームもいいけど、運動しろ!我が息子よ(笑)