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「痛み治療で結果を出す条件」 | 日本オランダ徒手療法協会

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「痛み治療で結果を出す条件」

2018.10.26

From:長島 将太

 

@秘密のカフェより

 

山手線で会場まで移動していた車内での出来事。

 

いかにも東京生まれ、東京育ちっぽいカップルが私の隣に座ってきた。

 

シティボーイ

「あー最悪なんだけど…」

 

シティーガール

「どうしたの?」

 

シティボーイ

「昨日、喉を痛めたみたいなんだよねー」

 

シティーガール

「えッ、大変じゃん。何かしたの?」

 

シティボーイ

「んーたぶん…裸で寝ちゃったからかな」(それって言って大丈夫なやつか???)

 

「いや、最近疲れてるからかな?」

 

「もしかすると最近出した加湿器かも!」(いや加湿器は喉に潤いを与えてくれるやつや!!)

 

そんな他愛のない会話がイヤホンの隙間から聞こえてくるんですよね。

聞くつもりはなくても、、、

 

最終的にはシティボーイから一言

「俺って原因を突き止めないと気が済まないんだよねー」(お前は名探偵◯ナンか!!)

 

さて、私たちセラピストもシティボーイのように、いやシティボーイ以上に

「原因を突き止めたい!」と思うことってよくありますよね。

 

「なんで、この部分が痛いんだろう?」とか

 

「どうしたら痛みが引くんだろう?」

みたいに患者さんの訴える痛みについて、原因究明しますよね。

 

この時、以前の私であればすぐに「運動連鎖」の視点をもってアプローチしていたんですよね。恐らく患部に何かしらのメカニカルストレス(負担)がかかっているんじゃないかってね。

 

だから、治療の最初にやることと言えば「動作観察」なんです。

どこかに動きのエラーが起きてるんじゃないかって必死に目を凝らしていたんですね。

 

このやり方で、上手くいく場合もあれば、上手くいかない場合もあったんです。

今思えば、後者が多かったかもしれません。

 

なぜなら、、、

 

痛みを出している原因を組織レベルで鑑別せずに治療していたからです。

 

# 痛みを取りたければ、入口を間違えないこと

よくセミナーで受講生のみなさんにお聞きするのですが

 

「臨床の結果って何ですか?」と聞くと、ほぼ「痛みを取ること」と回答されるんですよね。それだけ「痛み」で頭を抱えているし、その「痛み」を解決したいと思っているんだとつくづく実感します。

 

だからこそ言いたいことがあるんです。

 

「痛み解消の為には、入口が肝心です!!」ってね。

 

実は、患者さんが訴える痛みにも色々あって

「いますぐ取れる痛み」と「今すぐ取れない痛み」があるんです。

 

この2つの分かれ道の判断次第で、やるべき治療が360度変わるんですよね。

この判断が出来るようになるだけでも治療結果って変わってきます。

 

「いますぐ取れる痛み」と「今すぐ取れない痛み」って何やねん!!

 

ってなると思うのですが、ここで重要なポイントは、、、

 

「組織損傷の有無」です。

 

もう一度言いますね。

「組織に損傷があるか?ないか?」です。

 

「エッ?それだけ?」って思った方も多いかもしれません(笑)

 

ですが、この痛みの種類の鑑別が非常に大事なんです。

 

当たり前なんですが「組織損傷がある場合」は、今すぐ痛みは取れません。

なぜなら、組織が損傷を受け、炎症症状からくる痛みだからです。

 

この痛みに対して、いくら効果絶大のアプローチをやっても痛みは取れません。

なので、この痛みの場合は「損傷組織の治癒期間」を予測した治療が必要になります。

 

ここでのポイントは損傷組織の治癒に必要な期間を把握しながら、組織の治る過程を邪魔しない/させないことです!!

その為、私達セラピストは「邪魔者」を徹底的に寄せ付けないようにします。

 

例えば、靱帯損傷であればⅠ〜Ⅲ度とあって、それごとに治癒期間が違ってくるじゃないですか?その治りきってない時に歩いたり、走ったりしてしまうと腫れてしまったなんてことはよく聞く話です。これは、治癒期間を見誤ったケースなんですね。

 

一方、「今すぐ取れる痛み」とは、、、

 

そうです。

お察しの通り「組織に損傷がない場合(炎症症状がない状態)」です。

勿論、組織損傷がない場合には、関連痛や心理社会的要因に伴う痛みもありますが、この点まで触れるとメルマガ5つぐらい出来ちゃうので、次回に回しますね(笑)

 

この場合の痛みは、関節周囲の組織に圧がかかるような負荷や、伸ばされるような負荷などの負担(メカニカルストレス)が生じて出た痛みですので「今すぐ取れる痛み」である可能性が非常に高いんですね。

 

この事を知った時は、非常に反省しましたね。

だって、以前行なっていた治療は、ほぼ「今すぐ取れる痛み」を前提とした治療だったのですから。(いわゆるメカニカルストレスによる痛みが原因)

 

だから、結果が出る時と出ない時に非常に大きなジレンマを抱えていたんです。。

今思えば「入り口」を間違えていたのだと気づかされました。

 

このように、「痛み」の治療で悩んでいる方は、

もしかすると「痛みの入口」を見直してみるといいかもしれません。

 

PS

加湿器が原因で風邪症状になることもあるらしいです。

厳密には「加湿器病(過敏性肺臓炎)」って言うらしい。

東京シティボーイよ。疑って申し訳ない(笑)

 


この記事を書いた人

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長島 将太

理学療法士。南川整形外科病院(http://minamikawa-hp.com/about/rehabilitation.html )JADMT認定 徒手療法士。プロの選手からインカレ・インターハイ選手など数多くトップアスリートを診てきている。また、オランダ徒手療法ではチーフ講師として本物の医療を伝えるために後進の育成にも余念のない。サーフィンをこよなく愛する2児の父。