慢性腰痛は多裂筋チェックが必須! | 日本オランダ徒手療法協会

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慢性腰痛は多裂筋チェックが必須!

2018.10.29

from 黒田雄太 西麻布のホテルラウンジより

 

今日はおシャンティなところでメルマガを書いている黒田です(笑)

 

すでにその言い方がダサいですが(苦笑)

 

オランダ徒手の研修で2ヶ月ぶりに東京に来ました!

 

土日が研修なのですが、長崎からの通いなんで金曜夜に東京入りして月曜に帰るという3泊4日の小旅行を今年の4月からしてるんですよね(汗)

 

研修が終わった日曜の夜

いつもと違い今回は西麻布のホテルに泊まるようにしてたんですね

 

ホテルのアクセスマップでは最寄り駅から徒歩8分

だからiPhoneで場所を検索して歩いて行くことに

 

ホテルに着いたらゆっくり風呂にでも入ろうかなぁ〜なんて思いながら知らない東京道を歩きます

 

5分後…

 

あ、もうすぐ着きそうだな!よし、あとちょっと!

 

さらに5分後…

 

あれ?道間違えた??

 

でもiPhoneは合ってるよなぁ!もう少し歩くか!

 

さらにさらに10分後…

 

えー、全然着かんし⁉︎どういうことー(汗)

iPhoneのマップどうり歩いてるのに全然ホテルに着かないんですよね⁉︎

 

もしや?これってiPhone自体が間違っている?

前にもiPhoneに間違った場所に導かれた経験がある僕

 

嫌な予感…はぁ、やっぱりか…またお前の仕業だな

 

iPhone6(涙)

 

そんなこんなで8分で着くところを30分かけてホテルに到着したのでした…

 

、、、

 

ここで問題だったのはiPhoneが示す位置情報が間違っていたということ

 

現在地が間違っていたのか?目的地が間違っていたのか?はわかりません

 

ただ、いずれにしても位置情報がわからないという事はどの方向に向かったら良いのかわからないというとても危ない状況です

 

これって人間のカラダも全く同じなんですね

 

よく治療家の皆さんはカラダを動かすための運動神経と筋肉の関係

いわゆる出力系のことを意識すると思います

 

しかし、その出力系がうまく機能するためにはカラダがどの様に動いているのかを感知する感覚神経いわゆる入力系がきちんと働かないといけないんですね

 

その中には学生時代にならう固有感覚や関節覚なども含まれているんですね

 

このようなカラダの位置情報をつかさどる入力系の機能

実は腰痛によってかなり影響を受けるんです!

 

腰痛というように痛みはもちろんですが他にもカラダの色んな部分に影響を及ぼしてるんですよね!

 

今回は「腰痛と位置情報を感知する感覚神経の関係」という

新しい視点を皆さんとシェアしたいと思います

 

中腰で腰が痛くなる庭師

以前このような症状を持っている患者さんをみていました

 

問診してみると

レッドフラッグや神経根症状ではなく、一般的な腰痛であるメカニカルペイン

 

下位腰椎に広い範囲で痛みがあり

主訴の中腰姿勢のときや朝起きた直後に痛みがでるということだったんですよね

 

炎症などはなかったですね

 

ストレスの影響を身体が受けているかどうか確かめるために自律神経についての問診もしましたが、特に引っかかるところはなし

 

よくよく聞いてみると最近仕事が忙しくなってきており

それに伴って腰痛が出てきたみたいなんですよね

 

要はオーバーユースになって腰痛が出たんだと僕は考えました

 

ただですね

単純なオーバーユースなんですけどこんな状況を昔から繰り返しているみたいなんです

 

仕事が忙しくなっては腰痛が出て、仕事が落ち着けば軽くなる

繰り返す腰痛をなんとかしたい!そんな気持ちで来られたようでした

 

そのため原因を見つけるためにもう少し問診を深くやってみたんです

 

すると、原因はこれだ!というところに辿り着いたんです

 

全てのはじまりはギックリ腰から…

僕が注目したのは「既往歴」です

 

腰痛を繰り返していたのは分かりましたがそれがいつから何をキッカケにはじまったのか?それを聞きたかったんです

 

するとすでに昔のことなので詳しくいつというのは覚えていなかったですが

ひどいギックリ腰をやってから腰痛を繰り返すようになったということだったんですね

 

ギックリ腰をはじめとして腰痛になるとカラダにとってかなりよくない

「あること」が起こります

 

腰を安定させているのはコアと呼ばれる体幹筋ですが

さらに詳しくみると背骨の1〜複数の分節に跨りながら走行する小さな筋肉があります

 

その名も「多裂筋」腰部のインナーマッスルの役割を果たします

 

この多裂筋下位腰椎では脊柱起立筋よりも断面積が大きく

下位腰痛を安定させるのはほぼ多裂筋といっても過言ではありません

 

そして各分節を安定させる以外にも

多裂筋には固有受容器が数多く分布しており腰回りの位置情報の入力に大きな役割を果たしているんです

 

そんな多くの役割を果たす多裂筋ですが

 

腰痛を起こした場合昔授業で習ったんですが、

「24時間以内に萎縮がスタート」してしまうそうなんです!

 

ひゃー、こりゃ大変だー!!!冗談じゃなくてこれホントのはなし(汗)

 

習ったあと、僕も色々と論文を探して見たんですが24時間以内という論文は見つけきれませんでしたが、腰痛になったあとに多裂筋が萎縮するという論文はいくつもありました

 

という事は10年来の腰痛なんておっしゃっている患者さんは

適切なトレーニングをしない限り10年間多裂筋が働いていないんですね

 

多裂筋が働いていなければずっと不安定性が残ったままなので

何かしらの原因例えばオーバーユースやストレスが重なれば腰痛にもなりますよね

 

この多裂筋は解剖学的に腹横筋と連結しているので、腹式呼吸をしながらお腹を凹ませるドローインみたいなことをやると、腹横筋に引っ張られる力に抵抗して多裂筋を二次的に働かせることが出来ます

 

でも、萎縮してしまったものは

多裂筋を単独で働かせるようにしなければなりません

 

実際にこの患者さんも多裂筋は萎縮していました

なので、僕は多裂筋を単独で働かせるというトレーニングからはじめたんですね

 

多裂筋は位置情報を感知する固有受容器が豊富なんですが

一度萎縮した多裂筋はその機能も低下しています

 

なので他動や自動介助、自動運動というように

段階的に多裂筋を再教育していきます

 

だけどはじめは全然うまく出来ないんですよね

 

患者さんからは「動かし方がわかりません…」そんなことをよく言われます

 

ですが、根気強く繰り返していくうちに少しずつ動かす感覚が蘇ってきます

 

まだ萎縮が残っていてもしっかりと多裂筋を意識的に働かせることが

出来る感覚が戻ると腰の痛みや重たさは格段に軽減しますね

 

腰痛の人は多裂筋が働いていない人がかなり多いです

 

それにコアトレーニングを続けてもなかなか良くならない腰痛患者さん

 

そんな人がいたらぜひ多裂筋の萎縮具合などをチェックしてみてください!

 

【グッバイ!腰痛!】

そんな日がいつか来ますように

 

P.S.

カプセルホテルにしてはかなりオシャレなホテルでした!

苦労して辿り着いた分、気分は最高でしたよ!!


この記事を書いた人

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黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。