blog
鼠蹊部痛は脊柱モビで改善
2018.07.05from 杉山貴規 広尾オフィス
備前焼って知ってます?
岡山県の焼き物でこんな感じのもの
先日、焼酎居酒屋に行ってきたんだけど、そこで焼酎を頼むと店主のうんちくと備前焼のグラスがついてくる(笑)
その備前焼、上のものと少し様相が違っていて、螺旋というかとぐろを巻いているようなデザイン。
焼酎はもちろん美味しいだけど、この備前焼に一目惚れ、
店主にこれ売ってるとこないかと聞くと、譲ってくれた。
この螺旋状の文様がこの職人のシンボル的なものとなっている。
螺旋を入れるのは書き込むのではなく、粘土をねじりながらろくろを回している難しい技法らしい。
昨日もこの螺旋に癒されながらお酒を一杯…
鼠蹊部痛はこの2つの関節に注目!
さて、この螺旋状。ひねりに関してだけど、ひねりを出すのは人間の体にも多く見られる動作。
そしてこのひねりを作り出しているのが、大きく二つある。
一つは××(←これも関節)、そしてもう一つが〇〇関節。
この二つでねじれを作り出している。
先日、サッカー選手で鼠蹊部(そけいぶ)の痛みがあってきた選手が居たんだよね。
彼はもう、数週間痛みが寛解しないからいい状態でプレーができていなかった。
鼠蹊部痛の原因はさまざまだけど、
股関節周りの筋肉が硬くなることがある。
痛みの箇所も臼蓋(きゅうがい)の下方の前の方で
股関節周りの筋肉を緩めて、骨盤周囲のアライメントを整えることをしてあげたんだ。
即時的な効果は出るんだけど、試合や強度なプレーになると痛みがすぐに出てくる。
それで、何か見落としていることはないかなと思って、股関節を中心に膝、骨盤、腰椎や胸椎部位の筋肉、神経、皮膚、関節、関節方の硬さを評価
すると
先も言った通り、股関節周囲の筋緊張がやたら高く、それに加えて腰椎と胸椎の回旋の可動域に制限があったんだよね。
普段なら、局所の痛みを取ることに専念するから局部ばかり見がちなんだけど、
この鼠蹊部痛に関しては少し違う見方をしたほうがいい。
鼠蹊部痛を脊柱のアプローチで改善
股関節周囲の筋肉には
脊柱についている筋肉で大きいやつが一つあるそれは、
大腰筋
こんな風になっている。
腰椎にこれだけ大きな筋肉が股関節の「多関節筋」として存在している。
それで、この腰椎の可動域制限は大腰筋が要因なのかと考えてアプローチ
でもここのアプローチはストレッチやリリースで行なっているから、しなくてもいいと思うでしょ。でも
実は、回旋でよりストレッチできるんだよね。
だから、脊柱のモビライゼーションを使って、この大腰筋の柔軟性をより出してあげたんだ。
すると、
脊柱の回旋可動域は向上。
もちろん股関節の外転や外旋などの複合動作の可動域が向上し、そして鼠蹊部痛は消失。
プレーも痛みはなく、キックの精度・飛距離・強さといったものにもつながった。もちろん、フィジカルの部分も。
小さい選手なんだけど、今までは相手の当たりを下半身だけで踏ん張っていたのが、身体全体で踏ん張れる様な副産物も付いてきたのである。
考えてみると、股関節って「球関節」ですよね。
だからさまざま動きができる。
しかし、股関節より上にある骨盤帯(股関節・仙腸関節、腰椎)の可動性が乏しく、そのストレスが股関節に集まれば股関節のオーバーワークになるし、恥骨結合にストレスが集まれば恥骨炎になるリスクは高くなり、仙腸関節や腰部にストレスが集まれば腰痛のようにってくる。
そこで、それをより無理なくしてあげるには、ひとつには脊柱の可動域がものすごく重要。
鼠蹊部痛予防の体操は股関節のみを狙ったものが多いけど、
この脊柱に対するアプローチもぜひ予防としては入れて欲しい。
P.S.
備前焼ってさまざまなものがあるんだけど、この人のものは本当に個性がある。
もう見ているだけで面白い。
もし、興味があったらぜひこの焼酎居酒屋に行ってくださいな(笑)