肩こりの戻りはここにアプローチして! | 日本オランダ徒手療法協会

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肩こりの戻りはここにアプローチして!

2020.08.04

from 黒田雄太  @自宅デスクより

 

最近僕の娘があるモノマネをするようになりました。

 

それは「ライザップのCM」(苦笑)

 

BGMを歌いながら、アフターのときには笑顔でポージングをとります。しかもお腹を一生懸命に引っ込めて(笑)

 

意外と完成度が高いのです!

 

そんなライザップですが、最近こんな新しいコースができたみたいなんです。

 

「ライザップ:シニアプログラム」

 

暴れん坊将軍、マツケンサンバで有名な俳優の松平健さんがそのプログラムを受けたらしいんです。

 

4ヶ月体にあったトレーニングや食事指導を受けると、66歳でも目を見張るほどの変化がありました。

 

何をやるのか?ということも大事ですがやはり「継続」が大事だということがよくわかります。

 

何事もコツコツと小さな継続が大きな成果を生み出すんですね。

 

こんなご時世ですが、自分にできることをコツコツとやり続けていきたいですね!

 

さて、今日はコツコツとやっていかないと改善が難しい「肩こり」の治療について。

 

一時的には施術で楽になりますが、ほとんどのケースが戻ってしまいますよね?

 

僕も同じような経験をしたんで、その時のことを紹介しますね!

 

ガチガチの僧帽筋…

 

今日の患者さんは70代女性の肩こりの女性です。

 

一般的な肩こりだと思うんですが、まずはしっかりと問診から行います。

 

・常に肩が重たい感じがする

 

・朝は良いが、日中〜夕方にかけて時間が経つと肩こりがひどくなる

 

・手の痺れはない

 

・猫背が強い

 

・頚部の痛みはなし

 

などの情報でした。

 

これは全ての情報ではないですが、ここから「どの組織が問題となっているか?」、「治りを悪くしている要因は何か?」ということを考えます。

 

おそらくですが、組織的には関連痛などではなく、一般的な肩こりで問題となる「僧帽筋の上部線維」だと思いました。

 

なので、そこを緩めたら解決する可能性が高いです。

 

また、「治りを悪くしている要因は何か?」ということですが、これは複数の仮説を立てることができます。

 

猫背が強いので、姿勢の影響もありますし、胸椎の硬さがあると考えられるので「自律神経の機能低下」なんかも考えられます。

 

問診からこのようなことを考えつつ、次はアプローチを行いました。

 

予想通り、「僧帽筋上部線維」はガチガチになっていました。

 

リリースを行おうにも、硬くて指が入りずらかったので、頚椎のモビライゼーションなどを先に行い、僧帽筋の緊張を緩めたり、表面の皮膚や筋膜へのアプローチなども行いました。

 

その甲斐あってか、しっかりと「僧帽筋上部線維」は緩んで肩こりもかなり楽になったんです。

 

その日の治療は終了。

 

次の治療時…もうお察しの通り、僧帽筋の硬さは戻ってしまっていたんです(苦笑)。

 

さて、ここからが治療家の腕の見せ所です!

 

痛みがある部位にアプローチするのは正直誰でもできます。

 

ですが、戻りが生じる根本的な原因にアプローチできる治療家がしっかりと結果を出すことができるんです。

 

このときには初回のアプローチよりも早く、「僧帽筋上部線維」を緩めることができました。

 

しかも、「僧帽筋上部線維」に直接アプローチすることなくです!

 

僕はどこにアプローチをしたのでしょうか?

 

ここにアプローチすると肩こりに限らず肩甲骨が本当にユルユルになりますよ!

 

肩甲骨のアライメントに着目する!

 

アプローチした部位は「鎖骨下筋や小胸筋」です!

 

ここを先に緩めると、「僧帽筋上部線維」を触らなくても、めちゃくちゃ「僧帽筋上部線維」は緩むんです。

 

その理由はなぜか?

 

それは猫背からくる肩甲骨のアライメント不良です。

 

猫背だと胸部と頚部の後面が硬くなりますよね?

 

一方で、背中や頚部の前面が伸ばされて弱くなっています。

 

これを肩こりの症状に当てはめると硬くなっているのは胸部なので大胸筋などとなり、頚部の後面は「僧帽筋上部線維」となります。つまり、症状が出ている部位です。

 

初回の僕のアプローチは猫背で硬くなっている頚部の後面だけにアプローチしていたんです。

 

なので、戻りが生じてしまったんです。

 

そこで今回は頚部の後面同様に硬くなっている胸部にもアプローチしたんです。

 

胸部へのアプローチでよく行うのは大胸筋です。ですが、今回は大胸筋へはアプローチしていないんです。

 

その理由は「大胸筋」は肩甲骨に付着していないからです。

 

もちろん間接的に肋骨と上腕骨を結ぶ大胸筋も肩甲骨の動きを制限することは確かにあります。

 

ですが、もっと直接肩甲骨の動きを制限している筋肉の方がアプローチの効果が高く出ると思ったんです。

 

肩甲骨の前面、烏口突起に付着する「小胸筋」と唯一体幹と肩甲骨を結ぶ鎖骨の動きを出すために「鎖骨下筋」にアプローチしました。

 

予想通り、かなり肩甲骨の動きはよくなりますし、巻き肩だった肩甲骨のアライメントもしっかりと後方に肩を引けるようになりました。

 

その結果として、肩甲骨のアライメントがよくなったので、「僧帽筋上部線維」も緩んだんですね。

 

オランダ徒手では痛みや症状がどの組織が原因となっているのかをしっかりと考えることを大事にしています。

 

治療を「組織レベル」で行うためです。

 

どの組織が問題かをわかることは大変大事なのですが、それがわかったからといってその組織だけにアプローチしても結果を出すことはできません。

 

なぜ、その組織に負担がかかっているのか?一度緩めたのに戻ってしまうのか?という根本原因にアプローチするからこそ、結果が出るんです。

 

今回は猫背姿勢が根本原因でしたが、その他にもたくさん根本原因となりうる要因はありますので、また患者さんの治療を通してこのブログで紹介しますね!

 

【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように

 

P.S

次から次へといろんなプログラムを考えるライザップには脱帽です!一般化せずに個別に対応するというところがライザップの良いところだと改めて思いました。


この記事を書いた人

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黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。