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股関節周り全てリリースしても変わらないときの対処法
2020.09.03from 黒田雄太 @自宅デスクより
ネットでこんなニュースを目にしました。
「ドイツでベーシック・インカムの実証実験が始まる」
へっー、ベーシック・インカムかぁ…。
あのベーシック・インカムねぇ…。
って、ベーシックインカムってなんじゃい!!!
あなたはこの言葉知っていますか?
僕はホリエモンやひろゆきさん、元大阪府知事の橋下さんが話しているときに聞いたことがある言葉だったんですが、正直深く知らずに知ったかぶりをしていました(苦笑)
ネットでググったらすぐに出てきました。
「ベーシック・インカム」とは国民に一定期間の間隔(多くは月に1回)で生活に最低限必要な現金を無償で国が支給するというシステムのことです。
って、これすごくよくないですか?
財源はどこから持ってくる?、働かない人が出てくるなどのデメリットもあるようですが、世界各国を見てみると試験的に導入したり、今回のドイツのように実証実験をしている国もあるようです。
特に今のコロナ禍で業種によっては休業せざる終えないことが出てきています。そんな場合に国から毎月最低限ながらも生活費が支給されるととても安心ですよね?
だから、世界各国このベーシックインカムの導入が加速的に議論されているようです。
このように最新の言葉でも、昔からある言葉でも知ったかぶりをせずに謙虚に調べて自分のために身につける方が、とてもメリットが高いです。
これは臨床でも同じで最新のエビデンスも昔からある解剖学や運動学が結果を出すヒントになります。
今回は腰痛がある方の股関節のアプローチについて書いたんですが、ある運動学的な考え方が解決のヒントになりました。
どこにアプローチしても曲がらない股関節
今回の患者さんは70代の男性の方。
長く座っていた後に仰向けに寝ると腰が痛い方です。
姿勢は典型的な猫背。腰椎も後弯し骨盤も後傾しています。
おそらく長時間の座位後なので、不動によって腰回りの組織は硬く循環が悪くなっていることが痛みの原因かと思います。
もちろん動かすことが良いのですが、この方股関節屈曲が90度くらいしか曲がらないため、余計に腰椎の後弯がひどくなっていたんです。
なので、股関節屈曲の可動域をアップさせて腰椎の負荷を減らそうと考えました。
股関節へのアプローチは殿部周りの大臀筋や中臀筋、小臀筋、大腿筋膜張筋などにリリースをかけてみました。
ですが、あまり変化がありません(汗)
今度は前面の腸腰筋や大腿直筋、内転筋などもリリースしました。
ですがこれまた、ほとんど可動域が変わらないのです(大汗)
股関節周りにどんなアプローチをしても変わらない…。
ですが、ある一部の関節を緩めたポジションに持っていき、その状態で股関節を曲げると驚くほど可動域がアップしたんです。
これ実は股関節を評価するときに誰もが陥りやすいことなんです。
そのある関節とは一体なんでしょうか?
問題は反対側の股関節だった!
股関節が曲がるとき大腿骨だけでは90度ぐらいしか曲がらないと言われています。
通常股関節を曲げてお腹に大腿骨がつくのは仙腸関節や腰椎などの動きが加わって実現されます。
これを「骨盤大腿リズム」ということもあります。
この患者さん、股関節屈曲の可動域をチェックするときに反対の股関節は伸ばしたままで行っていたんです。
あなたもきっとそうすると思います。
僕もそのように評価しました。この評価だと、90度ぐらいでカツンと当たる感じでした。
ですが、反対側の股関節を屈曲させる(=足を立てる)と股関節がお腹につくまで曲がったんです。
このときに緩んでいるのは反対の股関節屈筋です。
つまり反対の股関節屈筋が硬くなって骨盤や腰椎の動きを制限し、その結果として股関節が曲がらなくなっていたんです。
座っている時間が長いことが股関節前面の筋の硬さを作った理由でしょう。
なので、この患者さんは曲がらない側の股関節ではなくて、反対側の股関節へのアプローチをしました。
腸腰筋や大腿直筋、大腿筋膜張筋などのリリースとL5/S1や仙腸関節のモビライゼーションを行うことで股関節の曲がりは改善しました。
このように股関節の制限があるときに股関節周りだけにアプローチしても変わらないときには骨盤や腰椎の可動性もチェックする必要があります。
思わぬところに関節を制限してしまう原因は隠れています。
ちょっとした違いも見逃さないことが改善の糸口になりますね!
【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように
P.S
日本でもベーシック・インカムの導入については検討すべき考える評論家も多いようです。新しいものを受け入れるのは大変ですが、良いものは良いとして受け入れて行きたいですね。