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繰り返す捻挫は靱帯を鍛えてないから
2019.09.21from 杉山貴規 広尾オフィス
「練習してないから捻挫をするんです」
テレビから面白い言葉聞こえてきた。
数年前に、某有名体操選手が捻挫をした時の解説者の話だ。
自分もウンウンと思いながら聞いていたんだ。(すごい!この解説者!)
でも、一般の人から聞いたら、練習するのと捻挫するのはリンクしないと思うんだよね。
だって、いくら練習しても捻挫は避けられないでしょって。
数年前の自分でも同じように、見当違いの話をしているって思ったに違いない。
でもこの話は大正解
実は、自分も同じような経験をしている。
それは、今帯同しているチームでの話なんだけど、
チームに帯同し始めた当初は、本当に捻挫が後を絶たなかったんだよね。毎月一人、二人はいる感じ。
本当に多かった。
それが今では年に数人程度。
実感的には捻挫しても同じ選手は再受傷することは、ほとんどない。
それも、最初帯同してきたときよりもフィジカル練習がかなり多くなったことが挙げられるんだよね。
フィジカルの練習が多くなったせいで、足首にかかる負荷量が自然と多くなるから、足首全体の軟部組織の耐性がつき、鍛えられるようになったんだと思う。
つまり、靭帯が鍛えられたことなんだよね。
そう靱帯は鍛えられるんです。
繰り返す捻挫
もう何年もこの症状に悩まされている選手を目の当たりにしている。
『捻挫って繰り返すものなんですよね。だからしょうがないんですよね、、、』
確かにこの言葉って、
誰もが効いてきた言葉で、自分もそう思ってたんです。
昔こんなことがあって、それは捻挫をして長期に離脱していた選手がいたんです。
そんな選手があるクリニックに受診をしたんです。
ドクターもそれは足関節の捻挫だから、4週間安静にして痛みが改善したらバレーボールに復帰していいよって言われたんです。
その選手はそれを守って、顧問の先生に経緯を言って4週間運動をしないで部活の手伝いをしていたんです。
それから、ドクターに言われた通りに復帰をしたんです。
すると、復帰したその日にまた足首を、、、
再受診すると同じ箇所の捻挫。
選手にしたら
なんでだって思うじゃないですか??
それから、自分のところに来たんです。
杉山「リハビリはやっていた?」
選手「何もやってません。安静が大事だからって。。。」
これ自分の経験だけど、足関節捻挫で病院に行ってもリハビリって行われないことが多い。
もちろん、しっかりやってくれているところもあるとは思うが、
結構、軽視されてリハビリまでやってない。
そう、足関節の捻挫でもリハビリは必要なんです。
だって、靭帯損傷だから。。。
靱帯は鍛えないと良くならない
4週間安静で復帰これは半分あっていて、半分間違い。
確かに、捻挫程度にはよるけど、安静期間はおおよその期間はある。
なんで安静にするのか?
それは、靱帯の修復期間がそうであるから。
だから、安静にするのは十分にわかるんだ。
でも、ちょっと考えて欲しいんだよね。
例えば、今まで10kmを30分程度で走ってた人がなんらかの理由で4週間全く何もしないで、4週後に10kmを走ったら、、、
きっと30分のタイムでは走れないとは思うんだ。もし走れたとしても、かなりの疲労感があると思う。
つまり、靱帯にも同じことが起こっているんだよね。
今まで、何回もジャンプをしたり、前後左右にステップをしていた選手がリハビリも何もしないでプレーをしたら、靱帯の損傷や痛みは無くなっても、靱帯そのものの体力、強度、耐久性は怪我をした前よりも明らかに脆弱になっていることは想像できるよね。
だから、4週間後に、何もしないで復帰はありえないんだ。
だからこそ、靱帯に関してのリハビリは重要なんだよね。
バレーボールのプレーに耐えられるだけの、耐久性が靱帯に求められるし、そのほかにも筋肉や皮膚などの軟部組織、骨にも同じことが言える。
ここまでのことを考えながら、4週間後に復帰をさせるかどうかを考えなきゃいけない。
もしかしたら、復帰を考えるなら4週後ではなくて、5〜6週間後が妥当なのかもしれないよね。
もし、あなたの中でこんな経験したことがあるとか、繰り返しちゃう捻挫の理由がわからないときは、靱帯の耐久性ってところに目を配ってあげると繰り返さないかも。
PS
あのテレビの解説者
ロサンゼルスオリンピック 金メダリストの森末慎二さんなんだけど、
やはり、超一流はすごいなって思った。
医療人ではないのに、それをしっかりと見極める眼力も超一流!!
かないません。
もっともっと精進しなければ。。。