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筋膜治療だけで本当に治るのか? | 日本オランダ徒手療法協会

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筋膜治療だけで本当に治るのか?

2019.11.15

from 黒田雄太 @自宅デスクより

 

あなたはこの言葉聞いたことありますか?

 

「ステルス医療費」

 

僕は恥ずかしながら初めて聞きました(苦笑)

 

例えば、痛み止めや湿布、整体マッサージ、健康器具などのように自分の体の治療のために必要な費用から、

 

痛みによって料理ができなくなってしまい、スーパーのお惣菜を買う…などにかかる間接的な費用も含めた医療費のことを「ステルス医療費」と呼んでいました。

 

体に不調があるとそのようなところにまで影響が及ぶのかと改めて気づかされましたね。

 

そのテレビで紹介されていた方はあまりに痛みが強すぎて、仕事を休職するにまでに至っていたんです。

 

そう考えると体の不調はその患者さん自身だけではなくて、その周りの家族や職場、家計

、もっと広く考えると日本経済にまで影響があるんだなぁと思いました。

 

僕たち治療家の責任は重いですが、貢献できることはたくさんあるなぁと思いました!

 

なので、逆にめちゃくちゃ気合が入ったんですね!!

 

やり方は違えど僕のように困っている患者さんを助けたいと思っている治療家は他にもたくさんいて、そのような人たちはよく本を出したりしていますよね?

 

今日はたまたまネットでみて面白そうだぁと思った本を題材に話をしてみようかと思います。



一言物申す!!(笑)

 

冗談ですよ、怒ってはいません(苦笑)。

 

僕が読んだ本は最近の治療系セミナーで見ないことがないほど流行っている「筋膜治療」の本。

 

筋膜は全身を覆っているウエットスーツによく例えられます。

 

筋膜のどこか一部に捻れがあると、別の部分が引っ張られてその引っ張られた部分に痛みが出るというメカニズムです。

 

つまり、原因は痛みが生じている部分ではなくて筋膜が捻れている別の部分となります。

 

筋膜の捻れを解消することが治療として必要なので、痛みがある部分ではない離れた部分に対してアプローチします。

 

患部に触らずに腰痛や膝痛を治していくので患者さんもビックリしますよね?

 

まさに遠隔治療!

 

神の手!ゴッドハンド! あっ、どっちも同じか!(苦笑)

 

と言われることもしばしばのようです。

 

そういう治療に憧れる治療家が多いのも事実で、これが筋膜ブームに火をつけた理由のひとつではないかと思います。

 

患者さんにとっては痛みが取れるからいいと思います。

 

うん、いいんです。

 

でも、僕はいち治療家としてここで一言言っておきたーーーい!

 

いや言う!!!(笑)

 

やっぱり「局所も治療すべき!」

 

そう思うんです。なぜか?

 

実はこんな理由があるんです…。



あなたの”治った”の定義はなんですか?

 

患者さんの”治った”の定義=痛みがとれた!であることが多いと思います。

もしかしたら治療家のあなたもそう思っているかもしれません。

 

もちろん痛みをとることは必要です。

 

しかも患者さんも痛みをとることが目標です!痛みをとって欲しい!との希望が多いですよね?

 

ですが、僕は痛みがとれることは治るための第一歩だと思っています。

 

僕が考える”治った”の定義は

 

・出来なかったことが出来る!

・再発しない!

・前よりも楽に、軽く動ける!

 

などのように『機能改善』だと思っています。

 

なので、痛みがある部位以外に原因があったとしても、そこを治療するだけでは不十分なんです。

 

例え痛みの部位自体に原因はなくとも、痛みを抱えていたなら、

 

カラダは

・血液循環が不良になったり

・細胞内の水分結合が少なくなったり

 

などのような反応を起こし、局所の組織には癒着や硬結、萎縮が生じます。

 

組織の強度は落ちていくんです。

 

逆に改めて組織の強度を上げていくには、

 

・癒着や硬結をリリースによって剥がしたり、緩めたりし、局所循環を良くして

・新たにそこに限界ギリギリの刺激(負荷)を与える…

 

そのようなことをしていく必要があります。

 

仮にアライメントを整えたとしても、組織強度が弱いままだとその部位に一番はじめに負担がかかるので、いずれ再発してもおかしくないでしょう。

 

つまり、局所の治療なしに『機能改善』は図れないんです!!

 

これが僕が局所治療に拘る理由です。

 

、、、

 

もちろん、筋膜治療を否定するつもりはありません。可動域や動きを阻害する要因として筋膜の影響はかなり強いと思います。

 

実際に僕自身も治療にとりいれています。

 

ですが、患者さんの本当のニーズを叶えるためには『局所の治療』は必要だと確信しています。

 

ある特定の流派やテクニックにとらわれずに、患者ファーストの心で理論やテクニックを使いこなせるようになれるといいですよね!

 

何事もバランスが大事です。

 

【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように

 

P.S

ステルス医療費のテレビ番組で、実際にどのような治療が紹介されるのか?…期待半分不安半分で見ていたのですが、運動療法について紹介していたのでちょっとホッとしました。やっぱり地道に根気強く行う運動療法はどの疾患でも有効なようです!




この記事を書いた人

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黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。