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筋膜が緩むだけでは可動域は変わらない!
2020.05.20from 黒田雄太 @自宅デスクより
ここ2年ぐらい治療や医療的なスキル以外のことを学ぶ機会が増えました。
習慣の作り方や食事、睡眠などの健康に関すること。
効率の良い仕事の仕方やトヨタの仕事術、マーケティング、コーチングなどのビジネススキル。
改めて思い返すと色々な分野のことを学んできました!
特に最近はマーケティングのことが多いですね(笑)
マーケティングの情報をとることが多くなったせいか、僕のSNSのタイムラインにはマーケティング関連の広告が山のように出てきます(苦笑)
その中でよく見るのが、「無料で〇〇!」や「たった1ヶ月で売り上げ〇〇倍!」
本当にそうなのかなぁ?と思いつつもつい気になってしまうのが、このような謳い文句!
人の感情を動かすのが上手いですよね(汗)
治療の世界でもこのようなことは多くありませんか?
「3秒で緩める!」や「一発で治す!」
もう見飽きた方も多いのでは?(苦笑)
正直、僕はこのような言葉は好きではないのですが、今日は自分が臨床でやっていて”確実”に可動域が上がる方法を見つけたのでそのことについて話をしようと思います。
リリースの様々な効果
ここ数年リリーステクニックが流行りましたよね?
筋膜をリリースするものや筋膜に限らず隣接する組織の間をリリースするテクニックもあります。
組織の癒着や滑走不全を改善するためのものですが、その効果はどのようなものがあるでしょうか?
・血流の改善
・リンパ還流の改善
など、あまり知られていませんが、このような効果もあります。
血流やリンパの流れがよくなることで痛みの改善にも繋がりますよね。
ですが、1番の効果はなんと言っても「可動域の改善」!
理論的にはそうなんですが、そう言いつつもリリースをしてみて組織は緩むけど、可動域が変わらないことを経験したことはありませんか?
僕も幾度となく経験したことがあります(涙)
入念に治療した後に再評価しても全く可動域が上がらなかったときは患者さんとの間に嫌な空気が流れます(汗)
ですが、組織は緩んでいるのになぜ可動域が上がらなかったのでしょうか?
その理由は実はリリースのやり方に問題があったからなんです。
静的なリリースでは可動域は上がらない⁉︎
多くのリリーステクニックはこのようなやり方をしませんか?
筋膜であれば筋肉を潰さないように体表に触れて、筋膜を少しだけ伸張させる。
そして、その状態のまま60〜90秒ぐらいキープして緩むのを待つ。待っていると少しずつ筋膜が緩んでくる。
確かにこのやり方で組織自体は緩むんですが、その時の関節の状態はどのようになっているでしょうか?
そこに可動域が上がらない原因があります。
例えば、体幹の前屈可動域を上げたいのに、リリースをするときにはうつ伏せで背中は伸びたまま。
肩の挙上を出したいのに肩は下垂位の状態でリリースしていませんか?
リリースで可動域を上げたいのであれば、出したい可動域の方向に関節も動かしながらやらないと可動域は上がりません!
なので、オランダ徒手ではリリースを行うときには必ず関節を動かしながら行います。
肩の挙上をupさせるために広背筋にアプローチするのであれば、次のように行います。
①広背筋が緩んだ位置で筋膜を押さえる
②押さえた手が緩まないようにしながら、肩の制限ギリギリのところまで挙上させていく
③一箇所リリースしたら、押さえる筋膜の部位を変える
このように①〜③を繰り返していきます。
このようなリリースをしていると”確実”に可動域は上がります!
、、、
一見当たり前のようなことですが、これが出来ていない治療家はとても多いです。
リリースを行っても効果がないなぁと思ったら、つい別のテクニックに走りがちです。
ですが、1つのテクニックでもしっかりと使い方を工夫すると、臨床で使える自分の武器になります。
この応用力が結果を出す治療家に必要なスキルだと思います。
日々学ぶことも大事ですが、考えて応用することはもっと大事だと感じました。
【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように
P.S
ここ最近は家にいることが増えたので、インプットの時間が取れるようになってきました。次は心理学について勉強しようかな!