『ACL損傷』のプログラムを再考する! 〜競技復帰に向けて〜 | 日本オランダ徒手療法協会

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『ACL損傷』のプログラムを再考する! 〜競技復帰に向けて〜

2017.07.12

 

おはようございます。

 

 

オランダ徒手療法協会の杉山です。

 

 

今日は先日行われた「オランダ徒手療法」を体系的に身につけるための唯一のコースである、

DMTスクールの授業に関してレポートします。

 

 

徒手療法コースは今年から筑波大学を日本有数の施設をお借りして、

朝から晩まで2日間授業を行なっています。

 

<写真>徒手療法コース ラダーを用いたトレーニング方法についての講義

 

徒手療法の技術、生理学から運動の理論、ケーススタディー、実際の運動指導を自分たちの体を使って行なっていきます。

 

 

この環境で授業ができる。こんなコース無いと思います!!!

 

 

毎回テーマに沿った内容で、色々と発見があり、また今まで自分が普通と思っていた考えが覆されるので、

 

 

ドーパミンが出っぱなしです。

 

 

今回の授業では、受傷したクライアントをどのようなプログラムで復帰させ、

 

 

また受傷前よりもパフォーマンスを上げていくのかに焦点を絞った授業展開です。

 

面白そうですよね。

 

面白いんですよ、本当に。

 

 

今までの自分でなら、怪我の部位にアプローチしながら徐々に負荷量を上げ、アプローチ、

 

 

「運動」を行っていき、復帰まで導いていくのですが、、、

基本的な考え方は合っています。

 

 

今回の授業は運動に焦点を絞って行っているので

 

 

「運動」

 

 

というワードの曖昧さをなるべく排除する。

 

そういった授業になります。

 

<写真>徒手療法コース 体幹トレーニングの方法についての講義

 

「運動」

 

 

みなさんは何をクライアントに提供していますか?リハビリメニューはどのようなものですか?

 

 

例えば、

『陸上競技100m選手でACL損傷、復帰直前とした時のプログラム設定してください』

 

皆さんは何をしますか?

 

 

歩きを見ますか?中腰の姿勢で歩かせますか?横にジャンプさせますか?

後ろ歩きさせますか?深いランジ動作をやりますか?など

 

何を基準にその選手やクライアントに運動指導しますか?

 

多くのセラピストが、プロトコルにのとったことを行っており、

それぞれの競技や動きの運動パターンや運動構造を無視した方法でリハビリを進めていきます。

 

これだと、そのプロトコルに関しての膝の耐性はつくかもしれませんが、

様々な競技における膝の体制は無視した状態です。

 

 

これは、競技に復帰した時に、運動パターンや運動構造が破綻した状態で復帰し、

復帰したとしても以前よりも動きが悪く、

 

本来の自分に戻るのにかなりの時間を要するとともに、競技特性を無視した状態での復帰の場合、

再発のリスクを孕んだ状態での復帰になる可能性があります。

 

そのリスクとパフォーマンスアップというところを

 

同時に選手へ提供するべく、

運動パターンや運動構造、競技特性の理解を十分に行ったのちに

 

リハビリのメニューを立てていきます。

 

つまり、『ACL損傷』という診断がついていたとしても、

 

 

オランダ徒手療法の考え方だと、

 

『陸上100mのACL損傷』

 

『バトミントンダブルスのACL損傷』

 

『カーリングのACL損傷』

 

『趣味レベルの登山のACL損傷』などなど、

 

という仮の診断名をつけて、

 

プログラムを設定するので、同じプログラムは絶対に存在しません。

 

 

『正しい動き』

 

 

運動パターン、運動構造や競技特性の理解が重要で

 

スポーツの種類、生活環境やそのクライアントが持ち合わせている身体機能によっても違います。

 

だからこそ、正しい動きは文献に載っている動きだけではないので、

様々な情報を集め、理解し、分析して

 

それぞれのクライアントに各々のリハビリメニューを提供するのです。

 

 

<写真>徒手療法コース パフォーマンスUpのためのKeyポイントの説明

 

こんな授業他を探してもなかなかないですよね。

 

 

自分は初めてです。

 

 

 

今月の下旬また、筑波大学で授業があります。

私も参加していますが、本当に毎回毎回ワクワクしています。

 

興味が湧いてきましたか?

 

 

また、次回徒手療法の授業風景を

一部紹介していきますから楽しみにしていてくださいね。

 

<写真>徒手療法コース 第3期受講生