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肩痛の戻りは胸椎アプローチで解消!
2020.04.03from 黒田雄太 @自宅デスクより
騙し絵って知ってますか?
僕は小学生の時の教科書に出てきたような?…そんな記憶があります。
いろんな騙し絵がありますけど、今日は有名なのを一つ紹介します!
大人が見たらどう見ても裸の男女が抱き合っている絵です(汗)
気になる方はGoogleで検索してみてください(笑)
この騙し絵なんですが、よく見るとイルカが9頭います。
約95%の人が「抱擁する男女」というように答えたそうですが(苦笑)
大人にはほとんどがそう見えるでしょうね(笑)。僕もなんの迷いもなくそのように見えました(苦笑)。
ただ、ピュアな心を持った子供にはしっかりと9頭のイルカに見えるようです!
面白いですよね!
同じものを見ているのに、全く違う2つのものが見えるなんて!
臨床でも同じような経験をすることがあります。
例えばあるアプローチをしたとして、自分が期待していない別の効果が出ていることもありますよね?
今日は肩の患者さんでそんなことを経験したので、あなたともシェアしたいと思います。
また、最近腰痛じゃなくて、肩の話が増えてきたなぁ〜(苦笑)
80代女性:左肩痛
痛みの部位は左の上腕外側。
左肩を外転したり、挙上したりすると痛みが出ます。
圧痛は特になく、さらにピンポイントではなく広範囲痛です。
広範囲痛なので、組織損傷はないことがわかります。
さらに広範囲痛の場合、局所の問題のときは組織の循環不良が考えられますが、局所ではないパターンもあるんです。
それは首からの関連痛。
でも、今回は肩を動かした時の痛みなので局所の問題であると予想しました。
部位的に三角筋や上腕二頭筋などの筋肉が問題となっていると考えました。
痛みが出るメカニズムとしては腱板機能が低下しアウターマッスルである三角筋や上腕二頭筋が代償しオーバーユースになっているんだと思います。
さらにこの方には大きな姿勢の特徴がありました。
それは猫背!高齢なので当然っちゃ当然ですが(苦笑)
なので、この方の治療方針は
・肩自体の可動域や腱板機能の改善を行う局所の治療
・猫背を修正して肩への負担を減らすという局所外の治療
局所の治療は肩関節周囲のリリースやモビライゼーションを行い、可動域がよくなってから腱板トレーニングを行います。
また、猫背に対しては主に上位〜中位の胸椎を中心に脊柱起立筋のリリースと胸椎椎間関節、肋椎関節のモビライゼーションを行いました。
実はこの方の治療は2回目なんです。
1回目は局所の治療のみ。でも戻りが出たので胸椎への治療を追加したんです。
こんな感じで2回目の治療を終えました。
後日…3回目の治療の時に患者さんから
「先生、全然痛くなかったよ!」
胸椎への治療を追加して戻りがなくなったんです。
「あ〜、よかった!」と心の中で思った一方である疑問が残りました。
それは猫背に対してアプローチしたけど、猫背自体は全然治っていなかったこと(汗)
追加したのは胸椎の治療のみ。猫背改善を目的にした治療です。
でも猫背は改善しなかったにも関わらず、痛みの戻りはなくなった。
その理由は何なんでしょうか?
これはオランダ徒手特有の考え方で説明がつきます。
その理由は…?
胸椎のアプローチにはこんな効果が!
実は自律神経へのアプローチになっていたんです。
肩周りの神経支配は頚椎の5〜6番目です。肩を動かしたり、痛みを感じたりするのはこれらの神経が司っています。
ですが、その領域に酸素や栄養を送るのは自律神経の役割で、それは胸椎の5〜6番目にあるんです。
猫背を改善するために胸椎にアプローチしていたことが結果的に自律神経を刺激していたことになってたんですね。
自律神経がしっかりと働くことで、肩周りの組織の酸素や栄養状態はよくなり、局所へのリリースやモビラーゼーションで柔らかくなった状態がキープされます。
だから、局所への治療の効果が長続きして肩の痛みの戻りがなくなったんです。
今回の患者さんのように胸椎へアプローチするという同じ手段であっても、視点が変わるだけでその目的や効果は大きく変わってしまいます。
患者さんが良くなってもなぜ良くなったのか?それをしっかりと自分なりに分析しておく必要があります。
そのためには自分が行うアプローチは何を目的にしているのか?それを明確に持つ必要がありますね!
【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように
P.S
他にもいろんな騙し絵があるんで見てみてください!さて、あなたはちゃんと2つとも見ることが出来ますかね〜(笑)