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捻挫の回復はアスリハが重要
2019.09.17from 杉山貴規 広尾オフィス
今年になって9ヶ月経つがすでに、60試合近く帯同している。
トレーニングマッチと公式戦を含めての数字だけど、
こんなにも、サッカーに入れ込むとは思ってもいなかった。
これだけ、多くの試合を見ているとなんとなくだが、サッカーの動作に関わることが見えてくるようになる。
動作っていうと、何か細かいところ重視しやすいんだけど、病院、クリニック、治療院レベルの細かいところではなくて、大きい動き
各ポジションの動きの距離や反復して行なっている動作、どんな動作でミスを起こしているのかなど、、、
そんなに偉そうなところまでは見えてないが、そういうところがなんとなくだが見えてくるようになってきている。(まだまだ汗)
これが、なんの意味があるのか?
体幹が弱い、この筋力がつけばさらに動きが良くなる。ってなことももちろんなんだけど。
自分が重視しているのは、選手が怪我をして復帰していくまで、どのような動き、持久力、対人に対する負荷量や筋力までもっていけばいいのか?
そこを考えられるようになったということ。
自分が臨床にいた時は、MMT5レベルまで行けば復帰していいよなんて話をしていたことがよくあった。(MMT=Manual Muscle Test)
でも、それってスポーツ復帰ではなんの意味を持たない。
なぜなら、それ以上の負荷がかかるからなんだよね。
サッカーは対人スポーツ、高校生を見ているんだけど体重70〜80kgの選手が猛スピードで相手に向かってタックルしてくることがある。そうなった時の足にや腰にかかる負担はMMTでは測れないレベル。
だから、安易に徒手検査でOKなんて軽々しく出せないよね。
そうなってくると、予想だにしない衝撃や負荷に耐えられるだけのトレーニングをリハビリの中でやっていかないとけない。
だから、けが人になった選手は違い俺の前に来ると嫌な顔をしている。
なぜなら、かなりきついから。。。
試合に出てた方がいいっていう選手が多いんだよね(笑笑)
でも、ここまで来るのに結構時間がかかった。
頭のチェンジができなかったんだ。病院とスポーツ現場のギャップってやつ。
相当な切り替えをしないとなかなかアスリハは難しい。。。
捻挫のアスリハ
もう2年くらい前になるかな。
捻挫で試合復帰まで7〜8週までの診断が出た選手がいたんだよね。
病院ではアンクルブレースを処方されて、5週間くらいまでは着用するように言われていたんだ。
よく目にするのは、そんなの意味がないとか言って早々外しちゃう人いるじゃないですか?
最近は、某動画サイトで病院で処方されたギプスやシーネをポイってしちゃう方々がいるんです。(笑)
すごいなって思って見てたんです。
なんかしら施術して、痛みをとって明日から復帰して大丈夫だよって、、、
確かに、捻挫の痛みって即時的に簡単に取れることはあるんです。自分もよくやるんで。
でも、ポイってしちゃう行為
めちゃくちゃ危ないんですよね。
痛みは取れたかもしれないけど、損傷した靱帯のこと考えてないんじゃないかって思うんです。
それはさておき、、、
捻挫に関して、自分がアプローチするのは
・治療
(患部に関して→靱帯の治癒促進、関節の動き向上、患部周囲の筋力向上、感覚向上、靱帯の強度向上、、、)
・リハビリ
(全体→機能的な動きの改善、非機能的な動きの改善、バランスの向上、障害予防、、、)
・アスリハ
(競技復帰に向けて→足関節の競技レベル耐性、筋持久力の向上、対人練習、、、)
この順番で選手と向き合うようにしているんだよね。
この中で特に重要視するのは
『アスリハ』
えっ、思う方もいるかもしれないんですけど。
実はこれがとても重要なんです。
治療、リハビリは結局終わりがないんです。
やろうと思えば、どこまでもそのセラピストの裁量で続いちゃうんです。
- 体幹が良くない
- バランスが良くない
- 歩き方が悪い
などなど
悪いことではないんですが、、、
選手の目標と着地点が見えていないセラピストが多い。
トレーナーを始めた時の自分も実際そうでしたから、、、
じゃー、なんでアスリハの部分が重要なのか。
それは、、、
アスリハからのスケジュール修正
アスリハをやるということは、もうすでに競技復帰できるレベルですよね?
って聞かれるんだけど。
この答えには自分はノー
さっきあげた
- 治療
- リハビリ
- アスリハ
全て同時並行にやります。もちろん最初のうちはアスリハだけ同時並行にならないけどね。
アスリハは競技に近い動作をやっていくんだけど、
もちろんその中で痛くてできないとか、動きが怖いとか、左右の動きが違ってとかいろいろな情報が出てくるんです。
それを拾ってあげることが実は重要。
その情報から、治療やリハビリの中にプログラムを落とし込んでいくんです。
これはアスリハがなければできないんです。
これを可動域が悪い、筋力が弱い、感覚が弱いだけをひたすらやっていても、よくなるのはいつですかってことになる。
だから、競技復帰の中ではその決められた期間の中で同時並行でトップの強度や動作を取り入れなながらできるできないを確認しながらやっていく必要があるんだ。
実はこの選手の場合、3週目くらいからリハビリメニューにスプリントやジャンプ動作など捻挫に負荷がかかるアスリハ取り入れている。
もちろん怖いとか、痛いとかあるけど。
そこは一緒に考えながら調節して、
その中で、後補強という形で治療とリハビリを取り入れていくんだ。
これをやっていくとどうなるか、できる動作や強度がその都度チェックできるから選手にとてもわかりやすいし、弱い部分を感じられる文自主トレも積極的にやるようになる。
だから、復帰までの道筋がお互い理解しあえスムーズに試合復帰できるんだよね。
もちろん、復帰した後も本人が自分で自分の体に向き合うことができるから、補強のメニューを積極的に聞いてくるようになるんだ。
この考えって、実は理学療法で習うトップダウンの考え方なんだけど、どうしてもスポーツの強度っていうもの体感してこなかったり、わからないとトップダウンじゃなくてボトムアップの考え方に自然になっちゃうんだよね。
う〜ん、スポーツのリハって難しいよね。
でも、楽しいからやりたい人はぜひ現場に出てやってみてください。
PS
こんだけ、試合帯同しているけど、まだまだです(笑)
PPS
昨日もけが人と一緒にリハやったけど、
「杉さんのリハきつい」って散々言われました(笑笑)