2ヶ月続く指痛は関節のズレが原因! | 日本オランダ徒手療法協会

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2ヶ月続く指痛は関節のズレが原因!

2020.02.23

from 黒田雄太  @自宅デスクより

 

長崎は今日は雪だった…(苦笑)

 

2月も中頃、気温も随分高くなってきて春らしくなってきていました。

 

そんな天気が良い日に家族で公園に遊びに行って、その後から目の痒みが(涙)

 

もう花粉症の季節かぁと感じていました(笑)

 

それも束の間…

 

ある日の朝。

前日と比べて最高気温マイナス11℃で、朝起きるとゲキ寒!!

 

そして、出勤しようと思ったら、カタカタと窓に何かが当たる音が!

 

なんと、みぞれ!!

 

しかも結構ひどい!あっという間に道路の側溝には1センチほどの雪が積もりました。

 

僕の家は山の上の方なので、すぐに雪が積もってしまいます。

 

それに僕が腰痛になった原因の一つも大雪だったので、ちょっと嫌な気分です(汗)。

 

2月の中旬なのに、なんかおかしい天気ですよね?まさに異常気象。

 

おかしいといえば、

ちょっとしたケガ例えば足の上に物を落とすとか、手をどこかに挟むぐらいなら数日もすれば普通は治りますよね?

 

でも、それがなかなか治らずその相談を受けたんです。今日はそのときの話をしようと思います。

 

ほとんど診ない指の痛みにドキッ(笑)

 

首、肩、腰、膝などの部位は臨床でよくみます。でも今回は手の指です。

 

ほとんど診ないので内心ドキドキでした(汗)

 

痛みがあるのは右の人差し指のPIP関節。俗にいう第2関節です。

 

2ヶ月ほど前に重たいものに知らずに指を挟んでしまい、そこから痛みが出てきたそうです。

 

指を挟んだ直後は、少し赤みや腫れがあったようですがすぐに治るだろうとそのまま様子観察。

 

でも、つい最近配膳でお盆を持ったときに激痛が出て、それが気になり僕のところに相談へ来られました。

 

軽く問診すると、指を深く曲げるとPIP関節の橈側にピンポイントの引っ張られるような痛みがありました。

 

安静時痛や圧痛はなし。

 

あと、指を見たときの印象は若干腫れているような感じとちょっと歪んでいる?そんな印象でした。

 

すでに2ヶ月ぐらい経過しているので、受傷時に多少の組織損傷があったとしても治っていないのはおかしいです。

 

軽く指まわりの皮膚や軟部組織をリリースすると、すぐに曲げやすくなりました。

 

ですが、痛みはとれません。

 

その後に少し関節に牽引をかけながらモビライゼーションをやってみました。

 

根気強くやっていると、

 

「パキッ!」

 

という音がしました。指を挟んだときに関節のズレがあったのではないかと予想していたので、これで痛みがとれるんではないかと期待!

 

ですが、痛みはその場ではとれませんでした(涙)

 

指自体を動かしても大丈夫かどうかについて確認したかったとのことで、痛みがない範囲であれば動かしても大丈夫ですよ!とアドバイスしました。

 

その2日後、経過の報告が。

 

実はちょっとずつ良くなってきたとのことでした!

 

施術後、色々と僕なりに仮説を考えていたのですが、その仮説通りの経過になったんです。

 

僕が立てた仮説とは…

 

その場ではとれない痛みだった!

 

問診の時、安静時痛や圧痛がなかったので僕は若干の腫れはあるものの、組織損傷はないと判断したんです。

 

また、曲げたら痛いというメカニカルペインだったので、尚更そう判断していたんです。

 

ですが、結論をいうと問診時にはまだ組織損傷が若干あったんだと今は考えています。

 

では、なぜ施術直後ではなく少し後から痛みが軽くなったのか?

 

おそらくですが、指を挟んだときに挟んだ部位自体の組織損傷と挟んだことによる関節のズレが生じたと思います。

 

普通であれば多少の赤みや腫れ程度の組織損傷なので、数日もすれば治っていくものの治っていかなかった。

 

治っていかなかった原因は「関節のズレ」です。

 

おそらく痛めた組織は関節包や靭帯だと思うんですが、関節のズレによって通常よりも引っ張られた状態になります。

 

なので、軽度の組織損傷でも常に伸張ストレスが加わり続け、本来持っている治癒能力が発揮できなかったんです。

 

逆に関節のズレが解消されたことによってやっと組織の治癒が開始し、少しずつ痛みが減っていった…そう考えました。

 

なので、その場では痛みがとれなかったんですね。

 

どうしても酷くない痛みはその場で解決しようとしがちですが、必ずその場で治せない痛みもあります。

 

治療家として痛みをとることは大事ですが、その場でとれる痛みなのか、とれない痛みなのかを判断できる能力もまた必要なスキルだと感じました。

 

【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように

 

P.S

いよいよ花粉症本番の季節!目薬とマスクが手放せません(涙)。今年はゴーグルも買おうかな(笑)


この記事を書いた人

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黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。