間違った指導方法 | 日本オランダ徒手療法協会

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 間違った指導方法

2018.08.26

 from   橘田幸博 五反田貸しオフィス

 

昨日、僕の整骨院に患者さんが来た。

 

予約制なので、飛び込みでは受け付けていないが、

お昼休みの時間で時間があったので対応した。

まぁ、ほぼ強引に話を聞かされたという方が正しいだろう笑。

 

「○○接骨院に通っているんだけど、全然治らない」

 

よくあるセリフですが、こんなに整骨院の名前をはっきり言う患者さんは珍しい(苦笑)

まぁ、このような患者さんはファンになってくれることが多いので、色々と聞くことにした。

 

「どこが?」

「どんな動作で・・」

「安静時は」

 

問診に自信がある私は、色んな切り口から

原因を探っていった。 

 

腰痛を長年患っている60代の女性で、右臀部にも鈍痛を

抱えていた。

 

その中のセリフで引っかかるポイントがあった。

 

患者「前の接骨院で姿勢指導があったので、それを実践してるんですが

全然よくならなくて、逆に痛みが増すんですよ」

 

橘田「実際、どんな指導があったか教えてください」

 

患者「はい。。」

 

橘田「あー。これは逆効果ですね」

 

患者「いい姿勢がよいと言われたので、できるだけ普段から反る意識でいます。猫背みたいな悪い姿勢は腰に良くないってテレビや本で言っていましたし」

 

こんな場面ってよく遭遇しませんか?

良かれと思って指導したことが逆効果となっているケース。

指導内容が負のループに…

この患者さんは腰椎椎間関節由来の関連痛が原因で症状がでている方で、

長期間の間、痛みを患っていたので、周辺の関節軟骨や関節包等の軟部組織が

硬くなり、関節が狭小化していました。

自律神経からの血液供給も乏しく、相当短縮している状態。

 

そのような状態で、いい姿勢を意識しすぎて座るときも立っている時も反っていたら

どうでしょうか?椎間関節は常に圧迫状態にあり、症状が悪化しますね。

 

反る→圧迫→症状増加→軟部組織硬くなる→関節狭小→症状増加

 

みたいなループに入って、一向に治癒方向にいきませんよね。

 

このケースの場合は治る為の良い姿勢=反るではなかったということです。

 

僕は、患者さんの症状が治るために色々な指導します。

これはしないないほうが良い、これは絶対やってね。とか

知識のある先生であれば、食事指導まで。

患者さんは伝えた2割しか覚えていない

今の患者さんは生涯で初めてあなたの整骨院に来ました。という方が珍しいと思います。

だいたい他の整骨院に行っていたり、整形外科、整体院に通院したことがあるか

方だと思います。もちろんそこでも色々指導を受けていて、

テレビや本をネットを含めていろんな情報がすでに入っている情報があるので、

僕が同じように伝えたことなんて2割ぐらいしか覚えていないのです。

 

僕も経験ありますが、

歯がいたくて歯医者に行って指導してくれた歯磨き指導。

先生によってやり方が違うので、どれをやった方がいいかわからないし、

あんまり覚えていないのでやり方が間違っていることが多い。

 

そんなことが起きないように、患者さんに指導するときは、ちゃんと理解してもらうために言葉や部屋の雰囲気、目線、整理された話し方、デモンストレーションしたり相当工夫したりする必要があるんです。

 

どうでしょうか?

一回説明、指導したことをよくもう1回聞かれたり、してくれなかったり

間違ってやっていたり。そんな状況があるのであれば、

伝え方や環境作りの工夫をしてみませんか?

 

これだけで症状に変化おきる場合がありますよ。

 

P.S.

実際のこの患者さんは反る意識をなくして姿勢指導をしたら

その次の日から早速効果ありました。相当頑張って反っていたんですね(苦笑)

 

今日の格言

僕らが思っているよりも、患者さんは理解していない

 


この記事を書いた人

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橘田 幸博

柔道整復師。【JADMT公認】オランダ徒手療法士。JATAC アスレチックトレーナー。整骨院を経営しながら、オランダ徒手療法の代表 土屋の右腕として施術から協会のマネージメントを担う。また、タッチラクビー日本代表(2015,2019)に帯同。2019タッチラグビー世界選手権日本初の銅メダル獲得にも貢献、その他数多くのトッププロの施術を行う。一児の父。