間違えた!ぎっくりなのに慢性腰痛!? | 日本オランダ徒手療法協会

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間違えた!ぎっくりなのに慢性腰痛!?

2018.11.29

from 黒田雄太 自宅デスクより

 

最近サーキットトレーニングにハマっている黒田です(笑)

 

今回は日曜日に娘と2人で過ごした日のお話

 

最近はよくおしゃべりするようになってですねー!超絶可愛いんですね(笑)

ただ、少しずつ自我が出てるのでワガママな時もあるわけです(苦笑)

 

パパー、アンマンマン!、アンマンマン!(お察しのとおりアンパンマンです)

 

よく子供用のお絵かきおもちゃで磁気を使ったペンみたいのがあるじゃないですか?それにアンパンマンを書いてーという意味です。

 

僕がアンパンマンを書くと

娘が「バイバーイ」と言いながら消し去るという謎の遊び(苦笑)この無限ループ…

これが娘の鉄板です(笑)

 

その日もそれをやろうと思ったんですけど、肝心のペンがないんです⁉︎

娘が部屋にあるものを至る所に移動させるため家の中のどこに何があるのかがわからなくなるんですよね…

 

必死でペンを探しまわるパパ。パパについて周る娘。

探す事30分…

 

あったよーーー!

なぜかお箸と一緒にあるというミラクル(笑)!

 

娘は大喜び!!一件落着で鉄板の遊びをしようと思ったら…娘の興味はお歌の絵本へ…(涙)

 

俺の苦労は何だったんだーーー!なんて日だっ!(笑)

 

黒田家の日曜日はいつもこんな感じです(苦笑)

 

結局家の中がごちゃごちゃしてて、どこに何があるのかが分からないのが問題なんですよね。すぐに欲しいものが出てくるといいんですが…

そうなるように頑張ってるんですが、家ではなかなか難しい…

 

ただ、臨床ではこのことは僕が1番と言っていいほど意識していることです。

問診で情報収集した内容をきちんと整理すること

むしろ、情報収集の時点できちんと聞く内容をグループ分けしているといってもいいかもしれません。

 

腰痛治療では病態や原因が様々なので、情報がごちゃごちゃごちゃしがちです。

ただ、きちんと整理できる方法があるんですね!

ちょっと僕の過去の失敗も含めてその方法をシェアさせてください

 

ぎっくり腰で来た患者さん

僕がクリニックに勤めていた時、よくぎっくり腰の患者さんが来ていました。特に年末ぐらいにね(汗)

年の瀬は仕事や掃除で忙しいですよね。新患が3人続けてぎっくり腰みたいなこともありました(苦笑)しかも一日でね。

 

さて、ある女性の患者さん

40代でお姑さんの介護が忙しくなってきたところに1週間前から腰痛が出てきたとのこと。

 

腰痛の患者さんを診るときにはじめに必ずやらないといけないことがあります。ありましたよね?(笑)

僕のメルマガではよく登場する腰痛のトリアージです。

 

これは治療の前に腰痛を3つにグループ分けすることです。特に大事なのは「レッドフラッグ」と呼ばれる僕たちの治療専門外の疾患のこと。

骨折や馬尾症候群、解離性大動脈瘤など症状は腰痛も出るんだけどとても危険な疾患。

 

レッドフラッグが除外できれば、残りは治療しても良い腰痛なので一安心。

神経根症状か姿勢や動作に痛みが関係するメカニカルペインです。その鑑別法については今回は触れません。過去のメルマガから見つけてみてくださいね!

 

ちょっと、脱線しましたね(汗)

 

先ほどの患者さん腰痛のトリアージをしたところメカニカルペインでした。僕らが治療できる腰痛だったんです。

 

ここで豆知識です!

急性腰痛のエビデンス(科学的な根拠)があるんですが

 

・特別な治療をしなくても過度な安静を取らずに、可能な限り仕事や日常生活を継続すること

 

これが一番腰痛を軽減させる良い方法だと言われているんです!

 

なので、僕も急性腰痛の患者さんにはこのように伝えて特別な治療はせずに、また予約は1週間後…みたいにしていたんですね

かなりの確率で腰痛は軽減していたので、今回もそうしたんです。予約はまた1週間後にとりました。

 

これまでの経験上、痛みは軽くなっていると思ったのですが…

 

変わらなかった腰痛、問診をよくしてみると…

実は過去に腰痛の経験が2回あったんです。

腰痛患者を診る場合、先ほどの腰痛のトリアージはしなければなりません。これは腰痛の病態を見極めるのが目的です。

 

実はもうひとつ腰痛のトリアージの他にしないといけないことがあるんです。

 

それは…「経過からみた分類」

 

これはあなたのところに腰痛の患者さんがきたときに、腰痛を発症してどれくらいの期間が経過しているのかを確かめることが目的です。

 

・発症してまだ6週間未満だったら「1」

・6週間から12週間の間であれば「2」

・12週間以降であれば「3」

 

このように1~3でグループ分けします。

 

そして、この「経過からみた分類」では確認することがもうひとつあります。

 

それはその腰痛が治りやすいのか?治りにくいのか?

要するにカラダの治癒能力が備わっているかどうかを確認するのです。

 

カラダの治癒能力が備わっているのかを確かめるには「自律神経の機能」がきちんと保たれているのかを診ればいいのです。

 

例えば

・食欲はありますか?

・夜は眠れていますか?

・お通じは正常ですか?

・手足は冷えませんか?…

 

他にもまだいくつかありますが、このような感じ。

 

もし、自律神経の機能が低下していると先ほどの問診で複数の項目にチェックが入ります。

 

そして

・自律神経の機能が正常であれば「a」

・自律神経の機能が低下していれば「b」

 

のように2つのグループに分けます。

 

さぁ、だんだん頭がごちゃごちゃしてきましたね(苦笑)

 

では、先ほどのぎっくり腰の患者さんはどのグループになるでしょうか?

僕ははじめは「1a」だと思っていました(苦笑)

 

お伝えしていませんでしたがこの患者さん自律神経の問診は問題なかったんです。なので、「a」か「b」かだとしたら「a」グループになります。

 

思っていました…ということは実はこの腰痛「1a」ではなかったんです。本当は「3a」だったんです⁉

 

ここで一つ注意点があります。これに僕は引っかかってしまったんですねー(汗)

 

実は今回のように急性で1週間前から腰痛が出ている場合でも、過去に腰痛を経験している場合はその期間もカウントされるんです。

この患者さんは過去に2回ほど腰痛になっていて、3か月や半年以上の腰痛でした。なのでその期間も足さないといけないのです。

 

1週間 + 3か月(12週間) + 半年(24週間) = 37週間

 

ということで、「3」グループになります。

 

急性では安静をしない指導をすることで良くなる腰痛が多いですが、慢性だとこれまたエビデンスが変わるんです。

慢性腰痛だと様々なエビデンスが出ていますが、やはり運動療法が良いのです。

 

なので、有酸素運動や多裂筋のエクササイズなど段階的に体幹を強くするためのトレーニングを行っていくことでこの患者さんは改善していきました。

 

病態が違うことはもちろんですが、発症してからの期間(急性なのか?慢性なのか?)の違いによっても腰痛は治療法が全く変わってきますからね(苦笑)

 

僕の昔の失敗談です(涙)

今回皆さんとシェアしましたが、僕も改めて気をつけよっと(汗)

 

【グッバイ!腰痛!】

そんな日がいつか来ますように

 

P.S.

ペンがあったと思ったら、今度はお歌の絵本が行方不明に…また捜索活動が始まります。日曜日なのに…なんて日だっ!(笑)


この記事を書いた人

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黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。