運動療法の効果を上げる神経機能 | 日本オランダ徒手療法協会

blog

運動療法の効果を上げる神経機能

2020.01.21

from 黒田雄太  @自宅デスクより

 

僕は今年の秋以降、メルマガ以外でも少しオランダ徒手を伝える機会が増えてきたんですね。

 

「Zoom」と呼ばれる無料アプリでオンライン勉強会で講師をやったりしています。

 

最近は便利ですね〜(笑)

 

日本中どこにいても、勉強会に出られたりします。

 

Zoom勉強会以外ではオランダ徒手の「公式LINE」でも情報発信をしています。

 

メルマガよりは情報量は少なくなるんですが、コンパクトにして読みやすいように意識した記事を書いています。

 

この前投稿したLINEの記事で皆さんから意外な反応があり、ちょっと驚いたことがありました。

 

オランダ徒手の情報をみてる方って整骨院や整形クリニックなどの整形疾患の治療をしている方が多いのかなぁと思っていたんです。

 

もちろんそうだと思うのですが、先日とても反響があった記事は「パーキンソン病のすくみ足」についての記事でした。

 

整骨院や整形クリニックではほぼお目にかからないような疾患で、むしろリハ病院やデイケアなどでみることが多い疾患です。

 

痛みをとったり、可動域をあげたりというよりも運動療法とかリハビリに関係する情報だったんですけど、興味がある人が多いんだなぁと改めて認識しました。

 

ということで今日は整形疾患に限らずいろんな疾患の「運動療法」に役立つことを書いてみようと思います。

 

もう1度考えてみよう!筋収縮の仕組み

 

運動療法を行っていくにあたり、絶対に必要な知識です。

 

簡単におさらいしてみましょう。

 

筋収縮は筋繊維のアクチンとミオシンが…カルシウムによって…

 

っていうのは詳しすぎなので、今回は省略!!!(笑)

 

要は末端の筋肉とそれに繋がる運動神経の機能によって筋収縮が起こります。

 

ですが、実はもう1つ重要なものがあるんです。

 

それは感覚神経!

 

・どれくらいの筋力?

 

・どれくらいのスピード?

 

・どれくらいの時間?

 

などは関節の動き方や筋・腱の引っ張られ具合を感覚神経が察知して、それを脳に伝えます。

 

脳に伝わった情報の結果、それに応じた筋収縮の調整が行われるんです。

 

つまり、

 

感覚受容器 ー 感覚神経 ー 脳(中枢神経) ー 運動神経 ー 筋

 

というようなループが筋収縮に関係するシステムなんです。

 

これをよく回路と言ったりします。

 

運動療法とは、この回路の繋がりを強くしたり、パターンを多くしていく…

 

そう言い換えることもできます。

 

なので、運動療法を効率よく行うにはこの回路を構成するどこかの機能もしくは全ての機能を上げていけば良いのです。

 

では、今回はある一部分に着目しようと思うんですが、それはあなたが全く意識していない要素だと思います。

 

めっちゃ自分でハードル上げちゃいましたが…(汗)

 

末梢神経の癒着に着目せよ!

 

神経系に着目しようとしているのはタイトルでバレバレでしたよね?(笑)

 

運動神経や感覚神経が筋収縮の回路に関係しているので、脊柱の椎間関節から出ている神経根の部分はみなさん想像したかもしれません。

 

当然、そこの影響もあるので、運動療法を行う際には上肢であれば頚椎、下肢であれば腰椎の動きを出していると神経の機能も上がり、運動療法も効率的になります。

 

ですが、実際に脳への情報を伝える、もしくは脳からの情報を伝える神経は神経根の部分だけではありません。

 

神経根からもっと遠位の【末梢神経】もその大事な役割を担います。

 

でもほとんどの人がそれを忘れているんですね。

 

しびれがあれば末梢神経に対してアプローチしますが、運動療法では意識することはほぼないと思います。

 

ですが、運動療法を行う患者さんの末梢神経の長さをチェックしてみてください。

 

しびれが出るような腰部疾患だけでなく、片麻痺やパーキンソン病などの中枢疾患の方も末梢神経はとても硬くなっています。

 

末梢神経も血流が多い組織なので、圧迫されたり、逆に不動のような状態だと循環が悪くなり神経が硬くなったり、短くなったりします。

 

そのような状態は神経の機能が低下しており、うまく脳や筋肉に情報を伝えることができません。

 

このような状態の神経は「神経ストレッチ」や「神経スライド」と呼ばれるテクニックによって改善できます。

 

しびれがない方にでもとても有効なテクニックです。

 

運動療法を行う前に末梢神経へのアプローチを行うと、より効率よくリハビリが進んでいくと思いますよ!

 

実際に僕も運動療法を行う際に末梢神経へのアプローチを行っています。

 

末梢神経にアプローチをした人としていない人での比較はしていませんが、やっぱり効果は出ているのかなぁという印象です。

 

今度は実際のケースの結果もメルマガで報告しますね!

 

【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように

 

P.S

運動療法と脊柱の関係については「リハビリ効果を高めたければ、〇〇を治療して!」というメルマガで詳しく書いていますので、興味がある方はご覧ください!

今回は終始オランダ徒手一色でしたね(苦笑)


この記事を書いた人

アバター画像

黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。