blog
腰痛の原因は過去の肉離れだった
2019.04.01from 杉山貴規 広尾オフィス
「杉山先生、顔黒くないですか?」
このフレーズ、最近人に会うたびに言われるんです。
まー、鏡で自分の顔を見ても、実際真っ黒で、日サロで焼いたようになっている。
というのも、
先日、1週間サッカーの遠征に帯同して、朝から晩までグラウンドにいたんで、日焼けしたんです。
でも、気温は高くなく、寒い日が続いたのにも関わらずなんですけどね。
なんでこんな風になってしまうのか?
日焼けって、夏場になるものだと思ってたんですが、、、意外と春の紫外線の量は馬鹿にできないらしい。
ここで少し、自分が遠征時に何をしているのか簡単に説明。
遠征時のタイムスケジュールってこんな感じなんだけど
ほとんどがグラウンドにいて、緊急時のために帯同、けが人のリハビリ、復帰のためのアスリハをグランドレベルで行なっている。
宿舎に着くと、食事を取った後に選手の希望を聞いて、ケアや治療を行う。
自分が寝るのはほとんどが日をまたいだ後になる。
これが1週間続く
結構これがハードワークなんだよね。
緊張感を持っていないといけないし、時間が空けば選手の体調やけが人のリハビリを見ないといけないから、休む暇はないんだ。
それでも、選手のためにって考えると、やりがいがある仕事だし、選手の要望を聞きながらリハビリやケアをして、次の日の試合でその成果が出た時にはガッツポーズが出るくらいに嬉しい。
だから、この仕事は辞められないんだ(笑)
さて、今回はそのサッカーのケアで一番多く選手から要望があった、腰痛のケアについて話したいと思います。
これって、スポーツだけじゃなくて、治療院でも使える話なんで、参考にしてもらえればいいかなって思います。
腰痛っていうとうちの団体だと黒田先生の専売特許なんで、詳しいことは黒田先生の腰痛のブログを参考にしてください(笑)
オーバーワークによる腰痛??
腰痛には様々な原因がありますが、
今回の遠征多くの選手が訴えて来たのが、筋・筋膜性腰痛なんです。
でもあることで、ちょっとしたミスをしでかしたんです。
ある選手の問診
- 腰全体が痛く
- 腰を反っても曲げても痛い
- 座っていると楽
- この遠征の前は腰痛はなかった
- 炎症症状はない
- 横にしかねれない
- 走ると痛くなる
このような、状態だったんだ。
このように考えると、上記の腰痛だって断言できるんです。
それは炎症などがないということは明らかに組織損傷がなく、遠征から腰痛になったということで筋膜か筋肉に過負荷がかかって腰痛になったことが大きく起因すると考えたんです。
もし、遠征以前から腰痛を持っていたりすれば、オーバーワークではなく心理的な問題やメカニカルストレスが関連してくるので、違ったアプローチをしたほうがいいと思うんだけど、今回の場合は明らかなオーバーワーク。
だから、筋肉と筋膜にアプローチすることで腰痛改善ができると考えたんです。
背中と下肢の大きい筋肉の
- リリース
- ストレッチ
を実施したんです。
すると、背部の緊張と腰痛が取れたんです。
そこから、サッカー動作の確認をして、痛みのチェックを行ったんです。
キック動作、ジャンプ動作、スプリント動作、バックステップ、重りを持ってのダッシュ&ゴー動作…
など様々な動作のチェックをしたんです。
そこで選手に感想を聞いたら、
最初は良かったんだけど、だんだん重くなって来て少し鈍痛があるとの話だったんです。
なぜ???
簡単に終わると思ったのに…
もう一度、問診の内容とリサーチの内容を確かめるとあることが抜けていたんです。
それは…
腰痛の原因は肉離れだった
既往歴だったんです。
その選手の既往歴に関して確認したら、
2年前に両ハムストリングスの肉離れをしていたんです。
その瞬間、あ〜これが原因だと思って、治療にマニュピレーションを加えたんです。
ハムストリングスの末梢神経支配をデルマトームから見るとL5、S1・2なんですよね。
そこでハムストリングスの緊張を見ると、他の下肢の筋肉と比べてかなり緊張が高くなっていて、圧痛もみられたんです。
あ〜、これが原因だって思ったんです。
つまりこういう仮説。
オーバーワークによる腰痛これは正解なんだけど、
昔、肉離れをハムストリングスにしていたせいで、末梢神経L5〜S2の循環が悪くなった。
肉離れは治って、普通に競技にはやっていた。しかし、肉な慣れが原因で他の末梢神経に比べて循環が悪くなっていた。その影響で腰痛となって現れた。
こう考えたんだ。
<治療の方針>
末梢神経の循環を整えて、腰とハムストリングスの緊張を取る
- リリース(ハムスト、脊柱起立筋、L5〜S2領域の筋肉)
- ストレッチ(腰部、ハムスト)
- マニュピレーション(L5〜S1)
上記の治療を行なった後に、先にやったサッカーに必要な動作を入れると、鈍痛や体が重くなるといった症状はなくなり、
痛みの消失はもとより、動いても体が軽く動くようになったんだよね。
選手には、L5〜S2周囲のマッサージとストレッチを指導したんだよね。
次の日の試合では、軽快な動きに戻っていて、終了後の痛みの訴えは無くなっていたんだ。
その選手のケアは1週間のうちこの1回のみ、あとは全てセルフケアで全日程をクリアしたんだ。
ここでの問題は問診でこの選手の情報をもれなく聞き出すことなんだよね。
ただ単に、腰が痛いっていうことで腰にいきなりアプローチしたりすると、結局何が問題なのか分からなくなる。
問診は重要だし、オーバーワークになると局所の循環がかなり悪くなるから、神経生理学の考え方を持っていれば、うまくいかなった時に方向修正ができるようになるんだよね。
ぜひ、この考え使って欲しいです。
PS
夏じゃないから、全身ウェアーを着ているから結局顔だけが黒い。
だから、お風呂に入る時かなりおかしなことになるんだ(笑)
焼くなら、夏場に焼きたいものです。