真面目すぎる性格は腰痛を悪化させる⁉︎ | 日本オランダ徒手療法協会

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真面目すぎる性格は腰痛を悪化させる⁉︎

2018.12.04

from 黒田雄太 職場デスクより

 

どんな場所でもメルマガが書けるようになってきた黒田です(笑)

 

最近のマイブームは朝からコーヒーを飲むこと。

いまさら⁉︎って突っ込まれそうだけど、これがちょっとした朝の楽しみ。

 

といってもこだわりがあるわけじゃないから、スーパーで売ってるインスタントコーヒーを飲む。

 

前もたまーにコーヒーは飲んでたんだけど、ミルクと砂糖をガンガン入れて飲んでたんだ。でも、カラダを気遣わないといけない年になってきたから、今は砂糖は入れず、どうしても甘みが欲しいときは豆乳をちょっとだけ入れて飲んでる。

 

ご存知の通り、コーヒーにはカフェインが入ってるよね。カフェインは覚醒作用があるから、朝飲むと眠気がスッと抜けていって仕事も良い状態で出来る。

 

ただ、習慣的に摂取してると効果が薄れていくそうだ。飲んでも1日に3〜4杯ぐらいがいいみたい。それに、覚醒作用があるということは逆に眠りの妨げにもなるから出来れば午後2時以降は飲まない方がいいみたいだ。

 

やっぱり、ヒトのカラダって面白いなぁ!同じものをずっと摂取しているとカラダは慣れてくる。言い換えると順応するっていう事かな。

 

これはリハビリの場面でも同じで運動したりするとカラダには負荷が加わるよね。しっかりと負荷をかけられればカラダもちゃんと強くなっていく。

 

だけど負荷の量を間違ってしまうと実は運動してても腰痛にとってはこんな良くないことが起こるんだ。筋トレ好きの人注意してくださーい(苦笑)

 

 

頑張り過ぎが仇となって…

以前こんな腰痛患者さんの担当をしてたんだ。

 

20代の女性で骨盤あたりに痛みを抱えている人。帝王切開による出産後に腰痛が出てきていた。僕がはじめにみたときには腰痛のため家事や育児はほとんど自分でしておらず、実のお母さんに幼い子供をみてもらっていたんだよね。

 

家事や育児をしていないという事はカラダに対しての負担はあまりなさそう…というより逆に少な過ぎるぐらいの状態。ただ、カラダを動かすことに対しての強い不安感を持ってるようだった。

 

あと、睡眠や食欲などの自律神経の機能をチェックする問診もしたんだ。子供は実のお母さんにみてもらっているとは言うものの、四六時中ずっとお母さんというわけにはいかないから、多少なりは育児もしてた。初めての育児でちょっと自律神経も乱れている感じ。

 

この患者さんに対して僕は次のような治療方針を考えたんだ。

 

①自律神経の乱れに対して深呼吸を行い、副交感神経を働かせる

②腰痛は痛みが強くならない範囲であれば、カラダを動かした方が治りが早いということを伝える患者教育

③ただ、こちらから活動量を指示するのではなく、本人が出来る範囲で動き、動くことに対する不安感を減らす

④腰痛や出産によって低下した体幹機能を回復させる

 

これらを行なうことにした。

すると少しずつだけど、痛みも軽くなってきて育児や家事も出来るようになってきたんだ。特に①〜③の介入によって効果が現れてきたんだよね!

 

随分と調子が良くなってきたので、患者さん自身も積極的に治療に参加してくれて、もともとスゴく真面目な性格だったということもあり言われたことはキッチリやる!

 

カラダを動かすことに対しての不安感が薄れてきたから、そろそろ④の体幹に対してのトレーニングを開始しようと思って僕は2つの運動を指導したんだよね。

 

1つは「ドローイン」。これは呼吸と一緒にお腹を凹ませる運動。主に腹横筋が働くんだけど、腹横筋と筋膜のつながりのある多裂筋も同時に働くから体幹機能を回復させるための初級編のような運動。

 

2つめは「ペルビッククロック」。これはピラティスでも使うんだけど仰向けで骨盤を前傾させたり、後傾させたりする運動。産後腰痛にもよく使ってるエクササイズだったから取り入れてみたんだ!

 

まずこの2つの運動を自宅で取り組んでもらうように指導した。

性格的にしっかりと運動に取り組んでもらえる人だから、これでもっと回復が加速するだろう!と僕もとても期待してたんだよね!!

 

ところが…次来た時に痛みが強くなってしまってたんだ。なぜだ?なぜだ?なぜだ?(汗)

 

色々問診してみたんだけど、問診では引っかからない。無理して家事や育児をしたわけでもないし、急にストレスがかかったわけでもない。家での生活は変化はなさそうだったからもう一度自宅での運動をみせてもらったんだよね。すると…

 

あー、やっちゃった…(涙)

 

痛みの再発の原因は「運動のやり方」だったんだ。

 

その患者さん性格も真面目で痛みも軽くなってきてたから、積極的に運動をやったんだ…というかやり過ぎてた(汗)

 

やりすぎと言っても回数をたくさんじゃなくて運動自体を一生懸命、力を込めてやってたんだよね。

 

ドローインやペルビッククロックは本来腹横筋や多裂筋などのインナーマッスルに刺激を与える運動。逆に腹直筋や脊柱起立筋などのアウターマッスルは極力はたらかせたくないんだよね。

 

でも、この患者さんは真面目な性格や早く治りたい気持ちが強いことでアウターマッスルをバリバリに使った運動のやり方をしちゃったんだ。頑張ったら早く治ると思ってたんだよね。そりゃあ、当然だけどね(苦笑)

 

ドローインでは腹直筋が浮き出るぐらい力を込めてお腹をへこましたり、ペルビッククロックもアウターマッスルをたくさん使うほど大きな動きをしてたんだ。

 

これは僕の完全な指導力不足…(涙)

 

はじめは軽過ぎるぐらいがちょうどいい

こんな時カラダではある事が起こってたんだ。それは「サイズの原理の破綻」。

 

サイズの原理とは

・大きな筋肉には太い神経が支配し、小さな筋肉には細い神経が支配するという事。

 

例えば大きなバーベルを持ち上げる時に使うような力で箸で豆を摘むようなことはしないよね(苦笑)

 

無意識に僕たちのカラダはある事をするのに必要な力を調節しているんだね。やっぱり、すごいなぁヒトのカラダって!(感心!)

 

だけど、腰痛みたいに一度強い痛みを感じた後やウエイトトレーニングのような常に大きな負荷が加わるような事を繰り返していると、多裂筋みたいな繊細に力を発揮しないといけないインナーマッスルが働かなくなるんだよね。

 

この女性の場合も同じで腰痛を持ってることやバリバリにアウターマッスルを働かせるような運動をしていたことで多裂筋や腹横筋が働かなくなった。インナーが働かないと仙腸関節や下位腰椎も不安定になるから、いろんな組織に伸張や圧迫の不必要な負担がかかるよね。だから痛みが出てしまった…僕はそう考えたんだ。

 

だから、2回目以降はアウターマッスルを極力働かせないように指導したんだよね。

 

患者さんからは「先生、これで効果あるんですか???」と半信半疑のようだったけど、このやり方でやってみて!って念押ししてこの日のリハビリは終了(苦笑)

 

初回でここまでちゃんと指導したらよかったんだけどね、今思うと反省だね(汗)

 

ちなみにその後この女性はちゃんと僕の教えを守ってくれて、腰痛は順調に軽くなっていったよ。

 

治療やトレーニングのやり方だけじゃなくて、その人の性格まで含めた関わりが大事なんだと改めて感じたいい失敗だったね(苦笑)

 

【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように

 

P.S.

ただ今朝の8時30分、やっぱり朝が1番頭が働くな〜!、これもコーヒー効果かな(笑)


この記事を書いた人

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黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。