歩行のフラつきは意外なことが原因 | 日本オランダ徒手療法協会

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歩行のフラつきは意外なことが原因

2019.07.18

from 黒田雄太  自宅デスクより

 

一年の中で一番梅雨時期が嫌いな黒田です(苦笑)

 

<約1ヶ月前のある日のこと>

 

僕はいつもメルマガを朝から書くのが習慣なんですけど、朝早く起きるためには当然早く寝ないといけないですよね?

 

ただ、今回は明日の早起きを迷っているんです。

 

今日は福岡でスクールの準徒手コースが開催されたんですね。僕も今期からアシスタントとして参加しています。

 

日曜日は研修が17時に終わって、そこからスタッフ反省会。

博多から長崎行きのJRに乗るのが20時ぐらい。

 

博多ー長崎は約2時間かかるので、長崎に着くのが22時。

そこからタクシーで家までで帰宅はだいたい22時半。

さらにそこから翌日の準備やお風呂に入ったりします…就寝は23時半ぐらいです。

 

まぁ、あなたにとっては23時半ぐらい普通だよ!って思っているかもしれないんですけどね、僕にとってはそれはめっちゃ遅くて(汗)

 

僕はいつも22時から22時半の間には寝るんですね!で、6時間睡眠。なので起床は4時半か5時くらいとなります。

 

、、、

 

結論…明日は早起きしてメルマガは書かない!!そう決定しました!

 

たぶん、早く起きようと思えば起きれるんです。

 

ただ、早寝していない時に早起きしても頭が全然冴えていないんですね。そんな状態ではあなたのためになるメルマガは書けない!そう判断したんです。

 

閲覧者ファーストですから!(笑)

 

という事で、今回は十分に睡眠をとって頭がしっかり働く時に書くことにしました!たぶんそうした方が作業効率も良いですしね。

 

こんな感じで中途半端に色々やろうすると意外と後々作業効率が悪かったりしますよね。

 

こんな事って臨床でも同じだなって僕は思うんです。

 

あれもこれもの治療の付け加えは意外と何が良くて何が悪いのかもわかりにくくしてしまうし、結果が出にくいんですよね。

 

今回はそのように思うきっかけとなった患者さんのことを紹介しようと思います。

 

歩けるようになりたい!そう言っていたのに…

 

「先生、リハビリ辞めたいです…」

 

突然の告白に驚きました。直接言われたわけではないのですが、間接的に別のスタッフから。

 

そんな事を言われた数日前…

 

いつものようにその方のリハビリをしていました。

 

80代なんですけど、「歩けるようになりたい!」と強い目標を持っている女性。

 

歩けるようになるためのリハビリを初めて約半年。

 

初めは手すりで5メートル歩くのもやっとだったのが、今では歩行器で30メートルを往復出来るまでになっていました。

 

ただ、その日はいつもとなんか違う…。

 

いつもと同じ距離なのに、動作が乱れていたんです。膝に力が入っておらずに足も少し引きずるように歩いていました。

 

患者さん自身も「今日はちょっとキツイね」と。

 

動きがあまりにも変わってしまったのでプログラムをちょっと考え直そうかなぁと思っていたんです。

 

僕「次のリハビリの時に少しメニューを変えてみましょうか?」

 

患者さん「そうですね…」

 

という感じでその日のリハビリは終了。

 

その2日後にリハビリを辞めたいという事を聞いたんですね。

 

次回のリハビリ日ではなかったんですけど、すぐにその患者さんの元に飛んでいきました。

 

あんなに強く「歩きたい!」と言っていたのにどうして?僕の頭の中はちょっとしたパニック状態。

 

ただですね。よくよく考えると、実は患者さんから何となくそんなサインが出ていたんです。

 

リハビリを辞めたいと思っているとまでは考えていなかったですが、ちょっと最近いつもと違うなぁという違和感が。

 

何となく気づいていたにも関わらず、それを僕は見て見ぬ振りをしていたんです。

 

そのいつもと違うちょっとした違和感が、急に歩行を乱してしまった原因だったんです。

 

実はこんな事が原因だったんです。

 

ココロとカラダは繋がっている

 

心理が動きに影響していたんです。

 

ココロとカラダは特に自律神経を介して繋がっています。

 

いわばストレスのような状態が続くと交感神経系が優位に働き、血液循環は悪くなります。

 

血液循環が悪くなると組織への酸素や栄養が不足してしまいます。歩行に関係する筋肉も循環が悪くなり柔軟性が低下します。

 

そんな状態では歩行中の地面からの衝撃を受け止めることは難しくなりますよね?

 

つまり、いつもより歩行にフラつきが出た。そう考えたんです。

 

振り返ると、ここ数週間の患者さんの様子は、

ちょっと浮かない表情で、いつも社交的なのに周りの患者さんとの会話も少なくなっていました。

 

僕も別のスタッフからそのような情報は聞いていましたし、すれ違う時に何となく元気ないなぁと感じていました。

 

ただ、リハビリの時にはそんな感じではなかったので気に留めずにいたんですね。

 

ただ心理的に良くない状態だったので、僕がまず初めにしたのがその患者さんとしっかりと話をする事。

 

・歩くという目標はどうするのか?

 

・別の目標にしてリハビリを継続するのか?

 

・本当にリハビリを辞めるのか?

 

その日はリハビリは全くせずに40分ぐらいしっかりと話し合いました。

 

すると、会話をしているうちにこんなことがわかったんです。

 

・歩く練習はしたい!

 

・でもリハビリのある運動がキツくてそれがしたくない

 

この患者さんは歩くという目標はしっかりと掲げているんですけど、ある一部のメニューがキツくてそれが嫌になっていたようなんです。ただ、一生懸命僕がリハビリをしてくれるから、何だか注文を付けるのが気の毒で言い出せずにいたんです。

 

それが積み重なって、「リハビリを辞めたい」という極端な結論に至ってしまったようなんです。

 

話し合いの末、最終的には「もっと歩けるようになる!」という目標を掲げ、かつ嫌になっていたメニューは量を少なくするか別のメニューに変えるという事でお互いに合意しました。

 

、、、

 

もし、この患者さんが「リハビリを辞めたい!」と言われた時にしっかりと話し合いをせずに「とりあえずリハビリだけでもしときましょうか!」みたいな事をやっていたら…

 

おそらくこの患者さん本当にリハビリ辞めてますよね?

 

病院にはプロトコールがありリハビリのメニューが大体決まっています。

 

ただ、それをこなそうとするばかりに患者さんが抱えている問題を解決しないまま進めてしまうことはありませんか?

 

そうするとリハビリが上手くいかないばかりか、患者さんが納得しないままリハビリを進めていき、もしかしたら辞めたいと言う患者さんもいるかもしれませんよね。

 

セラピストとしてやりたい事、やらないといけない事はリハビリ上数多くあると思いますが、患者さんが今抱えている大きな問題をしっかりと解決してあげる方が実は「治療の近道」となると思いますよ!

 

一つの問題だけにアプローチするのは不安に思うかもしれませんが、一度試してみて下さい!そのほうが確実に早く結果が出ると思います!

 

【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように

 

P.S

最後に書いた「治療の近道」という言葉。これ実はオランダ徒手協会から配信されているポッドキャスト「土屋潤二の治療のヒントプラス」でナビゲーターの梅島さんが言った一言。早速使わせて頂きました(笑)。興味がある方はポッドキャストも是非!非常にためになります!

 

P.P.S

睡眠大事ですよね!22時台に寝るのがやっぱり良い体調で仕事をする秘訣です!


この記事を書いた人

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黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。