指導法でコアトレ効果は180°変わる⁉︎ | 日本オランダ徒手療法協会

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指導法でコアトレ効果は180°変わる⁉︎

2019.04.02

from 黒田雄太  自宅デスクより

 

最近、ちょっと涙腺が緩くなってきた黒田です(苦笑)

 

つい先日半年に渡るDMTスクール福岡基礎コースが修了したんです!僕もアシスタントとして半年スクール生の成長のお手伝いをさせて頂きました!

 

伝える理論やテクニックの原理原則は一緒でも、常に改善を目指しているので、毎期ごとちょっとずつ伝え方や授業の仕方は変わるんですよね。

 

今回は全ての授業が終わった後にスクール初日に立てたそれぞれの目標を見直してもらいました。

 

すると、スクール生からは「自分の目標ちっちゃいですね(笑)」

 

との声がちらほら。

 

そう半年で言えるなんてちょっと凄い成長度合いですよね!

 

そして、改めて次へステップのための目標を考えてもらいました!

 

最後にはゆずの「栄光の架け橋」を流しながらそれをみんなの前で宣言!

 

聞いているとちょっと目がウルウル…(花粉症ではないですよ!!笑)

 

音楽の力ってスゲー!!って思いましたね!一気に雰囲気が変わるんです。もちろん、スクール生の目標も最高でした!

 

今までにない感動的なスクール最終日でした。

 

修了試験の結果はいうまでもなく「全員合格」なのですが、なぜそれができたのか?

 

それは勉強や実技練習をやったか?やってないのか?

 

それに尽きます。

 

やったから「合格した」それだけです。

 

つまり、やった人は成長するし、やらない人はいつまでも成長しない…。

 

それは治療やトレーニングも同じです。どれだけ私たち治療家が対症療法をしても患者さん自身がセルフエクササイズをやらなければ、治ることはありません。

 

以前私が担当した同じような症状をもつ2人の患者さんがいました。一方は治り、一方は治りが悪かったんです。

 

やったら、やった分だけ基本的には良くなるのですが、ただやるだけでは痛み解消に繋がらないこともあるんです。今回はそのちょっとしたコツをお伝えしようと思います。

 

2人の腰痛患者さん

病院やクリニックに勤めていると、何故か同じ時期に同じような症状を持つ人が立て続けに来ることがあります。病院あるあるです(笑)

 

しかも、肩の勉強をしていたら肩痛の患者さん、腰の勉強をしていたら腰痛の患者さん。

 

引き寄せの法則でもはたらいているんでしょうかね??前置きはこれぐらいにして(苦笑)

 

2人の腰痛の患者さんがいました。どちらの方も50代ぐらいで、過去にギックリ腰になったことが数回あります。

 

症状としては

・腰全体が重たくなるような痛み

・しびれや筋力低下などの神経症状はない

・下肢の痛みもない

・長時間の同じ姿勢を続けていると痛みがジワっーと痛くなる

・朝起きた後すぐが痛い、でも動いていると楽になる

 

こんな感じです。このような症状の場合、腰に「不安定性」があることが多いんです。

特に過去にギックリ腰などの既往があると、その部位の多裂筋の働きが悪くなり腰椎が不安定になりやすいんですね。

 

ということなので、基本的には徒手療法でモビライゼーションをしたり、リリースをしたり…というよりもエクササイズやトレーニングが主体となります。

 

つまり、患者さんに自ら動いていただく。「不安定性」がある場合は、コアと呼ばれる多裂筋や腹横筋の働きが悪い一方で、脊柱起立筋などのアウターの大きな筋肉は過剰に緊張しています。

 

なので、エクササイズには呼吸と共にお腹を凹ませる「ドローイン」を指導しました。コアトレの初期の初期の運動ですね!

 

ここまでは2人の患者さんどちらにも共通するものなのですが、ここからがちょっと違いました。

 

一方の人は、①20回×3セット

 

もう一方の人は②10回×1セット

 

をそれぞれ指導しました。ちなみに、2人とも元々は運動習慣がありません。

 

さて、ここで皆さんに問題です。治りが早かったのは①の方でしょうか?②の方でしょうか?

 

一見①のような気がしますよね。ですが、実は②の人なんです!!

 

ただ皆さんにもこのような経験ってありますよね?

①のように効果があるエクササイズを設定したのに効果が出ない。

 

なぜ効果が出ないのか?

 

それは患者さんがやっていないからです。

 

ではなぜやらないのでしょうか?逆になぜ②の人はしっかりと取り組んで効果が出たのでしょうか?

 

そこにはこんな秘密があったんです。

 

エクササイズの回数・タイミングを自分で宣言!

2人の患者さんにエクササイズを指導するときに、実はこんな違いがあったんです。

 

①の方には、

こちらから一方的に、効果が出る設定として20回×3セット行うように指導しました。さらに行うタイミングもこちらが設定したのです。

 

一方で②の方には、

何回ぐらいでどのタイミングなら取り組めるのかをこちらから質問して、出来る回数やタイミングを患者さん自身に設定してもらったんです。

 

その結果、10回×1セットでしかも寝る前のタイミングに行うということになったのです。

 

一方的に今までやったことがない回数やセット数のエクササイズを押し付けられた①の方、自分で出来る範囲を考え自分で行うと決めた②の方。当然②の方が続きますよね!

 

これまで朝の7時に起床していた人が、朝活が流行っているからといって朝の4時に起きようとしても、起きれても1~2回。そしてまた元どおりの時間に起きる…それと同じです(苦笑)

 

ただ、ここで注意ですが②の方もずーっと10回×1セットを続けるわけではありません。これでは効果は上がりませんから。

 

なので、運動することに慣れてきたら少しずつ回数やセット数を上げていきます。そして、効果が出る設定に近づけていくのです。

 

ちなみにですが、人間が何か新しいものを習慣にするには「21日〜60日」ぐらいの期間がかかるそうです。

 

その期間まで根気強く運動を続けてもらうことが出来ればあとは患者さんが自主的にエクササイズに取り組んでもらえる可能性が高くなると思います。

 

今回2人の腰痛患者さんに対するエクササイズの習慣化についてご紹介しました。理論的に効果が出る設定でも初めのうちは患者さんにとってはハードルが高いかもしれませんね。

 

よっぽど強い意志がなければおそらく、数日でやらなくなってしまうと思います。しっかりと効果を出すためにはこのようなスキルも必要になるので、是非意識しながらエクササイズの指導を行ってみてくださいね!

 

【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように

 

P.S

ちなみに僕も今早起きをやっているんですが、今は4時30分ぐらいに起きています。ですがいきなり4時30分に起きたわけではなく、普段の起床時間から5分ずつ起床時間を早めていきました。だいたい2ヶ月ぐらいそれを続けましたね。トータルで起床時間は30~40分早くなりました!

 

P.P.S

このメルマガを作っている最中にも、スクールのことを思い出し目がウルウルと(涙)。まだ朝5時30分なのに…(笑)


この記事を書いた人

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黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。