打撲が長期に治らないワケ | 日本オランダ徒手療法協会

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打撲が長期に治らないワケ

2018.10.18

from 杉山貴規 広尾オフィス

 

ジビエって知ってます?

 

最近このワードよく聞くんですけど、意味を知るまで自分も知らなかったんだけど、これって日本語かと思いきやフランス語なんですよ。

 

知らなかーっていうのが印象

 

ジビエ:狩猟で得た天然の野生鳥獣の食肉を意味する言葉

 

昔は動物の名前で言っていたような気がするよね。

イノシシ肉、熊肉。。。

 

自分も食べたことはないけど、おそらく好きだと思う。

なぜなら、自分はマトンが好きなんだ

 

マトンって羊ね

 

これも独特の香りがする。

 

でも、牧草の香りとこの旨味は本当に病みつきになる。身近なところだとインド料理のカレーの具に入っている。最近では串屋さんでマトンを出してくれることがある。だから、見つけるとすぐに頼んでしまう。

 

それだけ、その香りと旨味にぞっこんなんだ。

 

。。。

 

その美味しいはずのものが自分の中で覆す事件があったんだ。

 

それは、

 

先日、タンスの整理をしていたんだよね。

するとどこからともなく、嗅いだことのある臭いがしたんだよね。

 

これなんだっけーって

 

???をいっぱいになりながらもタンスの整理をしたんだよ。

 

整理をすればするほどその臭いが濃くなっていくんだ。

 

なんだ??

あーマトンの香りだ!!

 

えっ!でもなんでタンスにマトンの香り

 

その原因になったのがあったんだそれは真っ白い厚手のセーター

 

まさかって思ったよね。

 

それで、そのセーターに顔をつけて思い切り息を吸い込んだんだ。

 

咳き込んで、臭くてそのセーター投げ捨てた。

 

なんだこれ??

 

こんな感じで???がたくさん

 

ここから治療の話をするんですけど(かなり強引かな)

 

治療でも、なんでっ??なることありますよね。

 

原因が見当たらない、どう考えてもわからないなんてことありませんか?

 

先日、本当にフリーズ状態、『?』いっぱいになった症例があったんです。

なぜ?痛みが引かない怪我

選手「スギさん、みてもらっていいですか?」

 

杉さん「どうした?」

 

選手「さっきの試合で相手に踏まれて足が痛いんです。」

 

診ると足全体に炎症反応がでいた。

 

どこの部分かというと、足の親指と人差し指全体

曲げても伸ばしても痛い、歩いても痛い、触っても痛い

 

とにかく痛みがある。

 

とりあえず、状態をみる。打診痛はない、関節や骨の変形はない。

 

でも、骨挫傷や軽微なヒビの可能性もあるところから、受診を勧めたんだよね。

 

翌日、病院に受診しレントゲンより骨折はなし。打撲との診断だったんだ。

 

それからさらに3日後、選手を見ると松葉杖をしてるじゃないですか?

 

へっ????

 

聞くと、痛みが強くて整骨院で松葉杖を処方されたそうなんだ。

 

まー、痛みが強いならしょうがないって思うんだけど、若干いらないのではと思ったよね。

 

折り合えず、足の状態を確認した。

 

すると腫れもなく、発赤もない。

 

いい感じじゃない?練習できるんじゃない?って思ったなんだけど。

 

問題があったんだよね。それは痛み。

 

しかもその痛み、足先だけだったのが全体に広がって受傷した時よりも痛くなっていたんだよね。

 

なんで???

 

触っても痛い、動かしても痛い、足をついても痛い。

 

ただ動かさなければ痛くない。

 

チンプンカンプン

骨折や挫傷の場合ある程度発赤が残って、腫れ上がって、鋭い痛みがあるはずなんだけど、それもない。

 

うーん

 

一番気になったのが、経過だよね。

本人はじっとしていて、松葉杖もついて、足に負担をかけないようにしていたんだよね。

それなのにもかかわらず、痛みが減るどころか増えていった。

 

ここが気になったんだ。

 

普通なら炎症期は3日間、これを過ぎれば痛みは減っていくはずなんだ。

 

しかし減らない。

 

で本人に、どのようにこの数日を過ごしたか聞いたらこんな答えが返ってきた

 

それは、

  • 足指・足首を使わないように安静にしていた
  • 体重をかけないようにしていた
  • 湿布や氷で冷やしていた
  • 足を温めないようにシャワー浴をしていた
  • 包帯で圧迫していた

 

要するに固定して、冷やしていたんだよね。

 

その時に、原因はこれかって思ったよね。

不動と悪い循環が痛みの原因

自分が作った仮説はこれ!

 

骨折、打撲、靭帯損傷など全て炎症期は3日間それを過ぎれば、ある程度痛みは軽減していく。しかしそれがない。その間、冷やして動かさないようにして、足部全体の循環が悪化。その影響で痛みの物質(ブラジキニンっていうやつ)が患部に滞り、いつまでたっても痛みが続いてしまった。

 

だから、動かそうって考えたんだ。

 

でも、患部は触っても痛い。だから、足部の末梢神経のS1、2番を刺激して循環を促すようにしてみたんだよね。すると、患部の同じ側のS1,2にかなりの痛みと緊張があった。

 

そこをマニュピレーションして、足部に循環がいくような道筋を作ってあげたんだ。

すると、触っても痛くなくなったんだよね。

 

でも、動かして痛みがあるから、皮膚のリリースを行なって、足首→指先と動かしたんだよね。

 

するとどうだろう。痛みがどんどん軽減してきたんだ。

 

循環が良好になって痛みが減ったところで両松葉杖で徐々に患部側に荷重をかけるようにして歩かせたんだ。

  • 直線
  • S字カーブ
  • クランク
  • 早歩き

 

そうやって、たくさんのバリエーションの歩行を行ったんだよね。

 

すると最終的には片松葉杖で痛みなく歩けるまでになったんだよね。

 

本人も驚いた様子でいたよね。

 

やっぱり、不動や冷却による循環不良はあまり良くないことが今回の経験で再確認できたよね。

 

だって、この介入ってたった20分足らずですよ。

 

それでさっきまで、地に足をつけないでいた選手が体重かけて歩けるようになったんだから。

 

まーそれでも、本人の痛みに対する恐怖心はかなりのものだから、徐々に対応しながら松葉杖を取っていこうかなって思う。

 

この理論を知っているからこそ、積極的な介入ができるんだ。知らなければ、おそらく痛みが引くまで歩かせていないだろうね。

 

PS

それからかなー

「マトンの香りと旨味が最高なんだよねー」と周りに言っていた自分がセーター事件から、「マトンの旨味とこのなんとも言えない臭さがたまらないんだよねー」と言い換えるようになったんだ。

 

PSS

セーターから獣臭これ、ウール100%で某有名なアパレルメーカーで8割引で売っていたから買ったんだ。

この臭さだったら、これだけ引かれちゃうのも頷けるよね。

でも、その安さに負けて、買った自分もどうかしてるけど(笑)