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成果を出すための条件をどう設計するか? | 日本オランダ徒手療法協会

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成果を出すための条件をどう設計するか?

2018.06.04

from 土屋潤二 広尾オフィス

オフィスに「室温湿度計」が設置された。

東京はまだ梅雨入り前なんだが、

梅雨を前にして、あるいは、夏を前にしてクーラーの温度設定を巡る戦いに一定の説得力のある数字を持ってこようという会社側の提案である。

主観的な「寒い」「暑い」論争に一定の基準を設けようと日中の室温や湿度がどうなっているのかを計ろうという意図での設置。

たしかに「寒い」「暑い」という体感は

  • 「温度」
  • 「湿度」
  • 「風」

3要素が絡み合うので、

クーラーの設定温度だけでの話し合いは無理がある。

暑がりや寒がりの論争に妥協点を見つけようとする努力ではある。

こういった主観的で個人差の大きいものについて話しをするときには、なかなか満足いくゴールを設定するのが難しい。

医療現場やスポーツ現場でのゴール設定もかなり怪しいと感じている。

痛みを取ればOK

ベンチプレス「100kg」を上げられればOK

ラダーのステップを上手く早くできたらOK

浅はかなゴール設定があまりにも多い!!!!!

結果をだすこと ~「成果」と「結果」との違い~

治療やトレーニングはだれでも「結果」をだすために努力をしているだろう。

だが、最初の設定の段階で「期待する“結果”の設定」がそもそも間違っていたら、もし計画的に「結果」を達成できたとしても、トンチンカンな「結果」であると選手や患者さんが求める「結果」でないのでおかしなことになる。

「結果/ゴール」の設定という、いわゆる期待する未来の状態が挑戦してみて期待する状態になったとしても、期待する状態=成果という予想が外れた、そうならなかったときには、その出来映えは選手や患者さんにとって低い評価となってしまいます。

リクエスト=ゴールでない理由

患者さんや選手が満足するゴールは時に本人も意識していないこともあります。

今の苦しみから逃れたいために「痛み」を解消してくれることを願う人は大勢います。

一方で、アスリートなどは多少の痛みがあっても「プレーし続けること」を「痛みからの解放」よりも優先するでしょう。

われわれの思い込みで、あるいは、患者さんや選手の思い込みでリクエストしている裏にその深層心理や意識下の潜在的な欲求はなんでしょうか?

疼痛を繰り返さないこと、プレーできること、介助なしで日常生活を送ることなど様々であろう。

「成果」を達成するための条件(結果)をどう設計するか?

勝負事のスポーツでは、記録を出すために、相手に打ち勝つためにまんべんなくトレーニングで鍛えても成果は得られないことが多い。

勝つための「Key(カギ)」があり、われわれは勝負を決める「パフォーマンスアップのKey」と呼んでいる。

治療でも様々なテクニックや理論の引き出しから、アプローチ方法をどう工夫するかはこれに似ている。

1.ウィーク(弱点)ポイントからアプローチする方法

一般に、普通よりできないことやトップレベルの人と比べてできないことは目立って発見をしやすい。

もし「ウィークポイント」を見つけたら、ちょっと待って欲しい!

その解消=ゴールではないからである。

もし図のように様々な体力要素のうち、国内では勝てるけれど、海外で勝てないこんな場合に、

その足りない体力要素を最低限、他の体力要素を邪魔しない程度に世界レベルの最低基準まで鍛える方法。

対処療法ではなく、しっかりとリサーチをしている人のなかで、このやり方に偏っている人は多いであろう。

2.ストロング(強み)ポイントからアプローチする方法

満遍なく体力要素がバランスよく最低基準をクリアしているのであれば、むしろ鍛えるべきポイントは自分の武器である「ストロングポイント」を伸ばしていくトレーニング戦略/アプローチ方法を選んだ方が良いであろう。

「成果」の達成を目的とした結果の設定で決まる!

いずれにしても、戦略的に「成果」を手に入れるために全体を設計する発想が必要です。

理論やテクニックからの視点では限界があります。

たとえば幾ら可動域が増えたからと言って、それは直ぐに成果には結びつかないこんなことは沢山あります。

P.S

あの室温湿度計の話だが、人が感じる心地よい、過ごしやすい範囲は「湿度40〜60%」、「気温は23度前後」が最適らしい。

気温だけで暑い寒いを測ることは難しいことがよくわかる。

全ての物事は複合的な要素が絡み合い成り立っているのだから、多角的に物事を見る癖をつけていったほうが最短距離でゴールを目指せるはずである。

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土屋 潤二

初のオランダ国家医療資格である「徒手療法士」。サッカー界に明るく、筑波大、オランダサッカー協会のインターン、サッカーの名門フェイエノールト・ロッテルダム、Jクラブの名古屋グランパスや横浜Fマリノス、SC相模原、陸上ホッケー女子日本代表、FC岐阜、プロゴルフなどに関与。国内外のアスリートやチームをサポートし続けるスポーツサイエンティストとの顔を持つ「医療」と「体力トレーニング」との2分野での専門家。