患者を笑顔にするプログラム作成の極意 | 日本オランダ徒手療法協会

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患者を笑顔にするプログラム作成の極意

2019.07.12

from 黒田雄太  自宅デスクより

 

7月が誕生日の黒田です(笑)

 

と言っても、このメルマガが配信されている時には僕の誕生日は終わっていると思いますが(苦笑)。

 

冗談はさておき(笑)

 

6月26日。ついに長崎も梅雨入りしました!観測史上一番遅い梅雨入りだそうです。前日までの清々しい天気が一変、雨です(汗)

 

6月27日、朝。

朝からメルマガを書こうと思い早起きすると、嵐のような雨風。

 

はぁ〜、嫌だなぁと思いつつ、仕事には行かなければなりません。

 

今日は特に高齢者向け体操教室があるんでなおさら憂鬱です。荷物の搬入搬出があるんで、雨だと大変なんです。

 

それに雨だけならまだしも、風が強いのが嫌なんです。だって、めっちゃ濡れちゃうじゃないですか〜。雨が風になびいて。

 

僕のうちは長崎でも結構高台の方なんで、雨風がホントにひどいんですよね(涙)そして、職場は僕の家の向かい側の山の天辺。

 

一度山から下りて、再び山に登る…これが僕のいつもの通勤パターンです。

 

人生山あり、谷あり。人生楽ありゃ苦もあるさ(笑)

 

まさにその通りですね!

 

やっぱり単調な人生は面白くないですよね。良かれ、悪かれ波があって、何が起こるか分からないから楽しいですよね!

 

ただ、リハビリをしていると山あり、谷ありとなかなか順調にいかない時もありますよね?

 

リハビリは出来るだけ山あり、谷ありなく右肩上がりに順調に進んでもらいたいものです。

 

今日はリハビリを出来るだけスムーズに進めるために僕が大事にしているポイントを紹介しようと思います。

膝痛患者さんのリハビリ

 

あなたは「歩けるようになりたい!」というニーズの膝痛患者さんのリハビリを行う時にどのようにしてプログラムを作りますか?

 

おそらく

・問診 →これはセラピストによって様々かな(苦笑)

・関節可動域チェック

・筋力チェック

・姿勢やアライメントチェック

・動作チェック(起立や歩行)

 

みたいな感じのいわゆる「機能評価」をしてプログラムを考えますよね?

 

そうするとだいたいが

・膝や隣接関節の関節可動域訓練

・ストレッチ、リリース、モビライゼーションなどの徒手療法

・膝や股関節周囲の筋力強化

・動作練習

 

などとありきたりな、そしてどの人も同じようなプログラムが出来てしまいます。

 

それにプログラムを作ったはいいものの、各プログラムをどれくらいの負荷でやったらいいのかわかりませんよね?

 

あなたにはこんな経験はありませんか?

 

僕にはよーくありました(苦笑)

 

膝なら、腰なら、肩なら…だいたい同じようなプログラムって感じでですね(苦笑)

 

しかも、負荷はだいたい10回とか(さらに苦笑)

 

すると、正直疾患で同じようなプログラムばっかりで提供するこちら側もやり甲斐を感じにくくなりますよね。

 

そうするとだんだん患者さんのリハビリがルーティン化してしまって、なんだかこなしみたいになる…。

 

当然結果も出ないです(涙)

 

そんな苦い経験から僕は必ず「ある事」をするようにしています。

 

なので今の僕は10人膝が痛い人がいたら、10通りのオリジナルプログラムを作ることができるんです。

 

その理由は「ある事」を明確にしてからプログラム作成を行うようになったからです。

 

これがオリジナルプログラムを作成するために一番大事なことなんです。

そのプログラムどこを目指してますか?

 

登山に例えると、登る山を決めて、山頂の到達ポイントを決めないと遭難してしまいます。

 

これ当然ですよね?

 

ただ、リハビリ業界ではプログラムを作ったはいいものの山頂を決めていないので、彷徨い、そして遭難してしまうケースが数多く見られます。

 

リハビリにおける山頂=目標(ゴール)設定

 

これが大事なんです!

 

さっきの患者さんは目標は「歩けるようになりたい!」でしたよね。

 

目標は決まっているじゃないか?と思われたあなた。これじゃオリジナルプログラムは作れません!

 

目標はもっと具体的に明確にしないといけないんです。

 

「歩けるようになりたい!」と言っても

・どのくらいの距離?

・どのくらいの時間?

・どのような環境(屋外?室内?階段や坂道は?)

・補助具の使用は?

・介助ありor独歩?

・そもそも歩けるようになりたい理由は?

 

などなど、その患者さんによってこれらの要素は全く違いますよね! 

 

となると患者さんによってプログラムは全く違って当然なんです。

 

例えば、室内で居室からトイレまで歩ければ良い人であれば、

 

最終的な歩行距離は5〜6m程度ですよね。ただ、歩くだけならこれだけで良いですが、5〜6mの歩行後、排泄をしてまた同じ通路を帰る…となれば、排泄に伴う疲労が加わった状態でも5〜6m歩けないといけませんよね。

 

買い物に歩いて行きたい人ではどうでしょうか?

 

30分から1時間は最低でも歩けないといけないですよね。それに買い物をするということは、だんだんと荷物が加わってくる。ということは体重以上の重さも支えられる必要がある。

 

さらに、すれ違う人を避けたり、雨が降っていたら傘をさしたり…もっと複数の要因が加わってきます。

 

今回2つの例を出しましたが、同じ「歩けるようになりたい!」というニーズでもプログラムは全く違いましたよね。

 

逆にしっかりと目標を具体的にかつ明確に設定すると自然とオリジナルプログラムはできるという訳なんです。

 

、、、

 

数多くの患者さんを治療しないといけない整骨院やクリニックでは患者さんの問診をする時間はそんなにとれませんよね。

 

ただ、工夫次第では複数回に分けながら情報を収集するとか、問診シートなどを活用して初回に患者さんに書いてもらう事である程度把握できることもあると思います。

 

これまでリハビリで結果が出てない治療家やルーティン的に患者さんをみてしまっている治療家のあなたは是非この目標設定を具体的にかつ明確に行うということをしてみてください。

 

その作業が患者さんもそして治療結果に悩むあなたにとっても遠回りのように見えて「治療の近道」になると思います。

 

是非、お試しあれ!

 

【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように

P.S

幸い出勤時間には雨は上がり濡れることなく、仕事に行けました!ただ、こんな事が1ヵ月以上の続くのかと思うとやっぱり梅雨は憂鬱ですね(涙)


この記事を書いた人

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黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。