孫子の言葉が治すためのヒントに繋がる?! | 日本オランダ徒手療法協会

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孫子の言葉が治すためのヒントに繋がる?!

2019.03.14

From 橘田 幸博 地元のカフェ

 

「ギターが上手くなりたい」

 

という大学生に出会った。

 

彼はギターは持っているだけで、どういう風にしたら上手くなるのかがわからないで

 

まだ一回も引いたことがないらしい

 

インターネットで地元のギター教室を検索し、

 

自分に合いそうな教室をひたすら探している。

 

最近は、オンラインで学べるものもあるみたいで、

 

その中から選んでいくのは簡単ではなく、悩みが増える一方。

 

確かに・・・・

 

考えてみると自分も似たような経験をしたことがある。

 

DMTスクール入学前あるあるだが、

 

セミナー周りをしている期間があった。

 

でもまだ行動しているだけいいが、どこ行こうか迷いすぎて動けない

 

という状態にもなったことがある。

 

今の彼はこんな状態ですね。

 

そんなことは見ればわかるが、少し意地悪で

 

僕「どう?ギターは上手くなった?」

 

大学生「それが・・」

 

僕「どうしたの?」

 

大学生「どこに行けばわからなくて、何もできていなんです。」

 

僕「やっぱり」

 

大学生「やっぱり?」

 

僕「・・・・」

 

見ての通り彼はこれじゃあ一生上手ならないですよね。

 

ネットで調べている時間

 

悩んでいる時間

 

僕に相談している時間

 

すごいもったいない。

 

もちろん、最短で誰もが上手くなりたいから、

 

いい教室、いい先生、いい環境が整っている方がいいけど、

 

それらの時間ではギターは上手くならない。

 

大学生の彼に言いたいことは

 

「早くギターの練習を始めた方がいいよ」とね。

 

できないうちからたくさん失敗して改善できる人は強いよね。

 

さて、本題に入りましょう。

 

皆さんは「痛み」のことをどれくらい知っていますか?

 

普段、臨床で「痛み」を抱えている患者さんを診る機会は多いですよね。

 

その抱えている「痛み」をことを知っているだけど、治療結果が変わるんですよ。

 

「彼を知り、己を知れば、百戦して危うからず」

 

孫子の言葉でもありますが、敵(痛み)のことを知ることの

 

大切さを名言を残していますね。

 

確かに結果を出している先生は、自分が直面している問題のことを

 

よく調べたりよく知っています。

 

なので、僕らは「痛み」を知ることが重要ですね。

 

以前に、「痛み」を知らないことにより、こんな失敗をしました。

 

右の臀部に痛みを抱えている患者さん。

 

ずっと座っていたり、立っていたりすると痛みが悪化してしまう。

 

この患者さんはデスクワークで座っていることが多い。

 

僕「痛めたきっかけてありますか?」

 

患者さん「わからないけど、お尻のトレーニングをしたぐらいから

 

痛みが強くなった気がします」

 

僕「中臀筋の損傷が原因です」

 

でも痛みの原因であろうと立てた仮説は虚しく、

 

中臀筋の治療では全然治らなかった。

 

後々、考えると問診の時にどんな痛みかを聞いていれば、

 

「椎間関節由来の関連痛」との仮説を立てておくことも可能だった。

 

そんな過ちを犯さないためにも「痛み」ことをよく知ってほしい。

 

痛みの原因はどこ?

この患者さんの問診では「痛みの種類」のことは聞かなかった。

 

「お尻のトレーニング」での肉離れと勝手に決めつけていた。

 

その時に、「どんな痛みですか」と聞くべきだった。

 

なぜなら、もしその時に「この周辺に痛みがある」と考えたら

 

感覚神経の分類から繊維は細い、伝達の速度の遅い、局所の組織損傷が考えにくい

 

「Ⅳ繊維」の症状と判断できた。

 

もし、「ズキッと」という訴えだったら、組織損傷が考えられる「Ⅲ繊維」が関係する

 

「中臀筋」の肉離れの可能性が高い。

 

このように痛みの種類を聞くだけで、いろいろなことがわかりますね。

 

局所と背中

今度は痛みを「神経生理学視点」で考えてみよう。

 

この方の中臀筋の痛みの範囲はデルマトームでいうと「L5」

 

つまりこの方は「L5」椎間関節由来の関連痛症状だということがわかる。

 

僕が学校で初めてデルマトームの授業を受けた時は、果たして臨床のどんな場面で

 

このデルマトームを使うのかがわからず、特に意識もしていなかった。

 

でも「関連痛」という痛みの出方を知っていてから、

 

痛みの場所がわかったら、すぐにデルマトームを見て「どこか」を

 

確認するようにしている。

 

複数出ている痛みや症状が、関連しているのがよくわかるので、

 

治療の幅が広がりますよ。

 

ためしてガッ◯ン見ました

このような、テレビや本を見て来院される患者さん多くないですか?

 

ボジティブな情報を得ている人だったらいいが、

 

ネガティブの方もたくさんいて、

 

「ヘルニアは腰を曲げてはいけないから」

 

というアドバイスを真に受けて、腰が10度ぐらいしか曲がらない人だったり、

 

動画で「ヘルニアの出る瞬間」見た方が、怖くて動けなくなったりする人。

 

そんな方は「心理社会的要因」で痛みを引き起こしている可能性があります。

 

つまり、思い込みが痛みを引き起こししまうということです。

 

オーストラリアでは、以前改善プログラムとして、

 

認知行動療法と運動療法を取り入れた4週間プログラムで

 

ほとんど腰痛患者さんが治ったという事例もある。

 

僕もそんな患者さんをみる機会があるが、

 

その方には、まずは触らないで、

 

「怖くないんだ」ということを、こっちからアドバイスしたり、

 

話を聞いたりすることを繰り返し、徐々に運動療法を取り入れていく。

 

心理社会的要因由来の「痛み」もあるんです。

 

深く勉強したい方は「痛み」を追求するといいが、

 

臨床で使えるといえば、この3つですね。

 

改めて教科書を見てみると普通に書いてあるの、再度勉強する機会にして欲しいです。

 

P.s  

結局、大学生はギターを始めず、社会人になった。社会人になっても始めれない気がする(笑)


この記事を書いた人

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橘田 幸博

柔道整復師。【JADMT公認】オランダ徒手療法士。JATAC アスレチックトレーナー。整骨院を経営しながら、オランダ徒手療法の代表 土屋の右腕として施術から協会のマネージメントを担う。また、タッチラクビー日本代表(2015,2019)に帯同。2019タッチラグビー世界選手権日本初の銅メダル獲得にも貢献、その他数多くのトッププロの施術を行う。一児の父。