ゴールを意識した足関節捻挫の復帰方法 | 日本オランダ徒手療法協会

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ゴールを意識した足関節捻挫の復帰方法

2018.01.16

足関節捻挫後に痛みは取れたけど、片足で踏ん張ることができなかったり、硬くて踏み込めない。走りにくい。ジャンプしにくいなど

 

様々な訴えを選手がしてくることはないでしょうか?

 

スポーツ現場にいると数多く聞かれます。

 

 

そう言った選手に限って、その後怪我を繰り返すことがよくあります。

 

では、そのような訴えと再発を繰り返すのでしょうか?

 

 

それは、明確なゴールを立てないでリハビリを行なったことが原因です。

 

もちろん、こちらの要望通りにリハビリが進まなかったり、環境要因でリハビリが上手にうまくいかなかったこともあるかとは思います。

 

しかし、本当にゴールを意識してリハビリを完了させ、臨床現場で合格を出したのかは疑問が残ります。

復帰の流れ

復帰までの流れは様々だと思いますが、多くは以下の通りだと思います

 

①医療機関を受診→病院のリハビリ→現場でのケア・アスリハ→現場復帰

この関係が相互間で取れているところはいいのですが、

 

②医療機関を受診→病院のリハビリ→現場復帰

 

③医療機関を受診→現場復帰

 

 

②・③と間がなく、いきなり実戦に復帰させるとこもあります。

 

こう言った場合、

 

医療機関や医療機関のリハビリではどのように選手を現場に復帰させるか明確なゴールを持って、行わなければ、再発のリスクが起こります。

 

では、明確なゴール設定とはなんなのでしょうか?

明確なゴール設定

明確なゴール設定を行うときにはスポーツ選手ならそのスポーツ特性を十二分にリサーチする必要性があります。

 

スポーツ特性

・環境(体育館、グラウンド、天然芝、人工芝、タータン、氷上など)

・ルール(時間、広さ、人数、交代人数、道具、ポジションなど)

・運動パターン(歩く、スプリント、ダッシュ、ジャンプ、しゃがむ、サイドステップなど)

など….

 

このスポーツがどんな特性を持っているのか知る必要があるのです。

 

なぜならば、そうしなければゴールが立てられないからです。

 

例えば、足関節捻挫の怪我をした陸上100m選手のゴールは一体なんでしょうか?

 

・足首の痛みや可動域制限を取り除けいて終わりでしょうか?

・歩けて、ジョギングできれば終わりでしょうか?

・捻挫の再発予防できればいいのでしょうか?

・100mをダッシュできればいいのでしょうか?

 

そうではないはずです。

 

 

選手を復帰させて、自己ベストを出すだけの高いパフォーマンスまで引き上げたい。

 

 

だと思います。

 

しかし、これだとゴールとしてはぼやけてしまいます。

 

明確ではないのです。

 

例えば

・中間疾走での足を素早くあげて、素早く下ろし、地面の反発力を足底面に効率よく伝えて走る。

・スタートでの一歩目を素早く出す。

 

 

などがあると思います。

 

このほかにもゴール設定は様々です。

 

なぜなら、十人いれば10通りのゴール設定になるからです。

 

ここまで、明確なゴールが出せればあとは、治療までの逆算をしていきます。

 

そうすれば、以下の疑問が出てくると思います。

・スタート・中間疾走・減速期の足首の角度はどうなるのか?

・どのくらい足部に荷重がかかるのか?

・反発力はどのくらいのか?

・靱帯には体重の何倍の力がかかるのか?

 

もうお分かりだと思います。

 

 

施術して、痛み・可動域・筋力を戻すだけでは難しいのは明確ですね。

 

実際、

ゆっくり歩くと体重の1.2倍、走ると3倍、ジャンプであれば6倍もの衝撃がかかるわけです。

 

であれば、フリーウェイトや段差からジャンプして足首に衝撃を入れて、足首の軟部組織に対して抵抗力を向上させる必要性が出てくると考えます。

 

それを限界ギリギリのところで行い、徐々に陸上短距離100mの足首の耐性をつけていくわけです。

 

足首だけではダメですね。

 

ゴールにこだわりを持つわけですから、設定したゴールに関しての動き作りを取り入れてようやく達成できるのです。

 

まとめ

 

今回は明確なゴール設定に関して、お話ししました。

 

ゴールを明確化しないと、その場しのぎの介入になりがちです。選手やクライアントに沿ったゴール設定を立てることで、プログラムも細かく明確なものになります。

 

ぜひ、明確なゴール設定を立ていただき、選手・クライアントに最高の笑顔を導き出しましょう!!