【ブログ】トレーナー必見!!アスリートに信頼される肉離れの見分け方 | 日本オランダ徒手療法協会

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【ブログ】トレーナー必見!!アスリートに信頼される肉離れの見分け方

2017.03.30
原文:サイト【Good Health】2016.11/13「トレーナー必見!!アスリートに信頼される肉離れの見分け方」リアンスポーツ整骨院 院長 橘田 幸博より

困った。。

新人トレーナー時代、肉離れの選手の病態の見分け方がわからず、

とても悩んだ時期がありました。

肉離れってなんだっけ・・・

スポーツ現場やクリニックでよく遭遇する『肉離れ』。いわゆる「筋断裂」「筋損傷」のことですね。

「スポーツなどで筋肉に急に強い収縮力がはたらいた時や強い伸張ストレスが加わったときなどに筋組織が断裂すること」が発生機序と定義されています。

 

<目 次>

  • 1.見分けよう!!
    • 1-1. 筋肉?筋膜?それとも・・・
    • 1-2. 損傷程度で・・・
    • 1-3. 治癒期間
  • 2.これ大事!肉離れになる原因3つ!
    • 2-1. 組織内・組織間癒着
    • 2-2. 腰痛
    • 2-3. 抵抗力
  • 3.まとめ

1.見分けよう!!

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そもそも肉離れで損傷してしまう組織はなんでしょう?

もちろん、筋肉。そして筋膜。筋腱移行部。

ここでのポイントは実際何の組織を損傷しているのかを見分ける、いわゆる鑑別してほしいということなんです。

1-1. 筋肉?筋膜?それとも・・・

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この表、何を示しているかというと、このアクションで痛みが出るという組織別で表したものです。

ここで注目してほしいのは、「筋肉」と「筋膜」。ご存知のように筋膜は筋肉の上を覆う組織なので、非常に鑑別が難しいと言われています。だが、消去で考えたらどうだろう。

筋肉にあって筋膜にないもの。そうです、収縮痛です。すなわち、収縮させて痛みがでる場合、「筋肉」、でない場合「筋膜」と仮説が立てられます。

簡単でしょう?でも、なんで組織鑑別をしなくていけないの?

あとで説明しましょう。

1-2. 損傷程度で・・・

鑑別の重要性を説明する前に、

損傷程度の分類を紹介しましょう。

これも相当重要ですよね。

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ハムストリングの例ですが、

この分類だけでも組織鑑別できそうですね。

1-3. 治癒期間

なぜ、ここまで組織の鑑別にこだわるかというと、鑑別・評価した後の治療方法や治療期間に深く関係するからです。

これをみてください。

★部位別治癒期間表

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組織によってこんなにも治癒期間が違うわけです。

アスリート、選手たちはいつまでに治るか?

治るまでにどんなリハビリやトレーニングをしたらいいのかを知りたがっています。それをトレーナーや治療家が適切に伝える必要があるのです。

そしてこれを知っておくことで、選手達の不安を取り除き、復帰までに良い治療ができることは間違えないでしょう。

2.これ大事!肉離れになる原因3つ!

肉離れって予防がしやすい傷病ってことをご存知ですか?いまから紹介する3つの原因を除去するだけで多くの肉離れを予防することができます。

2-1. 組織内・組織間癒着

 

2014111600中々、聞きなれない言葉かもしれないですが、筋肉をオーバーユースや動かさない等で

筋肉自体も硬くなりますし、組織間も癒着が起こります。例えば、「筋肉ー筋膜」「筋肉ー筋肉」「筋肉ー骨」「筋肉ー靭帯」

まだまだ色々ありますが、その組織組織の間で癒着が起こる可能性があります。

そうすると、筋肉は・・・

柔軟性低下

収縮力低下

筋力低下 などが起こります

なので、組織間のリリースやストレッチ、物理療法等を使って癒着や緊張を取り除いていくことが大事になります。

 

2-2. 腰痛

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スポーツの種目によりますが、サッカーや陸上などの多いのが下肢の肉離れ。

下肢の肉離れの原因の1つとして腰痛が考えられます。特に長期で腰痛を持っている方は要注意です。

腰痛関連で起こる肉離れは様々ですが、ここでは1つだけ紹介しましょう。

 

例 3年前から下位腰椎に疼痛のサッカー選手

 

この情報から推測すると、この選手はL4・L5・S1の脊柱に異常を抱えていそうです。

さらに長期ということで、L4・L5・S1領域の感覚神経運動神経自律神経に異常をきたし、L4・L5・S1領域の筋肉に血液や栄養の循環不良が起こります。そうなることで収縮力の低下柔軟性の低下抵抗力の低下が起こり、肉離れを起こしやすくなります。

腰痛も決して放置せずに、しっかり治療を行っていきましょう。

 

2-3. 抵抗力

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「抵抗力」抗う力といいますが、簡単にいう強度ですね。この強度が落ちてしまうと筋肉ですと肉離れの発生原因になります。

この強度が落ちる原因も様々ですが、ここでは「自律神経の異常」による抵抗力の低下を紹介します。

自律神経は、体の活動を調整するために、24時間働き続けている神経です。体の活動時や昼間に活発になる交感神経と、安静時や夜に活発になる副交感神経があります。その2つのバランスをそこなうのが「自律神経の乱れ」です。不規則な生活やストレスによって自律神経の働きが乱れると、体の器官にさまざまな不調が現われます。

 

・睡眠不足や過睡眠

・食欲低下や過食

・頻尿や便秘

・異常発汗

・めまいや頭痛

などなど

上記のような自律神経の乱れがみられると

筋肉への循環不良も起きます。当然、肉離れにもなりやすくもなり、これも問題ですね。

これらは生活習慣等で改善できるものが多いので、幅広い仕事のトレーナーや治療家は管理方法や専門家を知ってるといいですね。

 

3.まとめ

しっかり見分けることが肉離れの治癒にとても重要だということをお分かり頂けたでしょうか?臨床の場でよく遭遇しやすい傷病なので、ぜひ、覚えて実践してもらえたらと思います


この記事を書いた人

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橘田 幸博

柔道整復師。【JADMT公認】オランダ徒手療法士。JATAC アスレチックトレーナー。整骨院を経営しながら、オランダ徒手療法の代表 土屋の右腕として施術から協会のマネージメントを担う。また、タッチラクビー日本代表(2015,2019)に帯同。2019タッチラグビー世界選手権日本初の銅メダル獲得にも貢献、その他数多くのトッププロの施術を行う。一児の父。