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上手くいく運動療法は目標が具体的! | 日本オランダ徒手療法協会

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上手くいく運動療法は目標が具体的!

2020.03.05

from 黒田雄太  @自宅デスクより

 

オランダ徒手中級の準徒手療法士コース(今は脊柱・骨盤帯コースと名前が変わりました!)に在籍していた頃の話。

 

その頃から僕は腰痛を専門としてやっていきたい!そう思っていました。

 

なので、まだ未熟者でしたがとにかく自分を「腰痛専門」って言ってました。

 

だけど、実は…

 

腰のテクニックが大の苦手だったんです(涙)

 

特に「L5/S1のマニュプレーション」(汗)

 

これは全てのテクニックの中でも難しいテクニックの一つです。

 

決してテクニックは得意でなく、どちらかというと理論が得意だった僕。

 

なので、テクニックは必死で練習したんですね。

 

でも、翌月に最終試験が迫った1月の集合研修でも「L5/S1のマニュプレーション」が出来ない。

 

試験の3週間前でも出来ない(汗)

 

どうしよーっとめっちゃ焦っていた時、もうヤケクソだーっとちょっとやり方をアレンジしたら、

 

「あっ、出来た!!」

 

試験2週間前にやっと出来たんです!

 

すると、たった一度の成功の後は逆に得意なんか?と思うぐらい成功しまくり!

 

ただ、幸か不幸か試験には出ませんでしたが…(苦笑)

 

そう思うと一度の成功体験って人の成長をすごく加速させるんですね。

 

いつもこのメルマガでは失敗談や上手くいかなかったケースを紹介することが多いですが、

 

今日は逆に上手くいったケースを紹介してみようと思います。

 

要は「僕の成功体験談」です!

 

決して自慢ではないですよ(笑)

 

階段の上り下りで痛む膝

 

今日紹介する患者さんは70代の女性です。

 

左膝に痛みを抱えている方でした。

 

問診から得られた情報は

 

・痛みの部位は左膝蓋骨の下方内側

 

・圧痛あり

 

・ズキっとするような痛み

 

・階段の上り下りが一番痛い

 

・歩行でも痛い時がある

 

・ひどい時は夜寝返りするのも痛い

 

このような感じでした。

 

ここからどの組織が原因となっているのかを考えるのですが、僕は「膝蓋骨の軟骨」もしくは「内側膝蓋脛骨靭帯」だと思いました。

 

*詳しい解剖は解剖書を確認してくださいね!

 

膝の局所のアライメントを確認すると膝蓋骨がやや外方に引っ張られていたんです。

 

なので、階段の上り下りでさらに膝蓋骨が外方に引っ張られたり圧迫されることによって、

 

左膝蓋骨の内側下部のあたりの軟骨が圧迫されたり、そこに付着する靭帯が引っ張られたりしたと仮説立てたんです。

 

施術も色々としたんですが、今回はそこは省略してどのような運動療法を行ったのかの話をさせてください。

 

この方の目標は、

 

「家の前の階段を痛みなく上り下りして、一人で外出したい!」でした。

 

なぜそう思うのかというと、膝が痛くなって以来外出する機会が減ったんだそうです。

 

外出すると膝が痛くなるという恐怖感や、外出のために付き添う娘への申し訳なさから、そのような思いをするのであれば外出しない方がマシ!

 

そう思ってしまい、外出を敬遠してしまったんです。

 

そうこうしているうちに筋力も落ちてさらに、階段の上り下りが不自由になった。

 

だから、必死の想いで病院に来られたんですね。

 

こうしてその方と僕の二人三脚の運動療法が始まったんです。

 

結果としては、約半年で目標を達成して治療を卒業しました。

 

なぜ上手くいったのかを今日はポイントを絞って紹介します!

 

そもそもどんな階段なのか?

 

階段昇降ができるといっても、さらに詳しく状況を聞かなければなりません。

 

家の前の階段は

 

・何段あるのか?

 

・1段の高さは?

 

・手すりはついているのか?

 

・不整があるのか?ないのか?

 

などのことを確認しました。

 

すると、約20段の階段で1段は約20cmの高さ、手すりはなく、比較的不整がない階段ということがわかりました。

 

なので、これが出来ることがこの方の具体的な目標です。

 

目標が分かればあとはそこに向かって運動療法をしていくだけ!

 

部分的な膝や股関節、体幹などの筋トレは抜きにして、次のステップで段階的に膝への負荷を上げていきました。

 

両足スクワット

 

→スプリットスクワット

 

→フォワードランジ

 

→5cmの段差昇降

 

→10cmの段差昇降

 

→20cmの段差昇降

 

→20cmの段差昇降(5回→10回→15回→20回)

 

このように本当に少しずつ膝への負荷を目標に向かって高くしていきました。

 

すると、家の前の20段の階段を上り下りすることが出来るようになったんですね。

 

正直、そう変わったことはしていなんですが、このようにして運動療法を進めていったんですね。

 

もちろん今日紹介した内容以外のこともやっています。

 

注意すべきポイントや運動療法の組み立て方など気をつける点はまだまだたくさんあります。

 

ですが、運動療法の大まかなイメージは湧いたのではありませんか?

 

運動療法の目的は「動作を獲得する」ことです。

 

細かな局所のトレーニングも大事ですが、もっと広い視点から運動療法を考えていけたらいいですね!

 

【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように

 

P.S

あっ、そういえば来週『膝痛患者の歩行改善法』という勉強会をZoomでやるんだった!(笑)。明後日まで申し込み出来ますよ〜!Zoomでお会いしましょうね!!


この記事を書いた人

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黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。