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痛み攻略の鍵は『分析力』
2021.09.09From:長島 将太
@自宅オフィスより
雨上がりの蒸し暑い日の午後。
昼休憩も終わり、
そろそろ午後の診療がスタートする頃だった。
ちょうど私は、午後の診療に備えて、
リハビリの受付デスクで予約患者リストを確認してたんですね。
『今日の15時枠の◯◯さん、痛み落ち着いてくる頃だろうから予定通り運動へ移行できそうだな〜』とか
『◯◯さん、この間伝えた自主トレやってくれてるかな?』とか
午後からのリハビリ予定をあれこれイメージしてました。
これは、私の仕事のルーティンなんですが、
患者さんに入る前にある程度、どんな治療やリハビリをするかを想定して準備しておくんです。
そうすることで、20分や40分と短い治療時間の中でも患者さんの状況に合わせた治療プランを考えることができるので、この習慣は大事にしています。
この日もいつも通り、午後の準備をしていると、
リハビリ室の扉をコンコンとノックする音が。
扉を開けると、
午前中に診察を終えたはずの担当患者さんが
扉の前に立っていました。
患者さん
『こんにちは。長島さん、いま少しお時間いいですか?』
長島
『大丈夫ですよ。どうされましたか?』
・・・
・・・
お話を伺ったところ。
今の痛みに対して、主治医からの説明を聞いたものの
患者さんが知りたかったことについては聞けずじまいで、
モヤモヤしてたそうなんです。
本当に患者さんが診察で知りたかったことは、
『いま抱えている、痛みが治るのか?』ということ。
いろんな治療方針や、
今の状態についての説明は理解していたそうですが、
『結局、この痛みはどうなるのか?』が分からず不安になったみたいなんです。
これって、セラピストでもあるある話だと思うんですね。
症状が出ている原因や理由については、
あれこれ専門的な理論を含めて細かく説明するものの、
肝心の『どうすれば治るのか?』については、
言及せずに患者さんが困惑してしまう。
私も過去に同じような失敗をしてしまい、
患者さんを困らせてしまった経験があります。
なぜ、このようことが起こってしまうのでしょうか?
それは、
症状に対しての『原因』と『結果』の整理ができていないからです。
この因果関係の整理ができていなければ、問題を解決策が的外れになってしまいます。
原因と結果の関係性を考える!
今回の患者さんを例にあげて考えてみると、、
患者さんは『歩いている時に、アキレス腱辺りに痛みが出る』という訴えがありました。
このような訴えの場合。
結果は『痛みが出る』ことですよね。
そして、
この痛みが出る『原因』の分析が非常に重要になりますね。
今回の患者さんの訴えについて、私はこのように考えました。
『組織が壊れているから?』 ▶︎痛い
『組織にストレスがかかってるから?』▶︎痛い
『局所には痛みの原因がない!?』 ▶︎局所以外が原因で痛い
このように複数の原因を考えることができます。
このあたりは、問診でしっかり聞くことでおおよその見当がつきます。
組織が壊れていれば『炎症症状』がポイントになったり、
ストレスが問題ならば『姿勢/動作』と関係したり、
それぞれの原因を紐解くキーワードがありますよね。
この話はまた今度しますね(笑)
そして、
重要なのが『痛みの出る条件』です。
痛みの原因の『分析力』
今回の場合だと、『歩いている時』と患者さんは訴えているので
歩くという動作と関連していることが想像できますよね。
さらに深堀して原因を追求していくためには、
歩いているときの『いつ?』『どのタイミングで?』『どのような状態になったら?』というように、より痛みが出ている場面について、詳細を把握することが真の原因に辿り着くポイントなのです。
このようにして、
痛みの真の原因を探っていくことスキルこそ、
セラピストの最重要スキルの一つにだと私は考えています。
言い過ぎかもしれませんが、
このスキルを身につけていないセラピストは、
症状の原因追求が曖昧なままなので、
原因に対する解決方法が的外れになるので、
治療アプローチもブレやすくなり、
痛みが取れないセラピストになってしまうのです。
ですが、
このメルマガを読んでくれている、あなたには
こうはなってほしくないのです。
だからこそ、
患者さんと向き合う時は「なぜ、こういう現象が起こっているのか、その原因は何か」
という問いかけを、常に行う姿勢を持ち続けて欲しいと思っています。
そして、
その原因がわかった時にはじめて、患者さんの状態にピッタリとフィットする治療アプローチ(解決策)を導き出すことができるのです。
常に患者さんの訴えに耳を傾け、『なぜ』を問いかける。
私もこのメルマガを、
自分にも言い聞かせるつもりで書いていました。