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捻挫の応急処置はアイシングじゃなく交代浴で。
2020.04.06from 杉山貴規 自宅デスク
子供と過ごす機会が本当に多い今日この頃。
コロナの影響でサッカー活動も今は休止状態。
例年であれば、リーグ戦開幕直前でチームも緊張感が漂い
ピリピリムード
こっちも、ケガ人のフォローや怪我の予防を最新の注意を持ってやっている頃なんだけど。
でも、それが今はほとんどない。
だから、そのぶん子供と一緒にいる時間が本当に多くなっている。
子供が生まれる前から、今のチームは違うが仕事の傍らトレーナー活動をやっていたんで、休みは週1回あるかどうかの状態。
その休みは、1週間の疲れを取るために寝溜め状態であまり家族で過ごす時間がものすごく短い。
でも、今はどうだろう。
朝起きて、子供と目を合わせて、朝食、昼食、夕食を共に取り、一緒に過ごす。
なんか嫌気がさすのかなって思っていたんだけど、
今までが今までだったんで、この時間が自分にとっては本当に楽しい。
遊んでるわけじゃないですよ。
一緒に同じ時間を共に過ごすこの時間が、笑みがこぼれてしまう。
今こうやってブログを書いている目の前で、勉強している我が子を見れるのもなんとも貴重な時間だと思っている。
さて、そうは言えとも、自分の携帯には選手からの連絡が、ひっきりなしに入ってくる。
実は、休みとは言え、自宅や近隣の公園など、人がいないところで各個人練習をこなしている。
そのため、その最中怪我をする選手もいるし、怪我をしていてリハビリメニューを聞いてくる選手も多くいるからだ。
だから、自分のLINEは子供達のアイコンばかり上位に来ている。
そんな中で多い質問は捻挫の対応に関してだ。
・捻挫したんですけど、どうすればいいですか?
・冷やしたほうがいいですか?
・湿布で冷やしたほうがいいですか?
・包帯で固定したほうがいいですか?
・冷やす他に何かしたほうがいいですか?
・病院や整骨院に行ったほうがいいですか?
・早く治す方法はありますか?
・足首のトレーニングは何かありますか?
などなど
もう、曖昧で抽象的でなんとも言えない内容なんだよね。
でも、スマフォの向こう側の選手は緊急事態状態
必死なんだよね。
だから、丁寧にわかりやすく説明しなきゃならない。
で今日は、そんな捻挫の対応方法に関して話していきたいと思う。
冷やしたほうがいいですか?
兎にも角にも、捻挫じゃなくても怪我をした場合、この質問は多く自分のところ来るんだよね。
でもなんで、この質問が疑問形で入って来るのか?
そう考えたんだよね。
こういう子たちって、小・中学生の時にもサッカーをやっていてある程度は怪我の経験をしている子が多いと思う。
その際に、学校の先生、監督・コーチや病院の先生から冷やすことを指示されていると思うんだよね。
病院であれば、消炎鎮痛の湿布を処方されたり、
サッカーの現場ではアイシングをラップでぐるぐる巻きにして安静にしたり、
脳に刷り込まれるくらい、怪我したらとにかく冷やすってことを繰り返し習っていると思うんだよね。
それでも、自分のところには疑問形でLINEに入って来る。
それはなぜか?
きっとなんだけど、アイシングしても痛みが変わらないってことを思っているからじゃないかなって、、、
そう思うんだよね。
だから、疑問形でくる。
自分は、捻挫して、この質問が来ると
「なんで冷やすの?」
「冷やすとなんでいいの?」
って選手には聞くようにしている。
そうすると大半がポカンとした顔をして、分からないと答える。
だから、選手には
「冷やしたかったら冷やしていいよ。精神的に楽になるし、鎮痛効果もあるからね」
「でも、冷やしても治らないのは知ってる?」
って聞くんだ。
すると、多くの選手はその事実は今までの経験の中でわかっているようなんだ。
選手にある質問をするんだこの二択
「今の痛みを取りたいの?」
「捻挫を治したいの?」
ってね。
すると大体が後者なんだよね。
だから多く選手には次の方法を伝えるんだ。
交代浴を勧める
「交代浴やってみようか?」
大体の選手は『?』なんだ。
風呂場でバケツに氷水を用意して、風呂に2〜3分入って、冷水に捻挫した足を30秒〜60秒入れて、再び風呂に入って、、、
これを4〜5回やってほしいって伝えるんだ。
大半が温めていいんですか?って聞いて来るんだよね。
笑いながら、「いいよ。どんどん入って。どんどんね」
もちろん、方法論だけ教えることはしないんだ。
なぜ、これを行うのか?
それを、わかりやすい言葉で伝えるんだ。
では、
自分がなぜ、捻挫にこの交代浴を推奨するのか?
それは、とにかく足部の循環を促してほしいからなんだよね。
あとは、自律神経を整えるためになんだ。
捻挫をすると、痛みが急激に出て来るよね。
そして、軽度の場合でも靱帯に損傷があるわけだから、そこの治癒速度を上げるためにも損傷部の循環をどんどん回すためにやるんだ。
嫌な痛みの物質のブラジキニンを足部から追い出すこと、そして足部に治すための物質を常に新鮮な状態で入れるために行うんだ。
それを効果的に行え、選手が自宅でもできる方法の一つがこの交代浴なんだよね。
痛めた部位を温めるとそこの部位の血管や毛細血管は拡張しますよね。そして冷やすこと、血管は縮むだ。
これを繰り返すことで血管のポンプ作用が強制的に行われるとともに、血管のコンプライアンスが良好になって、好循環を促してくれるんだ。
では、冷やすとどうなるのか?
もう分かりますよね。
血管は縮んだまま、潰れてはないにせよ、血管の管は狭くなっているから循環は良好ではない。
だからなんですよね。
しかも、先にも話したけど自律神経にも関与するんです。
怪我をすると交感神経がものすごく上がってくるんです。
それを上手に戻せればいいけど、戻せない場合があるんです。すると閾値は低い状態になるから、ちょっとしたことで痛みが出現するんだ。
それを交代浴を行うことで、副交感神経に刺激を入れたり、交感神経に刺激を入れたりを繰り返すことで、痛みの閾値を正常に戻す作用があるんだよね。
つまり、捻挫の慢性痛を防ぐ作用もある。
だから、捻挫には交代浴なんです。
こんな内容をわかりやすく伝えるんだ。
すると大体の選手はこれを真摯に取り組んでくれる。
しかも、治りが早いんだよね。
あとは、捻挫をした時の応急処置にもなるんで、生理的メカニズムをしっかり伝えることで自主的に取り組んでくれるようになるんだ。
今では、ほとんどの選手がアイシングはしないでこの方法をやってくれている。
LINEで伝えるだけで、治りが早いんだからこちらとしては楽です(笑)
こんなこと言っちゃいけないですけどね。
ぜひ、試してください。
でも、交代浴中に痛みが増したりしたら、要注意。無理はしないでね。
PS
子供と過ごすこの時間本当に大切ですね。
もっとこの時間を楽しみたいです。
でも、子供は家にいるのに勉強しないといけないんで、結構嫌な顔してます(笑)