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腰痛患者の多裂筋が働きにくい理由 | 日本オランダ徒手療法協会

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腰痛患者の多裂筋が働きにくい理由

2018.11.02

from 黒田雄太 自宅デスクより

 

久しぶりに家でメルマガを書いている黒田です(笑)

 

今日は、とある休日で1人娘の面倒を見る日

僕の休みのほとんどはこんな感じで娘と2人で居ることが多いのですが、ちょっと前に半年ぶりに家族旅行に行ったんですね

 

場所は福岡で長崎からだと車で約2時間半ぐらいでしょうか?

娘が生まれてから一番遠出しましたね!

 

福岡にあるアンパンマンミュージアムに行って来たんです!

最近の娘のマイブームはアンパンマンなのでミュージアムに着くと大興奮!

入場するとちょうどアンパンマンのダンスショーが始まっていて娘のテンションはMAXに!!!

 

そのテンションのままミュージアム内を回りました(笑)

帰り際には本日2回目のダンスショーがあり、今度はアンパンマンやメロンパンナちゃんと一緒に踊りました!

 

そんな感じで半日をアンパンマンミュージアムで過して長崎に帰ってきました

まぁ、予想通りではありましたが、娘は車が走り出してものの1分で眠りに落ちました(笑)

 

娘にとっては当然楽しすぎたのもあるでしょうが、少し緊張していたのもあったのかなぁと思いましたね

 

小さな子どもってちょっとの環境の変化にも敏感なので

家に無事に帰ってきたら何だか安心したような顔をしていましたね!

 

やっぱり何事もほどほどが一番良いようです

精神的な「緊張」も過度も良くないし、なさすぎるのも良くないですよね

 

よく精神的な「緊張」は過度な方が良くないって思われるじゃないですか?緊張のし過ぎは交感神経が優位な状態ですからね

 

ただ、今回はストレスなどの話しではないのですが、腰痛に関連しているある組織の「緊張」がなさすぎることによる影響についてお伝えしようと思います

 

臨床のちょっとしたヒントになると思いますのでシェアしますね!

 

中腰で腰が痛くなる庭師のその後…

以前のメルマガで紹介した患者さんのことです

 

もう一度簡単に紹介しますが

レッドフラッグや神経根症状はなく、腰痛で1番多い姿勢や動作に関係するメカニカルペインです

下位腰椎に広い範囲で痛みがあり、中腰や朝起きた直後に痛みがでるということでした

 

炎症はなく、ストレスの影響も受けていませんでした

深く問診してみると仕事が忙しくなってきたことによるオーバーユースで腰痛が出ていたようでした

 

そして、昔ひどいギックリ腰をやった後に多裂筋が萎縮し、それが原因で腰に不安定性が出来てしまったという患者さんです

 

本当に簡単な説明で申し訳ないです(汗)

 

このように腰痛が起こったことにより多裂筋が萎縮して、多裂筋が働かない…これは当然のことですよね

 

実はですね…多裂筋が働きにくくなってしまう原因がもう一つあるんです

 

例えばL5/S1が不安定だったとします

ということはL5/S1間の椎間板が薄くなっており、椎体間を結んでいる多数の靭帯が緩んでしまっていると考えることができますよね

多裂筋の萎縮で働きにくくなっていたらなおさら不安定になります

 

では本題に入りますが多裂筋が働きにくくなるもう一つの原因は

椎間板が薄くなることによって「靭帯に緩みが生じること」なんです!

 

なかなかイメージ出来ませんよね…(汗)

 

これは靭帯の役割を考えると納得して頂けると思います

 

関節の周りには靭帯や関節包をはじめとした軟部組織や筋肉などいろんな組織がありますよね

 

そして、それらの組織は2つの種類に分けることが出来ます

 

・靭帯や関節包などの自ら伸び縮みしない非収縮性組織

・筋肉などの収縮性組織

 

もし、ある関節に大きな力が加わったとしたらどのような反応が起こるでしょうか?いきなり筋肉が働くでしょうか?実は違うんです

 

まず関節に大きな力が加わった時は

 

・非収縮性組織である靭帯や関節包が伸ばされます

 

もし靭帯や関節包が本来持っている伸張性だけで関節に加わる力に耐えられるなら筋肉は働く必要はありませんよね

 

これが関節が壊れないための非収縮性組織の役割です

 

ですが、非収縮性組織だけで関節に加わる力に耐えられない場合、こんな時にやっと筋肉が働きはじめるんです

 

筋肉が働きはじめるんですが、ひとりでに働くのではなくてこの時にある組織から筋肉に指令がいくんですね

 

それが「靭帯」なんです!!

関節に加わる力に靭帯が耐えられなくなったときに「次は筋肉、お前の番だ!」みたいに言っているのかはわかりませんが(笑)、靭帯が筋肉に対して指令を出しているわけです

 

そのため「靭帯」はピーンと張っている必要があります

なぜならピーンと張っていないと関節に力が加わったときに靭帯が適切に伸びてくれずに筋肉にも指令が出ないからです

 

では、不安定性がある腰では靭帯の張りはどうでしょうか?当然緩んでいますよね!

ということは腰回りの筋肉である多裂筋も靭帯からの指令が得られずに働きにくくなるんです!

 

多裂筋も萎縮していたので、萎縮が原因で働きにくいのかなと思っていました

多裂筋は位置情報を司る受容器がたくさんありますからね

 

ですが、多裂筋を働かせるトレーニングを行っても腰痛は軽減するものの、持続性が乏しかったんですね。皆さんもそんな経験ないですか?

 

そこで、僕はあることをホームワークで指導しました

それは、「椎間板を厚くする運動」です

 

椎間板は毛細血管が少ないので、いろんな方向に加圧⇄減圧する「スポンジ効果」を使わないと厚くなりません

なので、腰を痛みがない範囲でいろんな方向に動かすように指導したんですね

 

この運動は効果が出るのに時間がかかるので、約1ヶ月間ぐらいはしっかりと続けてもらいました

 

すると以前よりも多裂筋が働くようになったり、痛みが軽減した状態が持続するようになったんです!

その後もその庭師の患者さんはホームワークを継続して、仕事も痛みなくできるようになり、さらに長年の腰痛も自己管理できるようになったんですね!もう通院もしていません

 

椎間板が厚くなると、おのずと靭帯の張りも戻ってくるので多裂筋も働きやすくなりますよね

 

一見、やっていることは単純な運動だったりトレーニングなんですけどその裏にはこれだけの理由が隠されているんですよ!

 

是非慢性腰痛で多裂筋が働きにくい人がいたら、椎間板を厚くするための運動を指導するのも良いかもしれません

 

【グッバイ!腰痛!】

そんな日がいつか来ますように

 

P.S.

娘が起きないかビクビクしながら書いていたのですが、案の定一度起きちゃいました(涙)

やっぱり一番集中できるのはKONAMIかな?(笑)


この記事を書いた人

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黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。