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新作!仙腸関節再現テスト
2018.11.06from 黒田雄太 職場デスクより
なかなかKONAMIでメルマガを書けない黒田です(苦笑)
周りの人から意外だ⁉︎と言われることもあるんですけど
僕は少し前まで全くといって良いほど本が読めなかったんですね(涙)
じっと座って読んでると睡魔が襲ってきて、読もうと思っても飽きっぽくて
本だけは全くダメでした(汗)
ただここ2ヶ月で劇的に読めるようになったんですね
ある先輩の言葉によって…
「立って読んだら眠くならないでしょ?」
はい…たしかに(苦笑)本屋で立ち読みするのは大丈夫ですからね
その先輩は通勤や隙間時間を使って読んでいるようでした
僕もとりあえず真似してみようかと思ってやってみると
ものの見事にこれがどハマりして
今では立ち読み以外でも読めるようになりました!
(この立ち読みは本屋じゃなくて、自分で購入した本ですよ(笑))
おかげでいろんなジャンルの本を読むようになり本からの気づきをたくさん得ています
よく本にも書いているんですけど、何かを始めようとするときには自分がやろうとしている分野で上手くいっている人の真似をすればいいと言われてるんですよね
しかも、徹底的にね!
特にビジネスの世界ではよく言われているそうです
ただですね、こと臨床においてはそうもいかないんですね
皆さんも心当たりありませんか?
有名な先生、結果を出している先生のセミナーに行き、セミナーで習った事をしっかりやっているのに結果が出ない…
そんな事多いですよね?多いというかそんなことばかりだと思います。
なので、今回は真似ごとだけでは結果が出ない臨床に必要な思考について僕が以前担当していた患者さんの話を交えてお伝えしようと思います。
なお、ここからは僕の心の声と実況中継により構成されています(笑)
独り言ですらない黒田の頭の中の会話です(苦笑)
座ってられない程の左下肢痛
実況中継(実)
心の声(心)
(心)
いや~、これ絶対心理社会やろ!!
(実)
僕の第一印象はこの一言に尽きた
良くないことだけど心理社会的要因を確かめるための自律神経機能(食欲や睡眠、排泄など)の問診をすっ飛ばしてしまいそうになるほど暗い表情をその患者はしていた
そして、その顔はあまりの痛みで眉間にしわが寄り歪んでいた
問診をしようとするが囁くような小さな声であまり聞き取れない
楽な姿勢をとってもらいながら少しずつ問診をしていった
(心)
楽な姿勢があるということはレッドフラッグの可能性は低い!
(実)
僕はさらに問診を進め、腰痛のトリアージに沿ってレッドフラッグを除外し、神経根症状か一般的な姿勢動作に関連するメカニカルペインのどちらかだろうと思った。
ちなみに、腰痛のトリアージっていうのは適切な治療をするために腰痛を3つのグループに分類すること。ヨーロッパではガイドラインがそうすることを推奨しているんだ。
(心)
腰痛はあまりなくて、片側の臀部痛や下肢痛だから神経根症状の可能性もある。
ただ、まだ情報が少ないからメカニカルペインも捨てがたい
(実)
痛みが出始めた時期も聞いた。この2~3日で急に痛みが出てきたそうだ。外傷のきっかけはないから何かしらのオーバーユースの可能性が高い
そんなことを考えつつもさらに情報収集を行う
(心) *ここから心の声が長く続く(笑)
痛みの質からいくと、組織損傷は考えにくいだろう。だって、ピンポイントじゃなくて広範囲の痛みだからね
こういった広範囲の痛みや鈍痛のときに考えるのは関連痛か局所の問題ならタイプⅣ線維が反応している事になる。いわゆるトリガーポイント(筋肉のある部分を押すと、そこから放散するような鈍痛が現れるポイント)とか組織の損傷はなく循環が悪くなっている状態
痛みの部位は臀部や大腿の外側部。デルマトームでいくとL5やS1領域か…
そして、座ると強烈に痛い、まだ立っている方がまし
さぁ、これから仮説を立てよう
今までの情報からいくと
①L5の神経根症状
②L5の関連痛
③仙腸関節の関連痛
この3つが妥当かな。
じゃあ、次は立てた仮説を確かめないといけない
まず①L5の神経根症状
神経根症状は運動神経や感覚神経に影響を及ぼす!
L5支配の筋は…主に中臀筋や長母趾伸筋だから、この2つの筋力をチェックをしておこう!よし、問題なし!感覚や反射も問題ないようだ
急性の神経根症状はSLRで激痛が放散するから、これも見ておこう。おっ、これも大丈夫そう!
次は②L5の関連痛
関連痛は痛みは下肢に出ていても、問題は腰にあるから腰に圧迫や伸張のストレスをかけたらいい!!
脊柱を伸展+左側屈+左回旋すれば椎間関節の軟骨を圧迫できるし、反対に屈曲+右側屈+右回旋をすれば関節包を最大に伸ばせる!
うん、これも問題なし。ということは…
③の仙腸関節の関連痛かな?
仙腸関節痛のチェックはパトリックテストやゲンスレンテスト!
ん、あれ??引っかからない?
うーん、どうしよう…ここまで来たら仙腸関節の関連痛のはずなんだけどなぁ…
、、、
あっ!そうか!!そういうことか!!!
あーやっぱりな!やっぱ仙腸関節の関連痛だよね!
自分でテストは作っちゃえばいいんだよ!
そう、自分で作ったんです!痛みを再現するためのテストをね!
色々と考えた末のこのひらめきは我ながらあっぱれ!でしたよ
おーーー、きたきた!!みたいにね
整形外科的検査のパトリックテストやゲンスレンテストは股関節を開排したり、伸展したりすることにより仙腸関節にストレスをかけるテストです。ということは座っている姿勢とテストの姿勢は少し違いますね
でも、普通の整形外科的検査では引っかからなくても、痛みが出ている座位に近い姿勢でテストを応用したら痛みが出るんじゃない??って思ったんです!
この患者さんは座っているときに痛みが出てました
なので、ニュートンテストを応用して座位で骨盤を左右から圧迫してみました。すると、仙腸関節の痛みが再現できたんですよー!!(笑)…喜んでいるわけではないですからね!(汗)
それで、やっぱり仙腸関節が問題なんだって確信を持てたんです!!
基本となる整形外科的検査を知っておくことはもちろん大事。だけど、それだけで判断してしまうと、もしかしたら、仙腸関節の問題だったのに見逃してしまっていたかもしれませんよね?
痛みを出す事は患者さんに負担をかけてしまいますが、これをしないとどんな治療をしたらよいのかという方針を立てることも出来ません。
おそらく今回僕がうまく仙腸関節の問題を検証できたのは、ベースとなる整形外科的検査の知識があっただけではなくて、やっぱり問診でその人の痛みが出ている場面や日常生活や趣味のことまで聞いていたからだと思うんです。
この発想は悩んだり、失敗しながらも患者さんのために何とかしたい!っていう強いハートがもたらしたんじゃないかと思います!(自分で言うなって話ですが…苦笑)
是非、皆さんも自分のオリジナリティのある再現テストを作ってみてくださいね!
そんな思考が出来ると一歩抜きんでた治療家に近づくと思いますよ!一緒に頑張りましょうね!
【グッバイ!腰痛!】
そんな日がいつか来ますように
P.S.
たまには職場でメルマガ書くのもアリですね!ただ、こいつ何してんだっていう視線が痛いですが(苦笑)