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急性膝痛は腰にアプローチすべし!その② | 日本オランダ徒手療法協会

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急性膝痛は腰にアプローチすべし!その②

2019.02.15

from 黒田雄太  自宅デスクより

 

最近花粉症の気が出てきた黒田です(涙)

 

だんだん、春らしくなっていきますね!

 

春といえばいろんなスポーツが開幕しますよね。今は2月中旬。沖縄や南九州ではプロ野球のキャンプが始まってますね。

 

一度プロ野球選手がどんな練習をしているのかを見たいなぁと思っているんで機会があれば、是非キャンプにも行ってみたいですね。旅行がてらに(笑)

 

プロ野球は2月がキャンプ、3月はオープン戦がありますね。まだまだ調整段階と言いつつもオープン戦でも大迫力間違いなしです。

 

実は長崎でも3月にオープン戦がある予定なんですね。西武対広島!結構好カードです。

 

特に広島は巨人から長野選手が移籍しましたし、長崎出身でいうと今村投手や大瀬良投手など一軍で活躍している選手もいるんですね。

 

これはいい機会だと思って行こうかな?と思っているんですが、まだ予定がはっきりせずに悩んでいるんですよね。

 

試合も見たいんですけど、僕は開始前に行って練習をやっぱり見てみたんですね。

 

うーん、どうしよう…?とここ数日悩み中です。

 

僕は自分の予定がはっきりせずに行こうか悩んでいるんですけどね、治療の場面でも悩むことって結構多いですよね。

 

原因はある程度わかったけど、どの治療法を選んだら良いのか悩んでしまう。目的ははっきりしたけど、手段をどれにするのか?

 

皆さんはここに明確な根拠がありますか?

 

今回は前回の続きで階段や坂道で痛みが出ていた患者さんのお話。

 

僕がどんな思考でどの治療法を選択したのかをご紹介したいと思います。

 

神経の繋がりを上手く使う!

少し前回のおさらいです!

 

まだ炎症が残っている膝痛に対してどのようにしてアプローチしていくのか?それについて書きました。

 

炎症が残っている場合に、積極的に膝の治療をしてしまうとさらに炎症を助長してしまいます。なので、膝と同じ神経支配の腰に対してアプローチをするということをお伝えしました。

 

膝の感覚を脳に伝えるのは腰椎の3・4番目なので、腰も同じようにそのあたりの筋や関節周りは硬くなり、痛みに対しても過敏になっています。

 

なので、腰に対してモビライゼーションやマニュプレーション、リリースなどすると膝の痛みの感じにくく出来るということです。

 

実はこの患者さん膝以外にこのような事情を抱えていたんです。

 

乳がんの既往歴がありました。乳がん自体は既に完治しており、治療は終了していました。定期的な検査を年2回ほど行いながら経過観察中だったんですね。

 

乳がんの術後は肩の挙上制限などが出やすいんですよね。それで自分で肩を動かすホームワークをしていたんですが、辛い闘病生活や術後の後遺症で痛みに対してすごく過敏で体を動かすのが怖いという状態でした。

 

通常であればご紹介したような手技を使うんです。ですが、こんな状態だったので僕はこの患者さんにはこれらの手技を使わなかったんですね。正確に言えばはじめのうちは。

 

体を動かすのが怖い患者さんって臨床でもいらっしゃいますよね。特に強い痛みを経験している方はそうだと思います。

 

僕は「痛みをコントロール」するために患者さんの不安を軽減しつつ、「腰」にアプローチするという事が出来たんですね。

 

実はこんなやり方を選択したんです…

 

自分で動いてもらう!!

腰にアプローチするという目的でご紹介した手技として

 

・モビライゼーション

・マニュプレーション

・リリース

 

がありました。これら3つの手技に共通するのは他動的な治療だということです。

 

もちろん、他動的な治療は効果が高いです。ですが、この患者さんのように体を動かす事が怖いという患者さんに対して、いくらどのような治療をするのかということを事前に説明しても、全くされた事がない治療は不安が強すぎますよね。

 

そのような状態だと体に力が入ってしまい、他動的な治療の効果は低くなってしまいます。

 

一方で、僕が選択した「自分で動いてもらう」という方法

 

他動的な治療よりも効果は低いでしょう。ですが、患者さん自身が不安なく痛みのない範囲で動かす事で継続的に行ってもらえますし、少しずつやっていくうちに動く範囲が広くなっていきそれが自信につながると思ったんですね。

 

もちろんはじめは本当に動かすのが怖かったようで腰もほとんど動かせていなかったんです。わずかに動いているかなぁぐらいでしたね。

 

「もう少し大きく動かしてみて!」と言いたいところをグッと我慢して、「よく動いていますよ!その調子で頑張りましょう!」と励ましの言葉をかけながら自分で動くことの怖さを取り除いていきました。

 

実は神経のつながりで運動神経と感覚神経、自律神経の3つはお互いに影響を及ぼし合うんですね。

 

今回は痛みに対してアプローチしているので、「感覚神経」に対して刺激を入れているんですが、

 

この患者さんのように不安が強い人は「自律神経」が過剰に反応しているんです。なので、不安が強いままだと「自律神経」を介して「感覚神経」にも影響を及ぼすので、痛みが過敏なままだったかもしれません。

 

なので、このような神経系の関係性を考えても不安なく動かせることは痛みをコントロールすることにつながっているんですね。

 

今回2回に渡って急性膝痛に対してどのように痛みをコントロールするのかについてご紹介しました。

 

理論的には腰にアプローチするのかは分かっていてもそれをそのまま使っても効果が出ない患者さんもいると思います。

 

そのような場合には目の前の患者さんがどのような状態なのかを十分に考慮した治療法を選択する必要があるんじゃないかなぁと思います。

 

目の前の患者さんの状態に合わせた治療法を選択でき、かつそれをその患者さん用にアレンジできる能力は結果が出せる治療家の必須能力だと思います。

 

是非、皆さんも臨床で実際に試行錯誤してその患者さんに合った治療法を考え、選択してみてくださいね!

 

【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように

 

P.S.

次はまた腰痛メルマガに戻りまーす!乞うご期待!

 

P.P.S

未だにオープン戦悩んでいます…はやく予約しないといい席は売り切れちゃいますねー(汗)もし、行ってたらまたメルマガで報告します(笑)


この記事を書いた人

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黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。