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出世すると腰痛になっちゃう⁉︎ | 日本オランダ徒手療法協会

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出世すると腰痛になっちゃう⁉︎

2019.03.17

from 黒田雄太  自宅デスクより

 

断捨離を継続中の黒田です(笑)。今は持っていた本を減らし中です!

 

普段僕はあんまりテレビは見ないのですが、娘が生まれてからはNHKの教育番組は見るようになったんですね。

 

僕が子供の頃は「お母さんといっしょ!」っていう番組がよくあっていましたね。

 

歌のお兄さんやお姉さん、体操のお兄さんが出てきて歌を歌ったりする番組ですね!

 

今の番組でもそのような名残はあるんですが、つい先日衝撃的なアニメを見てしまったんです。

 

それは…

 

“おしりたんてい”という番組

 

タイトル通り顔がお尻の形をしている凄腕探偵が依頼を受けた事件を次々に解決していくという中々奇抜なアニメでした(苦笑)

 

見ていると普通に面白いんですよ!

 

そして最後には「失礼こかせていただきます!」と言って顔からオナラ?のようなものを出し退治するというエンディングです(笑)

 

子供がハマってしまうようなアニメですよね。案の定僕の娘も「おしり!おしり!おしり!」と歌いながらお尻をフリフリして踊っています(笑)

 

その”おしりたんてい”は毎週土曜の朝9時からあっているんですが、ある土曜の朝にこんな連絡が入ったんです。それはある知人からの患者さんの相談でした。

 

そこにはこんな感じの事が書かれていたんです。

 

配送業の腰痛

この方は僕が担当していたわけでなく、相談を受けた患者さんなんです。

 

配送業をしている男性で症状は腰痛というよりも下肢痛。

 

右臀部や大腿外側部にしびれや痛みがあるとのこと。また本人は自覚していなかったらしいですが、筋力テストをしてみると長母趾伸筋には筋力低下があったとのこと。

 

自分が患者さんに直接問診するわけではないので、情報不足は否めないのですが限られた情報の中から仮説を立てていきます。

 

ここまでの情報で考えられるのは、腰痛よりも下肢痛が強く、筋力低下も起こっているので「神経根症状」の疑いが強いということ。

 

また、長母趾伸筋は腰椎5番目が主に支配しているので、神経根症状の場合L5の神経根症状が考えられるかなぁと思いました。

 

ただし、筋力低下は検査する側の主観に結構左右されることが多いんです。明らかに力が入っていない様な筋力低下もあれば、力は入るけどわずかに左右差がある…など判断にばらつきがあります。

 

なので、もし力入っているけどわずかに左右差がある程度の筋力低下だった場合にはちょっと「神経根症状」は薄れてしまうんですね。

 

そこで、そのような場合のためにもう1つ僕は仮説を立てたんです。

 

それは「仙腸関節の関連痛」痛みの領域が臀部と大腿外側部。その領域はデルマトームで腰椎5番目や仙椎1番目。

 

仙腸関節も同じ腰椎5番目や仙椎1番目の神経支配なので、痛みの部位から原因を考えてみたんです。

 

このように僕は痛みの部位や筋力低下から

 

①L5の神経根症状

 

②仙腸関節の関連痛

 

という2つの仮説を立てたんです!

 

そして、次に経過を確認すると特にきっかけはなくだんだん痛みが出てきたとのこと。さらに痛みが出てから既に半年以上経っていました。

 

既に慢性化していたんですね。なので次に僕が考えたことは何が治りを悪くしているのか?という要因です。

 

この方は配送業をしていて、仕事中に下肢痛が出ていたので仕事の事について確認しました。確かに重たい荷物の乗り入れなどを多くするみたいなので腰への負担はかかりそうですよね。

 

ただ、このような作業はずっとやっているので、痛みの原因とはちょっと違う?…そう思いました。

 

そこで痛みが出始めた前後で何か変わったことはなかったかと聞いてみたところ、相談者は気に留めていなかったのですが、僕にとってはピンとくる要因があったんです!!

 

実はこれが治りを悪くしていた主な要因だったのですが、とても意外なものだったんです。

 

出世がストレスになってしまった!!

この患者さん実は下肢痛が出てくる2ヶ月前に『出世』して管理者になっていたんですね。

 

相談者は『出世』は良い事だと思っていたので、あまり気に留めていなかったようですが、実はこの一見良いと思われることがその患者さんにとってはストレスになっていたんです。

 

『出世』のような良い出来事も人によっては活力になり、ある人にとってはプレッシャーとなり…と人によって受け止め方が全く違ってくるんですね。

 

そもそもストレスというのは本来「自然な自分の状態から外れた状況」のことを全てストレスと呼ぶんですね。

 

ちょっとここで皆さんに紹介したいものがあります。

 

それはストレスを客観的に評価出来る「ライフイベントストレスチェック」というものです。検索してもらったらすぐに出てくると思います!

 

この「ライフイベントストレスチェック」には数多くの項目があるんですが、一見良いとされている

 

・出世や昇給

 

・結婚

 

・妊娠や出産

 

などもストレスとして項目に入っているんですね。

 

この「ライフイベントストレスチェック」は簡単にストレスの要因をチェックできるので是非試してみて下さい。

 

今回僕が相談を受けた下肢痛の患者さんは『出世』したことがストレスとなり、それが治りを悪くする要因となっていました。

 

ストレスは自律神経に影響を及ぼすので、血流が悪くなり痛み物質などが滞りやすくなりますよね。それが痛みを長引かせていたんですね。

 

相談者は「まさかそれが⁉︎︎」思ったようなのですが、ストレスにも色んな要素があることがわかってもらえたのでよかったと思います。

 

これでまた1人腰痛患者さんが良くなる手助けができたと思いとても嬉しくなりました!

 

腰痛は体の変化だけでなく、心の変化にも反応してくることが多いので是非皆さんも様々な視点から患者さんの治療をしてみてくださいね!

 

【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように

 

P.S

この下肢痛の患者さん、よくよく聞いてみると『出世』がストレスになっただけでなく、繁忙期で身体的な負担もかかっていたようです。『出世』というストレスにより自律神経が反応し、血液循環が滞っていたところに身体的な負担が増えてしまった…。一つの要因だけでなく、複数の要因が重なることが痛みの原因となるんだなぁと改めて勉強になりました。

 

P.P.S

娘は最近おしりたんていも好きみたいですが、まだアンパンマンの方が優っているようです(笑)

 


この記事を書いた人

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黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。