しびれって何故でるの??その1 | 日本オランダ徒手療法協会

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しびれって何故でるの??その1

2018.09.20

from 黒田雄太 長崎の自宅デスクより

 

最近本が読めるようになって

本ばかり読んでいる黒田です(笑)

 

といっても、テレビも少しは見ます

 

以前テレビで

こんなことを言っていました

 

「結婚してから太った男は、将来男性機能が衰える⁈」

 

ホンマでっか!(笑)

 

とツッコミたくなりましたよ!

 

若干その気がある僕(太ったのほうです涙)は他人事だと思えません

 

と同時に

なんで???

頭の中はクエスチョンマーク

 

その後の解説で食べ過ぎて太ると糖尿病になる危険性が高く

その合併症として男性機能の衰えが出る可能性がある

 

ということでした

 

そういうことね!

 

医学的根拠があるのはわかりませんが

なんとなく納得できました

 

でも

テレビってこういうこと多いですよね

 

「〇〇だと、△△になる!」

 

みたいな

根拠をすっ飛ばしたような言い方

 

インパクトが大きい分、それだけを鵜呑みにしてしまうのはかなり危ないですよね

、、、

 

先ほどの

ホンマでっか?(笑)のような話

 

実は病院の中でも日常的に行われています

 

患者「先生、わたし足がしびれるんです。原因は何ですか?」

 

医者「それはですね。坐骨神経痛だからですよ。坐骨神経痛だからしびれるんです」

 

患者「坐骨神経痛だからですか…」

 

みたいな

「坐骨神経痛」だから「しびれる」???

何か大事な部分を飛ばしていませんか?

 

そう

「しびれが出るメカニズム」が説明の中にないのです

 

今回はその根拠となる大事な部分をご紹介します!

 

キーワードは酸素と栄養

皆さん

解剖学の教科書で神経の断面図を見たことはありますか?

 

学生時代は見たけど臨床に出てからは見てないなぁ…

 

というそんなあなた、是非見てみてください!

 

見ましたか?

 

よく見てみると神経の断面の中に動脈や静脈がありませんか?

 

つまり

神経は血流が豊富な組織なのです

 

筋肉などの軟部組織は血流によって

細胞に酸素や栄養を運びますよね!

 

神経に血流があるというのは

あまりイメージすることがないですが

 

他の軟部組織と同じように

神経も酸素や栄養が不足すると

短くなったり、硬くなったり、くっついたり…

 

そんな事が起こるんです

 

坐骨神経痛の原因として

梨状筋の圧迫による梨状筋症候群

つまり絞扼性神経障害があります

 

絞扼性神経障害によりしびれが出るのは

 

神経の圧迫により

神経自体の酸素や栄養が不足してしまっている

 

ということになります

ここで

絞扼性神経障害と同様にしびれが出現する

椎間板ヘルニア

 

これはどのようなメカニズムで

しびれが起きているのでしょうか?

 

もうここまで読んでいただいた皆さんなら

分かるはずです!

 

椎間板ヘルニアは

飛び出した椎間板が神経根を圧迫するという病態です

 

ということは圧迫された神経根は

酸素や栄養が不足する…

 

つまり、しびれが出現する!

 

ということになります

 

末梢神経で圧迫が生じれば

絞扼性神経障害といい

しびれは末梢神経支配領域に出現します

 

神経根で圧迫が生じれば

椎間板ヘルニアといい

しびれは髄節支配領域に出現します

 

・どこで圧迫されて

・どこにしびれが出現するか

 

というのが違うだけで

基本的には同じメカニズムなんですよ!

 

ここで1つ

しびれに関する臨床あるあるを(笑)

 

しびれのある部位を直接リリースしたり

マッサージする事で

 

一時的にしびれが軽くなることってないですか?

 

僕は結構ありましたね!

 

よっしゃ!これでしびれ解決!!

 

みたいに思ったのは束の間

すぐにしびれは戻ってきました(汗)

 

皆さんもこんな経験ありませんか?

 

やっぱりテクニックって

すごく魅力的だし、効果は高いですよね

 

でも今回ご紹介した

しびれが出るメカニズムのような

「理論」をしっかりと押さえておかないと

 

根本的な解決にはならないんですよね

 

「理論」ありきで

それに合うテクニックを選択する

 

そうあるべきだと僕は思います

 

今回は臨床で悩むことが多い

しびれについてご紹介しました

 

痛みと違いしびれは

 

どう治療したらいいのか…

 

そう思われている治療家が多いと思います

 

しかし

組織の解剖学と病態に関する知識がさえあれば

対応できることも増えるのではないでしょうか?

 

しびれと聞いて

敬遠せずに

 

自信をもって、

神経に対しても治療ができる治療家が増えたらいいなぁと思います

 

そうなれば

救われる患者さんがたくさんいることでしょう!

 

次回も今回に引き続きしびれに関することを

ご紹介したいと思います!

 

P.S.

テレビで言っていることって全部を鵜呑みには出来ないですよね

でも…ダイエットはしとこうかな(笑)


この記事を書いた人

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黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。