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公開します!猫背で腰痛になる理由
2019.01.10from 黒田雄太 自宅デスクより
クリスマスにケーキを合計5個食べた黒田です(笑)
テーテッテ〜、テーテテ♪
「お疲れ様でーす」
これ2週に1回夜10時頃のルーティンなんです!これだけじゃ訳がわからないですよね(苦笑)
何かというとこれ「Skype」です!皆さん「Skype」って知ってますか?
テレビ電話みたいなものなんですけど、無料で通話できるアプリなんです。ここ2年で頻繁に使うようになりました。
やっぱり「Skype」の最大のメリットは日本各地どこにいてもこのアプリを使えば会話が出来ることですね。それに1対1の会話だけじゃなくて、大人数で出来るのもいいですよ〜!
この「Skype」で2週に1回夜な夜な何をしているのかと言うと、勉強会をしているんです!
僕は今オランダ徒手の徒手コースを受講しているんですけど、来年の2月に修了試験があるんです。それに向けてスクールの仲間たちと一緒にワイワイと勉強会をしています。
この徒手コースでは主に運動療法(トレーニング)について学ぶんですけど、今まで自分が運動療法だと思っていたものとかなり違うし、トップスポーツの競技を例にしながら勉強していくから難しい…
毎回授業中は頭から煙がモクモクとあがってきます(苦笑)それだけ大変なんですね。授業もだけど、試験も(涙)
それでみんなで試験に合格するために勉強会をしています。事前に課題をそれぞれやってきて、それを持ち寄りディスカッションする感じです。
勉強会をしていると自分が考えてもみなかったような事を他の人は考えたりしているですね。
ほ~、そんな見方もあるのか~!
毎回新たな気づきがあります。
1人よりも2人、2人よりも3人…とたくさんの人が居れば居るほどいろんなアイデアや思考に触れることができますね。
1人で考えることも大事ですけど、考えすぎて時間がかかるよりは誰かに聞いて早く解決できる方が良いことも多いと思います。
1つの視点だけで何か物事を考えるのは拡がりが少なかったり、視野が狭くなっている事ってよくありますよね。
そこで、今回は同じ徒手療法でも他の流派ではあまり教えられることがないオランダ徒手ならではの“ある”視点について皆さんにご紹介したいと思います。
このメルマガを見た人はラッキーですよ!!腰痛はもちろん、特に今回の話だと膝や足首に問題を抱える患者さんについてもヒントになること間違いなしです!
*注意!長文ですが最後までご覧ください(苦笑)
猫背=腰痛になりやすい?
皆さんはどう思いますか?YES? or NO? どっち!!(笑)
確かにあり得る話だと思います。ただ、猫背の人全員が腰痛になるわけではありません。
では、猫背があったとしてどのようなメカニズムで腰痛が出るのでしょうか?とりあえず猫背だから姿勢を良くしましょう!…なんてことはNGです(苦笑)
今回は例えばで腰椎を伸展した際に痛みが出る「椎間関節性腰痛」で考えてみます。
この「椎間関節性腰痛」は
腰椎を伸展することで椎間関節が圧迫ストレスを受ける
→圧迫ストレスによって椎間関節の軟骨が薄くなる
→軟骨が薄くなることで、痛み受容器が多い軟骨下の骨膜が痛みを感知する
このようなメカニズムで痛みが出ます。
次は本題の猫背と「椎間関節性腰痛」の関連性を考えていきましょう!
猫背といっても、胸椎のどこが後弯しているのかで腰痛への影響度は変わってきそうですよね。腰椎から遠い上位の胸椎よりは、腰椎に近い胸腰椎移行部が後弯している方が腰痛が出そうな感じです。
そして、このような猫背で後弯している部分は関節自体が硬くなり、動きが悪い!
この「動きが悪い!」というのはかなり大事なポイントです。このポイントが条件として加わった時に先程の「椎間関節性腰痛」は次のようなメカニズムになるんです。
猫背で胸椎の動きが悪い
→脊柱を伸展すると胸椎部では伸展が出ない
→胸椎の伸展不足を補うように、腰椎が余計に伸展せざるおえない
→腰椎の椎間関節への圧迫ストレスが増大する
→圧迫ストレスによって椎間関節の軟骨が薄くなる
→軟骨が薄くなることで、痛み受容器が多い軟骨下の骨膜が痛みを感知する
いかがでしょうか?このようなメカニズムで猫背と腰痛は関連しあっているんですよ!今回は腰椎を伸展した時の腰痛で例えましたが、別の屈曲や回旋で痛みが出ていたとしても考え方は同じです。
要するに胸椎の動きが少ない分を腰椎が余計に動いてしまうという事です。
といったところで、今回のメルマガは終わり!…なんてことはしませんよ(笑)
皆さんここまででもうお腹いっぱいと思っているかもしれませんが、今回はまだまだ行きます(苦笑)
オランダ徒手はここまで考えるのか!という真骨頂をお見せします!
では、そもそもなぜ猫背になるのか?これを考えなければ根本解決にはなりません。おそらくほとんどの治療家は次のように考えるでしょう。
・仕事でデスクワークをしている(長時間の不動)
・コアが弱い
・運動不足で体を動かさない
もちろん、これも間違いではありません。ただ、ちょっとありふれた感じですよね…。このような原因がない患者さんが来たらどうしましょうか?僕はこんな患者さんを経験したんですね。
情報は次のような感じです。
・30代の女性で営業職
・体を反ると腰痛が出る
・胸腰椎移行部が後弯し硬さがある
胸椎の硬さと腰痛との関連は先程紹介したメカニズムと同じでした。なので、次に胸椎が硬くなる原因を考えたんですね。
でも…この方営業職で歩き回っていてデスクワークでもないし、運動不足でもないんです。腰痛なのでちょっとコアは弱いですが。
いやー、困ったもんだ!
心の中で僕は思いましたよ(苦笑)だって、胸椎が硬くなるような原因が見当たらないんですから!
ただですね…次のことを聞いた後に一気に胸椎が硬くなる理由がわかったんですね。
それは、「既往歴」なんです。
実は膝の手術の「既往歴」があったんですね。それも2年前ぐらいに。その後「膝の前面」に痛みは残ったままでした。
ここでなぜ僕が「既往歴」を聞いたことによって胸椎の可動性の低下の原因がわかったかというと、「神経生理学」の理論を使って考察したからなんです!
オランダ徒手最大の特徴:神経生理学!
神経生理学では次の3つの神経のことを考えます。
・感覚神経
・運動神経
・自律神経
そして、これら3つの神経はお互いに関連している。
なので、どこかが影響を受けると他の2つの神経にも影響が及ぶ…
今回は膝の前面に痛みを長期間持っているのでまず感覚神経には常に刺激が入ったままです。そんな状態であれば他の運動神経と自律神経にも影響を及んでいるはずです。
膝前面の感覚神経はデルマトーム(皮膚の感覚神経支配)ではL3で、スクレロトーム(骨膜の感覚神経支配)でもL3となります。
なので、先程のように感覚神経、運動神経、自律神経は相互の関連しあっているという理論からいくと、
・L3の運動神経と自律神経が影響を受ける
そう思いますよね?
実はここが違うんです!L3の運動神経が影響を受けるのは正解なのですが、自律神経はTh12なんです⁉︎
なんだって⁉︎なんでL3 じゃないんだーと思われた方も多いと思います。これは脊髄の発生学的な関係からなんです。
なので、L3の自律神経はTh12!そう覚えて下さい!これは暗記です(笑)
このように運動/感覚神経と自律神経は少しずれたところから出てくるんですね。
これってかなり複雑ですよね(苦笑)僕もこの神経生理理論を臨床で使いこなせるにはかなり時間がかかりました(汗)
このような理論をもとに胸椎の硬さと腰痛の関係性に戻しましょう。
既往歴の膝の前面部痛によってL3の感覚神経には常に刺激が入っていた
→神経生理学の運動ー感覚ー自律神経は相互に関連している
→L3の運動神経と、L3領域の自律神経であるTh12が影響を受ける
→その結果Th12自体も硬くなってしまう
以上のような流れで、膝の既往歴と胸椎の硬さが繋がるんですね〜!
納得したのは僕だけ⁉︎少々わかりにくい文面ですみません(涙)
ただし、オランダ徒手では神経生理学だけを使ってもこれだけ拘って仮説を立てているんです!実は神経生理学も本当はまだまだ深みが増すんですが…(苦笑)
今回はいつもの僕のメルマガと違ってかなり理論的な部分を入れた内容となりました。
皆さんがあまり持っていない視点を紹介したかったのですが、全く触れた事がない理論を説明するにはこれだけの理論の量が必要だったんです。
患者さんが治らない理由を考えるときにこんな世界もあるんだなぁ〜という程度の理解でも今回は構わないと思っています。
ただ、目の前の患者さんが治らない時に今までに触れた事がない理論があるということは、その患者さんが治る伸びしろはまだまだあるということです。
決して諦めずに患者様と向き合ってください。
これからも皆さんの臨床に役立つメルマガを配信していきますね〜!
【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように
P.S.
修了試験まで残り1か月ちょっと…ラストスパートで頑張ろう!また2週後の夜10時ごろに「Skype」の音が響き渡る(笑)