褒めたら捻挫が治った | 日本オランダ徒手療法協会

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褒めたら捻挫が治った

2019.04.29

from 杉山貴規 広尾オフィス

 

店員「お久しぶり〜です〜、お元気ですか?」

 

杉山「すみません。サボってなかなかお店に来られなくて。」

 

店員「いえいえ、そんなことないですよ。

それより杉山さん、痩せました???」

 

(え〜〜〜〜)

 

自分は洋服が昔から好きで、古着からハイブランドの洋服まで見に行くことがある。

 

大学時代からずっとで。

 

趣味みたいなものなんだ。

 

しかし、最近時間がなく、洋服屋に行くことができないでいた。

 

そんなことで、ストレスが溜まって。

 

ついに先日、思い切って洋服屋に行った。

 

洋服屋といっても一件ではなく、10件以上回るから、顔の味見の店員が多い。

 

そして、行く先々で久しぶり〜から始まり痩せたでしょう。と言われる。

 

おせいじなのか?

 

それとも、

洋服を買ってもらうための戦略なのか。

 

まー、それが後者にしても

 

この言葉を言われるのはデレデレして悪い気はしない。

 

褒められるってこと自身悪い気はしませんよね。

 

年齢のこと、容姿のこと、学歴のこと、リハビリ技術のこと、などの、、、

 

しかも、褒められた後って何か不思議な自信が身について、うまく行くことが多くなったりしませんか?

 

自分はそういう経験多くしています。

今回はその、褒めてことで患者さんの経過が早くなったことを紹介します。

 

痛みが全然治らない捻挫

私のところに、捻挫の患者さんが来たんです。

 

3年前から足関節が痛くて、スポーツをしても、歩いても常に痛みがあるということなんです。

 

きっかけは、バスケットの試合で足をひねって受傷

 

接触プレーではなくて、ドリブルをしていて急に捻ったらしい

 

病院に受診しレントゲンでは骨折はなく、MRIの所見では前距腓靭帯損傷だった。

 

それから数年経った今でも、痛みがあって、今回自分が見ることになったんだ。

 

足部の状態は炎症症状はなく(腫れや浮腫や機能障害はない)、ただ足全体に痛みと冷感がある。

 

今でも、週に1回のペースで2時間ほどバスケットを楽しんでいる。

 

その際、必ずテーピングは巻いている。

 

患者さん「すぎさん、この痛みってどうにかなりませんかね?」

杉山「う〜ん。話を聞いてみないとわからないかな。」

杉山「3年間も痛みがあって、その間はどこかでみてもらうことはしなかったの?」

患者さん「みてもらいましたよ。でも、どんどんかよくところを変えました。」

杉山「なんで?」

患者さん「いや〜、どこにいってもそれじゃ治らないよとか、自分が悪いとか、結局自分がいけないみたいになって、その都度診てもらうところを変えたんです。」

 

人の話を受け入れない患者

それって、診てもらったところが悪いんだろ?

 

って思ったんです。

 

だから自信を持って、「大丈夫、どうにかするよ」っていったんです。

 

それで、問診から初めてこんな仮説を立てたんです。

 

長期にわたる痛みで局所の循環が悪くなり、関連痛として足部全体に痛みが出現することになる。つまり、局所循環をよくすることで、痛みの改善がはかれると考えた。また、痛みがあってもテーピングを巻きながらバスケットを続けていることで、前距腓靱帯の強度が下がり、しっかりとしていない状態でバスケットを始める。そのことが影響で繰り返しの捻挫が続いている。つまり、オーバーワークも原因になっている可能性がある。

 

だから、プログラムとしては

  • マニュピレーション(L5−S1、足部)
  • モビライゼーション
  • リリース
  • 温熱療法
  • 筋力訓練
  • 動作トレーニング(バスケットに関わる)

 

それと、バスケットのいく機会を1か月に2回程度して欲しいと話したんだ。そうすれば、2ヶ月くらいでよくなるんじゃないって話したんだよね。

 

施術後かなり、患部の痛みが良くなって、本人は喜んでくれたし、その約束もそんでくれた。

 

治るはずの2ヶ月後

 

実際は何も良くならなかったんだ。

 

なんでだろう?と思いもう一度問診はした。

 

するとあることを約束を破ってやっていたんだ。

 

それは、治療期間中もバスケットを週3回にしてやっていたんだ。

 

それで、自分はそのことに関して、本人に厳しく話したんだよね。

 

本人に、きつい言い方でバスケットを中止するように促した。

このままでは、一生かかっても治らないとか、このままだと階段昇降やスポーツするときに捻挫ではなくて、脱臼骨折になるかもしれないよって話したんだ。

 

本人もこのことに納得し、バスケットを中止するってことになった。

 

しかし、ここから大変なことが起こる。

 

今まで、即時的に取れいた痛みですら全くといっていいほど取れなくなった。

 

それどころか、痛みが強くなってしまったんだ。

 

なんでだろう???

 

なぜだ??

 

それであることを思い出した。

このから、3年間もの間病院巡りをして、その都度厳しい言葉を投げられ、気持ちが落ちていたんだよね。

 

もうしかしたら、注意すること、ネガティブな言葉を言うこと自体がこの人の治癒を阻害している可能性があるかもしれない。

褒めることそれが最大の効果

それから、治療方針は変えずに、言葉の内容を変えていったんだ。

 

バスケットを続けていることに関しては、無視をしてみた。

 

そして、痛みのある中でバスケを続けていることを褒めたんだ。しかもテーピングをしてケアしながら注意してやっていることなど。

 

とにかく、否定をしないで褒めることにした。

 

それから、実はテーピングしないとこんないい効果があるとか、

スポーツは体も休める必要があって、それをすることで肉体的にも技術的にも向上することがあるとか、

 

文献的な話、最新の情報などこの患者さんに与えながら、

 

うまく、うまく、運動負荷の調節をしていったんだよね。

 

するとどうだろう?

 

どんどん痛みが減っていったんだよね。

 

今では、3年間も痛みがあった捻挫はなくなり、楽しく趣味のバスケットを続けている。

 

決して否定しないで、肯定しつつ、褒めることを続けることでストレスが軽減し、自律神経の馴化が良くなり、結果足部の痛みがなくなったって話なんだ。

 

どうしても、治らない原因が患者さんにあった場合って、その行動を止めようとしたり、脅迫めいたことを言いがち。確かにそれによって、その行動をやめて治ることが多い。でも、今回のケースみたいに逆効果な場合もある。

 

ケースバイケースなんだろうけど、こんな人がもしあなたの近くにいたら、褒めてあげるようなことすることが痛みや症状の緩和につながるかもしれないですよ。

 

PS

10数件店に回って、褒められたもんだから数件のお店で気持ちよく買い物しちゃいました(笑)

それとも、お店の戦略にまんまとはまったか(笑)