blog
坐骨神経痛が30秒で治らないワケ
2019.09.09from 杉山貴規 広尾オフィス
『運休』
始発から8時頃まで運休
昨日の台風で在来線、私鉄ともに朝の運休が相次いでいたんです。
自分も仕事があって、とにかく急いで行かないとって思ったんで、8時前後に最寄りの駅に行ったんです。
行ったのは良かったんですけど、もう改札の前から人が溢れかえっていて、前にも進めない状態。
だから近くの某ハンバーガー屋さんや喫茶店などで待つことにしようとしたんですが、そこも入れない状態。
仕方なく、外で待ちぼうけ状態だったんですが、
8時になっても、電光掲示板は『運休』の文字
多くの人たちが携帯電話で情報を拾いつつ、駅の係委員に情報を得るんですけど、復旧のめどが立たない状態
ネット上やSNSでは、運休、運休、、、
「あそこの路線は動いている」
「バスの方が早い、タクシーの方が早い」
ってな感じで
いろいろな情報が錯綜。。。
それに、惑わされる人たちも多く、タクシー乗り場には見たことのない状態の長い行列
バスはギュウギュウ状態
結局今日は会社に連絡して、自宅で仕事をすることになったんです。
何かにつけて、インターネットの情報にかき乱される結果になったんですけど、
こういうことって、リハビリの場面やスポーツ場面でも多く見られるんです。
今は、誰もが痛くなった時の対処方法を探せる時代になって、専門機関に行かなくても動画を手本にセルフケアっていう形で行うようになりましたよね。
自分が帯同しているチームにも同様にネットから情報を獲得してセルフケアをしているんです。
しかも、その内容は30秒簡単痛み撃退みたいなものばかり
もちろん、選手は無知ですから、そのうたい文句を鵜呑みにするわけで、
原因を知らず、治らないセルフケアをしていた選手に関して紹介したいと思います。
治らない坐骨神経痛動画
坐骨神経痛ってあるじゃないですか。
これ結構、患者さんの訴えがある疾患で、自分もよく見るんですけど。
特にスポーツ選手でもよく見ます。
そんなわけで、先日サッカー選手で臀部から大腿部まで重くて痛いっていう選手が来たんです。
その選手、痛くなってだいぶ経つんですけど、
ただ単にこの痛みを放って置いたわけじゃなくて、自分なりにアプローチをしていたんです。
某動画サイトにそのやり方がたくさんあって、その中でも簡単にできる方法を見つけてやっていたらしいんです。
どうやっていたか、硬めのゴルフボールやテニスボールを使って痛いポイントをグリグリしながらやっていたんです。
瞬間的にはいい感じで、痛気持ちよくて嫌な痛みも改善できるらしいんですけど、すぐに嫌な痛みが出て来てしまうらしい。
どこの場所をグリグリしていたかと聞くと、
お尻の部分と太ももの外側
詳しくいうと梨状筋と大腿筋膜張筋
場所的にはグッドな場所をセルフケアという形でやっていたんです。
しかし、一向に良くならない。
自分としては専門家に施術してもらったほうがいい結果になりますよね。
だから、自分も同じところの箇所をリリース、ストレッチや反復性収縮を使って手技を行うんです。
すると、かなりいい感じで、嫌な痛みや張りが取れるんです。
しかし、数日後その痛みや張りが元通りになっているんです。
選手に聞くと、自分に施術してもっらた後にも、セルフケアを続けていたようなんですが、また元通りになったらしいんです。
失敗!って思うじゃないですか、でも実はこれはこれで自分の中ではいい収穫だったんですよね。
少し、気になった点が実はあって、
それは、選手が言った一言
「・・・臀部から大腿部まで重くて痛い。」
この『重くて』このワードがものすごく気になっていたんです。
痛いっていうのと
広範囲にかけて重くて痛いっていうのはだいぶ違うんです。
つまりこの痛み、ピンポイントの鋭い痛みではなくて、鈍痛ってことがわかるんです。
だから、こちらが施術して、選手自身がセルフケアをしてもよく習いのは当然なんです。
なぜか?
本当は腰が原因
それはこの痛みの正体が腰部から来ている関連痛と梨状筋と大腿筋膜張筋の末梢神経支配が関連しているってことが分かったからなんです。
つまり、いくら梨状筋や大腿筋膜張筋を施術したり、セルフで緩めたりしても即時的な効果しか得られないんです。
それでそれぞれの末梢神経支配は以下の通り
梨状筋はL5〜S2、大腿筋膜張筋はL4〜L5
しかも長期に渡っていることから、その部分の循環不全や栄養不足で筋肉が硬結しているので自律神経も考える必要がある。
それぞれの自律神経支配は
梨状筋がL2〜L4、大腿筋膜張筋がL1〜L2
だから、腰部に対してまずはアプローチしたんです。
周りの筋肉の硬さや脊柱の可動性をだし、大元の循環を良くしたんです。
すると、痛みのあった梨状筋や大腿筋膜張筋の緩みが出て来たんです。
そこから、痛みのあった箇所に関して直接アプローチをする。
こうすることで、その選手の訴えが消えていったんです。
だから、この選手のセルフケアの方法はまずは腰可動性を出す練習、それと腰にゴルフボールを当ててセルフケアをするように指示したんです。
結果は、良好。。。
選手もセルフケアのポイントを改めて専門家に聞くことの大切さを知ったようで、何かあるたびにまずは自分のところに来て原因となるところを聞くようになっていったんです。
確かに、情報化の時代で様々なテクニックやセルフケアを簡単に手に入れられるようになりましたが、その情報が自分に適切なものかどうかまでは載っていません。
専門職の私たちも簡単に情報を得られる時代だからこそ、その取捨選択というものには慎重になりたいものです。
PS
結局、電車が動き始めたのはお昼前。。。(笑笑)
特別セミナー【科学的根拠と実践に基づく“腰痛治療2019”】開催中!
各セミナー先着10名さまのみに限り「無料!」
■日 程■
9月15日(日)
【Webセミナー】8~11時
【Webセミナー】19~22時
9月21日(土)
【Webセミナー】8~11時
【Webセミナー】19~22時
9月29日(日)
【東 京】:Salon de Toshin(東京駅)
■講 師■ 土屋 潤二、橘田幸博、長島将太
「腰痛」について、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、坐骨神経痛、ぎっくり腰、変形性脊椎症…正直、症状別にアプローチを変えていないセラピストの皆さん!安心してください!多くのセラピストの方が悩んでいます! そしてみんな、そもそも“治りにくい患者さんの見分け方を知らない”からアプローチを変えられないだけだったのです。さまざまなアプローチによる治療効果のエビデンスを紹介するなど最新の知見も含め、ひととおり総復習できる絶好のチャンスです!!