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そのしびれ本当に脊柱管狭窄症? | 日本オランダ徒手療法協会

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そのしびれ本当に脊柱管狭窄症?

2019.10.01

from 黒田雄太  停車したJR内より(苦笑)

 

9月23日(月)朝10:00。

 

僕が居るのは佐賀駅に停車したJRの中。

 

前日はスクール講師活動があったので、福岡にいました。そんな時に九州に台風が直撃したんです。

 

最近は台風が酷くなるまえから計画運休になったりしますよね(汗)

 

今回の台風も同様でJR、高速バスと長崎に帰る公共交通機関が次々と運休になり福岡での一泊が早々と決定(涙)

 

運よく安いカプセルホテルが空いていたので、そこに宿泊。

 

翌朝、始発のJRに乗ったものの、途中の佐賀駅に到着した時。

 

「佐賀駅より先で停電しているため、一時佐賀駅に停車します」とアナウンスが。

 

一時停車してすでに3時間(汗)

 

いつまで停車することやらということで、周りの雰囲気はピリピリ。

 

しびれを凝らして別ルートで帰ろうと試みようとする人や、駅員に怒りの矛先を向けている人…。

 

この話、特にブログの本編と全然繋がらないんですけど、面白い滅多に遭遇しない場面だったので書いてみたというわけです(苦笑)

 

あえて繋げるとしたら、「しびれを凝らして」の部分ぐらいです!
 

 

ということでいつものようにブログスタートします!今回は「しびれ」のはなしです(笑)

 

歩けないほどの腰痛としびれ

 

立った途端にしびれが足に走る。

 

今回はそんな症状の方です。70代の男性でMRIの結果、腰部脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアの診断を受けたそうなんです。レベル的にはL4/5でした。

 

その他にもこんな症状がありました。

 

・足のしびれは大腿〜下腿の外側や足底

・体幹を伸展すると腰が痛い

・座った姿勢は足のしびれも腰痛もなし

・立った途端にしびれがきて、1〜2分で立っていられない

・せいぜい歩けるのは40〜50m

 

この症状からいくと、やっぱり脊柱管狭窄症みたいな感じですよね?

 

なので、脊柱管狭窄症が原因ではないかと疑いながら、体の状態をチェックしてみたんです。

 

すると、

 

・脊柱で硬いのはL5やS1

・感覚の問題もなし

・SLRテストも陰性で、坐骨神経の柔軟性低下もなし

 

このような結果から僕はこのしびれの原因は脊柱管狭窄症ではないと思ったんです。

 

結論から言うと「仙腸関節の関連痛」だと判断したんです。

 

なぜ、脊柱管狭窄症と全く同じような症状にも関わらず「仙腸関節」の問題だと判断したと思いますか?

 

僕がそう判断したのはある理由があったからなんです。

 

しびれの原因が神経ではない理由

 

実は体の状態のチェックで筋力検査も行なっていました。

 

検査の結果はこんな感じです。

 

L4:前脛骨筋 左右差なし

 

L5:中臀筋 右の筋力低下あり / 長母趾伸筋 左右差なし

 

S1:大臀筋 右の筋力低下あり / 長母趾屈筋 左右差なし

 

この結果から僕はしびれは神経の問題ではないと判断したんです。

 

筋力検査の結果をみるとL5領域の中臀筋やS1領域の大臀筋は筋力低下は起こっていますよね?

 

でも、注目すべきは足趾周りの筋力低下が起こっていないという点です。

 

脊柱管狭窄症というのは、脊柱管が狭くなってその中を通る神経が圧迫されるという疾患です。

 

なので、圧迫された神経の循環が悪くなってしびれや筋力低下、感覚異常などの神経の機能低下が起こっていきます。

 

脊柱管狭窄症のように脊柱管で神経が圧迫された場合、神経の機能が低下し始めるのは足趾などの遠位からになります。

 

なぜかというと長い神経はそれだけ多くの酸素や栄養が必要なので、ある部位で圧迫されるとそれだけ早く酸素や栄養が不足してしまい、神経の機能が早く落ちていくんです。

 

そのように考えると今回の筋力検査の結果には違和感があります。

 

圧迫されているであろう脊柱管に近い股関節周囲の筋に筋力低下が生じ、逆に脊柱管から遠い足趾周囲の筋は筋力が左右差なしとなっているんです。

 

神経が問題であれば、足趾周りの筋肉は筋力低下があり、股関節周りの筋肉は左右差がないか、若干の筋力低下があるという結果になるはずです。

 

なので、僕は今回のしびれは脊柱管狭窄症ではなく、仙腸関節の問題だと判断したんです。

 

、、、

 

しびれの治療は難しいと思っている治療家は多いと思います。

 

どんな治療法がよいのか多くの治療家が探し求めているでしょう。

 

ですが、治療法ではなくまずしびれの病態がなんなのかをしっかりと把握することが必要ですよね?

 

今回のケースで僕は問診で情報を集めて、仮説を立てるというプロセスがいかに大事なのかということを改めて学びました。

 

【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように

 

P.S

この患者さん仙腸関節の関連痛ということで治療を開始しています。ですが、仙腸関節の硬さが強くまだまだ解消にまでは至っていません。また機会があればこの治療の結果についてもメルマガにしてみようと思います。

 

P.P.S

佐賀駅には12:30まで停車していました(汗)

結局、朝の6時に博多駅を出て、長崎についたのはなんと14:00でした…(苦笑)


この記事を書いた人

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黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。