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手の痺れは〇〇を見逃すな! | 日本オランダ徒手療法協会

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手の痺れは〇〇を見逃すな!

2019.04.15

from 黒田雄太  自宅デスクより

 

最近平成最後のメルマガは何にしようか考えている黒田です(笑)

 

この「平成最後」という言葉、流行語大賞になるんじゃないですかね??

 

今日は3月末、娘の保育園も年度変わりの準備のためにお休みです。

 

常に一緒にいるとあまり気づかないんですけど、子供の成長は早いなぁと実感することがあったんです。

 

ちょっと僕の予定や妻たちの旅行の関係で約1週間ぐらい娘に会わない時があったんですね。

 

約1週間会わないという事があまりなかったんで、ちょっと忘れられていないか不安だったのですが、

 

1週間ぶりに会うとなんだか前よりもおしゃべりも上手になっているし、ちょっとお姉さんになっているような感じでした!

 

たった1週間だったのに、こんなに変わるなんてびっくりしました。この成長を見逃してはいけない!と思った瞬間でしたね。

 

子供の成長は早くてどんどん新しいことを身につけていきますね。

 

子供にとっては見るもの触るもの何でもが目新しく、体験するのが本当に楽しい事なんでしょうね!

 

大人にとっても何か新しいことを学ぶのは楽しいですよね!今まで知らなかった事が自分の身になるんですから。

 

治療家のあなたも色んな文献を読んだり、勉強会に行ったりしていると思います。常に勉強しないと時代に取り残されますから。

 

ただ、新しいことを学んだ時にちょっと注意しないといけない事があります。

 

それは新しいことを学ぶとどうしてもやっぱりそれを試したくなるんですよね(苦笑)本当は大事な基礎がおろそかになってしまうことがあるんです。

 

あなたも経験ありませんか?

 

今回は僕がオランダ徒手に行き始めた頃に知らなかったことを学び、とにかく色々と試したがっていた頃のお話です(苦笑)。

 

箸が持てない理由

当時担当していたのは90歳のおばあちゃん。両方の指先に痺れがありました。

 

痺れは両方ともあるけれど、特に文字を書いたり、食事で使う右手の指に痺れがあることが大変不便なようでした。

 

指の痺れがある場所は母指、示指、中指の先端です。特に母指や示指が強かったですかね。

 

どの領域に痺れが出ているかは極めて重要!!

 

今回の場合は「正中神経」領域が概ね一致しますね。なので、すんなり末梢神経が問題だと考えるわけです。

 

ですが、痺れが出ている場合にもう1つ考えなければならない事があります。

 

それは「関連痛」!

 

関連痛とは…

 

・痺れや違和感のような症状を訴える

 

・その症状は上肢や下肢のデルマトーム(神経根の皮膚感覚領域)に出る

 

・問題があるのは症状が出ている領域と同じ神経支配の脊柱

 

このような特徴があります。

 

結局のところ、症状が出ている四肢には問題なくて、脊柱に問題があるんですね。上肢に症状がある場合は頚椎に問題があります。

 

この関連痛、僕はオランダ徒手に来るまでほとんど知らなかったんです。

 

なので、これを学んだ後は僕の頭の中は「痺れ=関連痛」となってしまっていたんです(苦笑)

 

ただ、全く根拠がないわけではなくて頚部にも痛みがあったので「関連痛」かなぁと思ったわけです。

 

という事で、手じゃなくて頚だけにずーっとアプローチしていたんです。

 

ですが、一向に良くならないんですね(涙)。

 

こりゃ、関連痛じゃないなぁ…と思っていた時

 

ふとそのおばあちゃんの手を見ると「ある所見」を見逃してしまっていたことに気づいたんです!

 

「これ関連痛じゃない!」僕の中で確信に変わりました!

 

その見逃していた「ある所見」とは…

 

重要な所見は筋萎縮!

基本的に関連痛は症状がある手には問題がありません。頚椎に問題があるのです。

 

逆に「末梢神経」が問題の場合

 

学校で習った神経症状と呼ばれるものが出ます。

 

・痺れや痛み

 

・感覚障害

 

・反射の低下

 

などなど、出ますがとても大事なのが「筋力低下」や「筋萎縮」。

 

このような神経症状は「末梢神経」がどこかで圧迫を受けるとで出てきますよね?

 

絞扼性神経障害とも呼ばれますが、正中神経だと手根管症候群や円回内筋症候群が有名です。

 

どこかで「末梢神経」が圧迫されると特に一番遠い指先から酸素や栄養が不足してしまうので、症状は指先から出る事が多いんですね。

 

そして今回僕が見逃してたのは「筋萎縮」。

 

だいたい左右差を診るとすぐに分かるのですが、このおばあちゃんは両方に症状があったので見分けられなかったんです。

 

でも、力を入れてもらったり、母指球を触ってみると明らかに力も入らないし、筋の厚みもなかったんですね。

 

という事で、「末梢神経」へのアプローチに変更!

 

神経を圧迫していた円回内筋のリリースと正中神経のストレッチ・スライドを実施。また筋力が落ちていた手指の筋力訓練を行ないました。

 

萎縮の改善には至らなかったですが、箸で食事をできるようにはなりましたよ!

 

臨床で痺れを訴える患者さんはとても多いですよね。あなたも痺れを訴える患者さんをよく診ると思います。

 

痺れの治療って結構苦手な治療家が多いと思うんです。だけど、しっかりと一つ一つの所見を拾っていくと少しずつですが改善していきます。

 

一気に症状がなくなるという事は少ないですが、ちょっと長い期間で治療していくと思って根気強く治療を続けてください。

 

全てはあなたの目の前の患者さんのためですから…。

 

【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように

 

P.S

最近の娘の口癖は「パパ、何してんの?」。特に何もしていない時でもそう聞いてきます(笑)。ただそれが可愛い(笑)


この記事を書いた人

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黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。