必須スキル!失敗しない負荷コントロールの秘訣 | 日本オランダ徒手療法協会

blog

必須スキル!失敗しない負荷コントロールの秘訣

2020.10.27

From:長島 将太

 

@お気に入りのカフェより

 

「いらっしゃいませー」

 

「おはようございます。ご注文はいかがされますか?」

 

今日も読書のために

いつもの店に来た。

 

店の扉を開けると

店員さんの素敵な笑顔と明るい声

 

焙煎されたコーヒーのいい香り

 

この店内の心地よい雰囲気に癒される…

 

私にとっては十分すぎる空間を

提供してくれる価値の高い場所。

 

こんな素敵な場所にも関わらず、

 

一杯のコーヒーの値段は

 

、、、『363円』

 

・・・安い!!

 

・・・いや安すぎる!

 

私にとって十分すぎる場所を…

価値を提供してくれるスタバ。

 

あっ、、、言っちゃった(笑)

 

このようにどんなサービスにも

 

『顧客に与えられる価値』と『料金/値段』には

少なからずギャップがありますよね。

 

良いギャップもあれば、

その反対もある…

 

これは私たち治療家にも同じことが言えますよね。

 

『治療の技術(治療家の腕)= 価値』

 

このように考えているからこそ、

 

貴重な休みを利用してセミナーに行ったり、

仕事終わりに自己学習したり、

同僚と実技練習したりする。

 

ですが、

私のカフェ話を思い出して見て下さい。

 

患者さんは『あなたの腕』を

価値と思っている訳ではありません。

 

あなたという人柄、場所の雰囲気や設備も含めて

価値に感じていることでしょう。

 

ですので、治療の腕磨きも大事ですが、

それと同じくらい『あなた自身(人間性)』を

磨くことも重要なのです。

 

さて、

 

前置きが長くなってしまいましたが

 

今回は臨床でよく起こる『負荷設定』について

お話したいと思います。

 

順調な治療の先に待っている落とし穴

 

それは、数年前に担当した

膝の半月板損傷後の患者さん

 

その方は、

半月板の縫合術を受けて

約2ヶ月ほど立っていたと思う。

 

順調に荷重量も増えていき、

松葉杖がとれても腫れもない。

 

歩くのも痛みなくできている。

 

よしよし順調に来てる…

 

このままの状態なら、

問題なくゴールまで行けるだろう!

 

そう思っていた。

 

そんなある日。

 

10日ぶりに外来リハに来た患者さん。

 

いつもの明るい表情と違って、

どこか雰囲気が暗い。

 

もしかして、、、

 

その不安は的中した。

 

『最近少し痛みが出ていて、膝周りも腫れが出てきたんです』

 

『この間までは、すごく順調だったのに…』

 

あれだけ順調にきていただけに、

なんで状態が悪くなったのか正直分からなかった。

 

悪化の原因になりやすい『オーバーユース』にも

細心の注意を払って指導していたからね。

 

歩く量(距離)や、スピードなど

膝の負担になる要素は患者さんにきちんと指導して、

しっかりご本人も理解していた。

 

それでも、他に原因はないかと

歩き方を見直してみたが、

運動連鎖上はそんな問題ない…

 

そこで、

ご本人にも心当たりがないか聞いてみた。

 

すると、

 

『1週間前に子供と海辺近くの公園を散歩してから

 膝の調子が悪くなり出した気もする、、、』

 

『その時は、全然問題なく動けたから

 あまり気にしてなかったんだけど…それかな?』

 

その日に何か『きっかけ』があると感じた私は

もう少し詳しく聞いてみた。

 

『その日は、子どもが砂浜を歩きたいって言ったから

 仕方なく砂浜を散歩したんです。』

 

そこで、ようやく膝の不調の原因が分かった。

 

その不調の原因とは・・・

 

歩く量でもなく、

歩くスピードでもなく、

『砂浜』が原因だった。

 

なぜ砂浜???

って思いますよね。

 

負荷設定は『量』と『強度』だけじゃない

 

今回の患者さんの場合。

 

膝の負担(負荷量)に影響する

『距離』や『スピード』などには

注意を払って指導していた。

 

つまり、負荷量を決定する

『量』と『強度』のコントロールは

上手く調整できていたんです。

 

しかし、

もう一つの負荷の要素を

見落としていたのです。

 

それは、

『負荷の質』でした。

 

ここでの『質』とは、

半月板に対する負荷のかかり方。

 

具体的には、

平坦な道を歩く時の膝の使い方と、

砂浜を歩く時の膝の使い方はまるで違うということなんです。

 

例えば、

・膝が曲がる角度

・膝の捻れ具合

・足首と股関節との位置関係

・半月板全体にかかる負荷分布

 

これらの事を想定して、

半月板のトレーニングが出来ていなかった。

 

それが今回の私の失敗だったのです。

 

今回の件で学んだことは、

 

『日常生活で想定できる負荷は当然の事ながら、

 その更に一歩先を想定した運動療法が大事!!』

 

つまり、

半月板にかかる『負荷の質』も考慮し

抵抗力をもうワンランクアップさせた

トレーニングが重要だったんです。

 

もし、負荷量のコントロールで悩んでいる方は

量や強度の視点だけでなく、『質』の視点を持つと

さらに良い方向に治療が進むかもしれませんね!!

 

PS

知らない方の為に・・・

 

病院で働いているPT/OTの仕事に対する対価は

以下の通りです。

 

1単位(20分)=185点(1点10円)=1850円

 

2単位(40分)であれば 2700円。 

 

3単位(60分)であれば 4550円

 

私が提供している治療に対して、

患者さんはこのような対価を払っています。

 

私はこの現実と向き合って以来、

マッサージ屋の治療家にならない決意を固めました。


この記事を書いた人

長島 将太

理学療法士。JADMT認定 徒手療法士。プロの選手からインカレ・インターハイ選手など数多くトップアスリートを診てきている。また、オランダ徒手療法ではチーフ講師として本物の医療を伝えるために後進の育成にも余念のない。サーフィンをこよなく愛する2児の父。