膝外側痛の原因は腰痛とストレス | 日本オランダ徒手療法協会

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膝外側痛の原因は腰痛とストレス

2020.08.27

from 黒田雄太  @自宅デスクより

 

8月ももう下旬ですね。

 

2020年も残り4ヶ月、本来ならば東京オリンピックの余韻を楽しんでいたであろう今の時期。

 

今年はコロナの年となりました。

 

私が住む長崎も7月ごろから感染者数が増えてきました。

 

ただ、慣れって怖いですね。

 

はじめは逐一感染者の行動歴など報道で流れている情報を追っていたのですが、それも最近はしていません。

 

というか、キリがない!

 

なので、自分がうつらない、うつさないことだけに注力しようと思いました。

 

そんな感じで自分に出来ることをしようと思うと不思議とコロナに限らず、周りのことって気にならなくなります。

 

逆に「今」目の前のことに集中しているというか…。

 

これはコロナから学んだことですかね。

 

目の前のことに集中といえば、治療家たるもの患者さんの治療に最大の集中をします。

 

ですが、今回紹介する患者さんは痛みの原因がわからず苦戦した方です。

 

ただ、情報をしっかりともれなく収集していくときちんと解決の糸口がありました。

 

原因不明の膝痛

 

昔こんな患者さんがいました。

 

50代女性の小学校教師。腰痛の治療で来られていました。

 

腰痛はいわゆる腰が不安定な状態になっている方です。

 

・授業で立ちっぱなしだとだんだん腰が痛くなってくる

 

・下位腰椎を中心とした少し広い範囲

 

・腰を反らしたときにはピンポイントで痛い

 

・腰全体はパンパンに張っている

 

このような腰痛の1番の問題は腰回りの「不動」です。

 

教師で立ち仕事だからといって、結構動いているわけではありません。

 

もちろん仕事の量や内容によっては動くこともありますが(苦笑)

 

仕事を分析するときにとても大事なのが、局所が動いているかどうかを判断することです。

 

教師のように体全体は動きぱなしかもしれませんが、「腰の動きがあるか?」という視点から見ると、腰自体を多く動かすような仕事ではありません。

 

つまり、活動量と局所の動きは分けて考える必要があります。

 

少し話が脱線しましたが、腰回りは不動になっています。

 

腰回りが不動になると「椎間板」の動きも少なくなり、その結果「椎間板」が薄くなります。

 

「椎間板」は背骨と背骨の間にあるため、この椎間板が薄くなると背骨の不安定性に繋がるんです。

 

そのため、治療では仕事中に意識的に腰を動かして「椎間板」に刺激を多く入れていくという体操がメインでした。

 

もちろん、来院したときには腰回りのリリースやモビライゼーション、コアトレ なども行います。

 

そんな患者さんだったのですが、いきなり「膝の外側」が痛くなったんです。

 

いわゆる腸脛靭帯炎みたいな感じです。

 

僕「何かきっかけはありました?」

 

患者さん「いや、ないです…。」

 

僕「何か新しい運動を始めたりしました?」

 

患者さん「いや、してないです…。」

 

僕「靴を変えたりしました?」

 

患者さん「いや、変えてないです…。」

 

原因がわからない(汗)

 

これは問診をしていた僕もですし、患者さん自身もでした。

 

全く心当たりがない膝痛が出たので患者さんも不安に思っていました。

 

僕自身も正直手詰まりになりそうだったんですが、「もしかしたら、これかも?」と思ってあることを聞いてみました。

 

すると、「あっ、それありました!」と患者さんも心当たりがある節が!

 

原因不明だと思っていた膝痛はこんな原因が隠れていたんです。

 

きっかけがわからないときにチェックすべきこと!

 

それは「ストレス」、いわゆる「心理社会的要因」というやつです。

 

「心理社会的要因」は自律神経の交感神経と副交感神経のバランスを崩してしまいます。

 

主に交感神経の興奮が高まってしまうので、血管が収縮しっぱなしになるのです。

 

すると、組織への血液循環が少なくなり次第に組織が硬くなったり、萎縮したりします。

 

このようなメカニズムで組織に硬さや萎縮が生じると、急激な負荷が加わらなくても、今まで普通に行っていた生活動作でも痛みが生じるということが起こります。

 

実際にこの患者さんもそうでした。個人情報なので深い内容は避けますが、結構なストレスが加わっていました。

 

「ストレス」のことを聞くと「あー、それはありました!」って感じで患者さんも結構納得!

 

「ストレス」を感じてからは食欲が落ちたり、睡眠が浅くなったり、手足が冷たくなったり、などの自律神経の症状も出ていました。

 

ただ、「心理社会的要因」が影響して組織が硬くなったり、萎縮したりというのはわかったけど、そうなら「腰痛」が強くなりそうですよね?

 

ですが、この方は「膝の外側」が痛くなったのです。

 

その理由はなんでしょうか?

 

それは「腰痛」からの影響です。

 

この方の腰痛は下位の腰椎にありました。主にL4〜S1レベルです。

 

この部位に痛みがあると、痛みの影響として腰以外の下肢のL4〜S1領域も組織が硬くなったり、萎縮したりします。

 

下肢のL4〜S1領域を考えると、大腿部〜膝の外側になるので筋肉だと外側広筋や外側ハムストリングス、腸脛靭帯などです。

 

当然このような筋肉が硬くなると膝の外側痛が出そうですよね?

 

つまりまとめると、

 

・元々腰痛の影響で大腿部〜膝の外側は硬く萎縮が生じていた可能性があった。

 

・ストレスが加わり、さらに大腿部〜膝の外側の組織の循環は悪くなった。

 

・その結果、日常動作の負荷でも組織が耐えられなくなり、痛みが生じた。

 

最近、ストレスが痛みの原因と言われることが多くなりましたが、ストレス単体が痛みの原因となることは多くないと思っています。

 

他の要因もいくつか重なることでストレスも痛みの原因となりうると思います。

 

しっかりと患者さんの個別の状態に応じた原因分析ができるようになりたいですね!

 

【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように

 

P.S

来年は東京オリンピックは開催できるのでしょうか?でも、一人一人が自分に出来ることをやれば必ず出来る!と僕は信じています。


この記事を書いた人

黒田雄太

黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。