肩こりと頚部関連痛の見分け方 | 日本オランダ徒手療法協会

blog

肩こりと頚部関連痛の見分け方

2020.07.09

from 黒田雄太  @自宅デスクより

 

働き方改革!

 

安倍総理がこの言葉を数年前に使ったことを思い出したんですが、思いがけずコロナの影響で半ば強制的に進みましたね。

 

テレワークや時差出勤。

 

僕が住む長崎では時差出勤はさほど見受けられませんでしたが、テレワークをやり始めた方はとても多かったと思います。

 

移動をしなくても良いというメリットがある反面、運動不足になったり、子供もいる中での仕事で捗らなかったりなどはデメリットかもしれません。

 

コロナでストレスもあるため、今後肩こりや腰痛などの慢性疾患が増えていきそうですね。

 

ということで今日のブログは肩こりの話です。

 

スタートはこの辺にして、早速本編に入りましょう!(笑)

 

この症状本当に肩こり?

 

70代の女性の患者さん。主訴は肩こりでした。

 

部位的には一般的な肩こりと同じで僧帽筋上部や肩甲挙筋など。

 

実際に触れてみても硬くなっていました。

 

ですが、オランダ徒手なのでまずは問診をしっかりやります。

 

問診で得られた情報は

 

・肩こりの部位は両側の僧帽筋上部や肩甲挙筋

 

・押すといた気持ちいい感じ

 

・両上肢への痺れなし

 

・目薬をさすときに肩こりを感じる

 

・数年来の肩こりで慢性となっている

 

このような感じでした。

 

姿勢も高齢者のため猫背が強いです。

 

となると、自ずと行う治療は決まってきますよね?

 

局所的には僧帽筋上部や肩甲挙筋のリリースやストレッチ。

 

猫背改善のために、

硬くなっている後頭下筋群や胸鎖乳突筋、大胸筋、小胸筋を緩めたり、

 

機能不全となっている頚部前面や僧帽筋中部下部線維、菱形筋を鍛えます。

 

ですが、もうこのブログをたくさん見ている方はお察しだと思いますが、これでは上手く行きませんでした(苦笑)。

 

なので、次の一手を考えます。

 

僕が注目したのは「目薬をさすときに肩こりを感じる」という情報。

 

目薬をさす動作を分析すると”頚部が伸展”しているんです。

 

本来頚部を伸展するときには頚部後面にある僧帽筋上部や肩甲挙筋は緩むはずなので肩こりを出す原因にはならないのです。

 

ですが、今回は頚部を伸展すると肩こりが生じる…。

 

つまりこれは”C4〜6の関連痛”だ!僕はこれだと思ったんです!

 

肩こりを訴えている部位をデルマトームで見てみると「C4〜6」。

 

頚部を伸展すると椎間関節が圧迫を受ける。

 

本来椎間関節に圧迫ストレスが加わるとそこ自体に痛みが出ればいいのですが、脊柱は痛みの受容器が少ないので、同じ感覚領域に痛みが出ているように脳が錯覚するのが関連痛です。

 

C4〜6の関連痛が原因だとすると、直接頚椎にアプローチする必要があるんです。

 

C4〜6周囲の筋肉をリリースしたり、モビライゼーションをしてみるとすんなりと肩こりはなくなりました。

 

ちゃんちゃん!(笑)

 

これで問題解決なんですけど、1つ疑問が残りませんか?

 

本来関連痛は症状が出ている局所には全く問題がなく、脊柱に問題があります。

 

なので、脊柱にアプローチしますよね?

 

この患者さんも関連痛でしたが、ではなぜ局所の僧帽筋上部や肩甲挙筋も硬くなったり、圧痛があったりしたのでしょうか?

 

今日はあなたにさらに関連痛の知識を深めてもらうために、もう少し突っ込んで解説をしようと思います。

 

慢性の関連痛の場合は…

 

関連痛は局所には全く問題はない!

 

そう伝えました。ですが、それは急性の場合です。

 

実はこれまでこのブログでも話したことはないですが、関連痛でも慢性痛の場合は局所への影響が出ます!

 

この患者さんもそのケースでした。

 

ですが、なぜ関連痛でも慢性の場合には局所に影響が出るのか?

 

それは、たとえ関連痛で局所に問題がなかったとしてもそれが長期に渡ると、脳はそれすらも痛みとして捉え始めるんです。

 

ちょっと難しいですね(苦笑)

 

急性は

「原因は脊柱」、「結果として現れる痛みは局所」となります。

 

ですが慢性は、

急性では「結果として現れた局所の痛み」も脳は痛みとして捉えるので、その部位も通常の痛みが起こったときの反応が起こります。

 

痛みがあると自律神経が反応して局所の「血液循環」が悪くなり、局所の組織に硬結や癒着、萎縮が生じますよね?

 

なので、関連痛でも慢性の場合には局所への影響も出てしまうんです。

 

結局何が言いたいのかというと、問診の中で経過が「急性」なのか「慢性」なのかをしっかりと把握しておくことが大事だということです。

 

症状だけしか見ずに治療をしてしまうと、遠回りの治療になってしまいます。

 

やはり、大事なのは問診だと改めて感じます。

 

【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように

 

P.S

治療は問診で8割決まる!当協会スクールチーフの長島先生の名言です!

確かにそうだと思います。治療する前にもう治療結果は決まってしまっているのかも⁉︎


この記事を書いた人

黒田雄太

黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。