重度ひざOAでも痛みがとれた理由 | 日本オランダ徒手療法協会

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重度ひざOAでも痛みがとれた理由

2019.10.10

from 黒田雄太  自宅デスクより

 

「最後まで諦めない」のは大事だなぁ…。

 

祖父のリハビリをしていて「ある出来事」を思い出した。

 

遡ること17〜18年前。

 

僕が中学生の頃の話。野球部に所属していたんですけど、かなりの弱小チーム(苦笑)

 

公式戦はおろか、練習試合でさえ年間で一度も勝てないチームでした。

 

すでに無勝のシーズンは数年に(汗)

 

僕の代が主力になって数ヶ月後も同じような状況。負けるときには派手にコールド負け。

 

でもコールド負けになる方がまだマシで、練習試合の時にはコールドがないので、さらに悲惨な結果に(涙)

 

ただ、ある日の試合でかなり接戦を繰り広げていたんです。

 

中学校の軟式野球は7回まで。僕のチームは先攻で七回表が終わり1-0。

 

わずか1点のリード。

 

負け癖が付いているみんなはいつもと違うこの異様な雰囲気にガチガチに緊張(汗)

 

1アウト、2アウト…3アウト!!!

 

やったぁー!!!!!

 

とまるで優勝したかのように(笑)、マウンドにみんなが集まり抱き合ったのは今でも記憶に鮮明です。

 

結局何が言いたいのかというと「最後まで諦めないといい結果が待っているかもしれない」ということ。

 

今日は祖父のリハビリの話を書こうと思うんですけど、僕の祖父は重度の変形性ひざ関節症なんです。

 

色々と病気も持っていて手術も難しい。

 

ですが、問診と治療によって痛みが軽くなったので、そのことをあなたとシェアしたいと思います。

 

変形が強いからもう痛みは取れない…治療家のあなたが諦めていませんか?

 

手術じゃないと治らないと言われたひざ

 

痛みがあるのはまだ手術をしていない右膝です。

 

著明な熱感や発赤はないものの、常に関節水腫があります。

 

ひざの可動域は屈曲は100〜110度、伸展は5度ということで過伸展気味です。

 

変形は定番の内反変形。

 

歩行時には右足に荷重をかけるとひざが内反と同時に反張する感じでした。

 

内科系の疾患も現病歴や既往歴があるんですけど、整形関係でいうと左膝と右股関節は人工関節の置換術をしています。これももう6〜7年前の話です。

 

さて、このように変形も重度で腫れもあるひざ。

 

あなたはどのように治療しますか?

 

というか治療をしようと思いますか?

 

このような状況でしたが、僕はこの後治療をして、その場での痛みは取ることが出来ました。

 

とても喜んでくれましたよ!

 

また、痛みが「もどる」可能性はありますが、そうなった時には次の対策も考えています。

 

僕が重度の変形でも治療が出来ると思ったのはこのような基準があったからなんです。

 

問題は関節内?関節外?

 

重度の変形と関節水腫があるので、関節内に問題があることは明らかです。

 

ですが、実際に痛みの部位を確認したら、「右膝蓋骨の下部」のあたりだったんです。

 

組織的にいうと膝蓋腱や膝蓋下脂肪体のあたり。

 

これって関節外の組織なんです。

 

痛みの部位が関節内ではなかったので、僕は治療できる可能性があるなと思いました。

 

今度は痛みの出る場面を確認。すると歩行時に右足に荷重をかけた時。

 

歩行時に膝は内反とともに反張膝していたので、膝蓋下脂肪体が前方で圧迫されているんじゃないかと考えました。

 

それを踏まえて

 

・膝蓋骨周りの皮膚のリリース

・膝蓋下脂肪体のリリース

・膝蓋腱のリリース

・膝蓋骨のモビライゼーション

 

これらのことを僕は行いました。

 

すると荷重をかけても痛みが出なくなったんですね!!

 

また、僕が今回の治療をするときにひとつ気をつけたことがあります。

 

それは「緩めすぎないこと」

 

膝蓋骨の動きに腸脛靭帯が関係していることはあなたも知っていますよね?

 

実際に腸脛靭帯はパンパンに張っていたんです。

 

でも緩めることはしませんでした。

 

なぜか?理由はふたつあります。

 

ひとつめは腸脛靭帯そのものに痛みが出ていなかったこと。

 

そしてもう一つは腸脛靭帯の硬さによって股関節や膝を支えているから。

 

右の股関節は人工股関節を挿れています。右ひざは重度の変形でO脚です。

 

右の股関節周囲の筋力、特に大臀筋や中臀筋も弱いので、右下肢の支持性は乏しいですし、腸脛靭帯が張っていた方がO脚の抑制にもなります。

 

なので、僕は腸脛靭帯を緩めないという選択をしたんです。

 

、、、

 

加齢に伴う疾患、今回のような変形性ひざ関節症や脊柱管狭窄症などは重度になれば手術は避けられないケースもあります。

 

ですが、しっかりとした問診と治療によって変形や変性と関係がない部分の痛みであれば手術を回避できる可能性も大いにあります。

 

どうしても手術を避けたい患者さんは多いはずです。

 

全ての患者さんを手術から救うことは出来ませんが、可能な限りはそのような想いに応えられるように僕たちも諦めてはいけませんよね。

 

少しでもそのような患者さんの力になれる治療家を目指していきましょう!

 

【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように

 

P.S

僕が主力の代では数年ぶりに勝利を上げて、その年は7勝しました!弱いチームだったけど、今でも心に残る良い想い出です。


この記事を書いた人

黒田雄太

黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。