慢性腰痛は徒手療法だけじゃダメ! | 日本オランダ徒手療法協会

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慢性腰痛は徒手療法だけじゃダメ!

2019.06.22

from 黒田雄太  自宅デスクより

 

最近やっと風邪が治ってきた黒田です(苦笑)

 

菖蒲を見に行った日の午前中の話。

 

その日は娘の保育参観でした。保育体験を行う保育参加には行ったことはありましたが、参観は何だかんだで初の出席。

 

ちょっとドキドキしながら、行ってきました!

 

まだ年少さんにもなっていない娘のクラスは保育参観といっても1時間足らず。

 

はじめに保護者会として担任の先生や園長先生からの話がありました。

 

そのお話の後になんと「役員選出」というイベントが!

 

先生「是非、やってみたいと思われる方は挙手をお願いしまーす」

 

会場「シーーーン」

 

まぁ、皆さんお察しの通り挙手する人は居らず沈黙(苦笑)

 

あまりの沈黙に変な使命感にかられて僕が「やってやろうかな!」と思ったとき…

 

他のお母さんが「はーい」と手をあげてそのまま役員に。聞くところによれば去年もされていたとのこと。

 

一瞬の緊張感はありましたが、勢いで手を挙げずに良かったなぁと思いましたね(汗)

 

その後はクラス別で保育参観が始まり、絵本や手遊び、かけっこや手押し車をして体を動かしたりと楽しい時間を過ごしました。

 

家では見れない娘の姿は微笑ましかったですねー(めっちゃ親バカ笑)

 

家では大暴れしている娘も、保育園では大人しいようです(笑)

 

でもしみじみと娘の成長を実感できましたね。

 

それにしても子供の成長は早いですよね!数ヶ月前と比べても出来ることがどんどん増えていきます。

 

ふと僕もちゃんと成長できているのかな?と思い、過去の自分を振り返ってみると多少なりは成長できているかなと思いました。

 

ただ、過去の自分は今よりもホントに狭い視野で患者さんをみていたんだと思い、改めて反省することも多いです。

 

今回はそんな僕が過去にやってしまっていた失敗を紹介しようと思います。

 

骨盤にこだわり続けていた過去の自分

 

あなたは患者さんの評価や治療をする上で何かルーティンにしていることはありますか?

 

何か必ずこの視点から診るというものはありますか?

 

過去の僕は言ってみたらアライメントおたく!

とにかく姿勢やアライメントを診ていました。ろくに問診もせずにですね(苦笑)

 

腰痛であればどのような症状でも骨盤のアライメントは必須で確認していましたね。

 

ある日こんな患者さんが来られました。

 

脊柱管狭窄症の診断を受けた70代の男性。

 

長く歩くと臀部や大腿部に痛み・シビレが出てくるという脊柱管狭窄症の特徴である「間欠性跛行」が出ていました。

 

このような症状が出てからもうすでに2~3年経過しておりかなりの慢性状態。

 

整形外科のクリニックに来るような患者さんって既に慢性状態になってから来られることがほとんどなんです。

 

オランダ徒手を学ぶ以前の僕。

 

当然のように骨盤のアライメントを確認しました。すると仙腸関節にズレがあったんですね。

 

となれば僕の思考は「よし!骨盤がズレてるから腰椎に負担をかけて症状が出ているんだ!」という結論に至るわけです。

 

なので、やる事は仙腸関節のモビライゼーションや仙腸関節のズレを引き起こしている筋肉のリリースです。

 

すると仙腸関節自体はズレが戻るんですね。

 

ただし、症状は全くと言っていいほど変わらない。

 

その時に僕が思うのは「まだまだ精度が低いから症状が変わらないんだ!」

 

仙腸関節のズレ以外の原因を疑うことすらしていなかったんですね。

 

そんな事を繰り返していくうちに、その患者さんの来院頻度は少なくなり、とうとう来なくなってしまいました。

 

、、、

 

過去の苦い経験です。

 

何がいけなかったのか?今ではその答えがわかります。

 

実は慢性腰痛では必ず〇〇をしないと改善しないのです!

 

僕の治療に不足していた〇〇とは?

 

もしあなたが徒手療法にこだわっているとしたら注意ですよ!!

 

慢性腰痛に運動療法は必須!

 

慢性腰痛など慢性期というものはおおよそ3ヶ月以上痛みが持続している事と定義されています。

 

3ヶ月以上痛みを持っているとカラダにはある変化が生じるんですが、それが運動療法を行わないといけない理由なんです。

 

それは自律神経に影響が及ぶという事。

 

痛みを感知する感覚神経と自律神経はお互いに影響を及ぼし合うのですが、3ヶ月以上という長い間痛みを抱え感覚神経に刺激が入り続けると、次第に自律神経の機能も低下していきます。

 

自律神経は循環に関係する神経ですよね。そして自律神経の機能が低下する場合には主に交感神経系が優位になります。

 

交感神経が優位になると血管は収縮し、体への血流量が低下します。

血流が低下するとカラダの細胞に供給される酸素や栄養の量まで減ってしまうので、組織は硬くなったり、癒着したり、萎縮してしまいます。

 

特に萎縮が問題で一度細くなってしまった筋肉をはじめとする組織はしっかりと刺激を与えて、つまり運動をしないと元のようには戻りません。

 

なので運動療法が必須になるんですね!

 

来なくなってしまった過去に担当していた患者さんも同様です。

 

脊柱管狭窄症なので、腰椎を伸展すると痛みが増します。なので股関節の伸展や仙腸関節の可動域を徒手療法で出しつつも、しっかりとコアを鍛えたり、神経支配の影響で萎縮しているであろう中臀筋や大臀筋も鍛えないといけなかったんですね。

 

加えて、負荷量をコントロールしながら歩行訓練なども必要でした。

 

慢性なので時間はかかると思いますが、今の僕であれば患者さんが満足いく治療を提供できたのではないかと思います。

 

、、、

 

慢性的な腰痛で運動療法が有効というのは様々な研究でも言われています。

 

世界の腰痛ガイドラインでは慢性腰痛は運動療法を行うことが推奨されています。

 

つまり世界ではスタンダードな治療法なのです。

 

日本の腰痛治療は世界に数十年遅れをとっていると言われています。ここ最近やっと心理社会的要因を考慮した治療法が知られるようになってきましたが、まだまだ運動療法を行うという事は認知されていない印象です。

 

今回は慢性腰痛をテーマに運動療法の重要性をお伝えしましたが、どの関節でも長期に痛みを抱えている時のカラダの反応は同じです。

 

つまり硬結や癒着、萎縮を抱えていると考えてよいでしょう。

 

一時的に症状を緩和する徒手療法はもちろん大事ですが、根本原因を解決するには運動療法が必須です。

 

上手くいかない慢性痛の患者さんには是非運動療法を取り入れてみて下さい!

 

すぐには効果は出ませんが、着実に改善に向かっていくと思いますよ!

 

【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように

 

P.S

6月の下旬に今度は保育参加に行くんですけど、それもまた楽しみです!ただ去年よりもみんな大きくなっているのでちょっと大変そうです(苦笑)保育園の先生方には頭が上がりません(汗)


この記事を書いた人

黒田雄太

黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。