日本オランダ徒手療法協会    

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腰痛のもどりは”動きの癖”が原因

2020.02.27

from 黒田雄太  @自宅デスクより

 

あなたには無意識に行なっている癖ってありますか?

 

無意識なんで自覚はないと思うんですけど(苦笑)、何も考えずにやっていることって結構多いですよね!

 

朝出勤する時に妻と娘は一緒に出るんですが、僕は少しだけ遅く家を出るので玄関の鍵を閉めるのは僕の役割です。

 

妻と娘に「いってらっしゃ〜い」って言ったり、

 

ゴミ出しの日はゴミをまとめたり。

 

そして、だいたいいつも頭の中では何かしらの考え事をしているので(苦笑)、無意識の内に玄関の鍵を閉めているんですね。

 

そのためか家をちょっと出たところで、

 

「えっ、鍵閉めたっけ?」とふと思いだし、慌てて鍵を閉めたのかを走って戻り確認します(汗)

 

戻った結果、これまで100%の確率で鍵は閉まっています(笑)

 

この戻る時間のロスによっていつも乗るバスに危うく乗り遅れることも多々あります。

 

ただ、乗り遅れたことも100%ないですが(大笑)

 

さて、この無意識というのは臨床の中でもよくみられます。

 

僕たちは患者さんの動きを観察することはよくありますが、その動きって患者さんは無意識に行なっていますよね?

 

その無意識な動きが実は痛みの原因だったり、もどりの原因だったりすることがあるんです。

 

今回は腰痛の患者さんでその一例を紹介したいと思います。

 

体幹の伸展動作でどこを見る?

 

今回の腰痛の患者さんは30代の男性でこんな状況でした。もちろん問診で情報を収集します。

 

・痛みの部位は左仙腸関節

 

・ピンポイントで局所的な痛み

 

・体幹を反ると痛い

 

・長時間の立位でだんだん痛くなる

 

・しびれなどの神経症状はなし。

 

そのため、シンプルな仙腸関節痛だと予想しました。

 

骨盤の状態を確認すると、仙腸関節のズレがあり左の寛骨が右に対して前傾している状態です。

 

体幹を反ると痛いということだったので、伸展動作を確認してみました。

 

すると、仙腸関節や下位腰椎を頂点とした”くの字”のような伸展動作だったんです。

 

つまり、脊柱特に胸腰椎移行部付近の硬さが強くその部分のカーブが全くなかったんですね。

 

なので治療は、

 

・仙腸関節自体の調整(関節と筋筋膜)

 

・仙腸関節の負担を減らすために胸腰椎移行部の動きを出す

 

この2つの方針で進めていくことにしました。

 

仙腸関節は関節モビライゼーションを行い、さらに左寛骨が前傾してるので左の腸腰筋や大腿四頭筋、大腿筋膜張筋などのリリースを行いました。

 

胸腰椎移行部はまずはその周囲の筋膜や筋を緩めてから、関節モビライゼーションで動きを出していきました。

 

これらの治療をした後に再度伸展動作をチェック!

 

すると、動いていなかった胸腰椎移行部が動き脊柱のカーブが出てきました。それに仙腸関節の痛みも激減!

 

その日はそこで治療終了。次回は1週間後の予約です。

 

1週間後…

 

仙腸関節の痛みは多少減っていたもののややもどりが出ていました。伸展動作もまた”くの字”のような動き方で胸腰椎移行部の硬さももどっていたんですね。

 

なぜ、硬さがもどってしまったのでしょうか?

 

それはある視点が僕に抜けていたからなんです。

 

動きの癖は変わらない!

 

その視点とは「運動パターン」です。

 

人間の動きは運動神経と筋だけが関係していると思われがちですが、実は感覚神経も大きく関与しています。

 

関節からの位置情報や腱・靭帯の引っ張られ具合を脳に伝え、それに合わせるように運動神経や筋に指令がいきます。

 

その感覚神経からの入力と運動神経・筋への出力の組み合わせを運動パターンと言います。

 

いつも同じ動きをしているとその運動パターンは固定化されていくので動きが身についていきます。

 

ですが、逆に悪い動きをいつもしているとそのパターンも学習してしまうのです。

 

今回のケースでは胸腰椎移行部が動かないという悪いパターンの伸展動作を改善するために、まず”他動的”に胸腰椎移行部に対してアプローチしました。

 

結果として関節の動きはよくなったはずです。

 

ですが、いくら関節のスペースが広がって動きやすい状況になったとしても、運動パターンは胸腰椎移行部が動かない伸展動作なので、すぐに元の動きに戻ってしまいます。

 

なので、必要なことは胸腰椎移行部でしっかりと伸展できるような新しい動作を再教育していくことなんです。

 

今回の患者さんは実際に胸腰椎移行部を僕が触れながら、そこに意識を向けてもらい胸椎から伸展してもらうような伸展動作の練習を行いました。

 

すると、少しずつ綺麗な伸展動作に近づいていき、それに伴い仙腸関節痛も軽減していきました。

 

動きを変えていく時には前提として他動的な施術は必要になりますが、運動指導がとても重要です。

 

運動パターンは1万回繰り返すことで固定化されていくとも言われますので、運動指導は気長に行なっていく必要がありますね。

 

【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように

 

P.S

最近は朝家を出る時には考え事はせずに鍵を閉めることだけに集中するように心がけるようになりました(苦笑)

 


この記事を書いた人

黒田雄太

黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。

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