日本オランダ徒手療法協会    

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こだわった治療は失敗する!?

2019.03.28

From:長島 将太

 

@姪浜のスタバより

 

束の間の夕食時、何気なく見ていたテレビより聞こえてきたCMの音。

 

テレビ「こだわり酒場のレモンサワー新発売!」

 

なによりこの見栄えに、いや梅沢富美男さんのハジけ具合に目を奪われてしまった。

 

そこには、美味しそうなレモンサワーと、真っ黄色の顔にレモンの被り物をしている梅沢富美男さんがいた。いや、ここでは「レモン沢富美男」らしい(笑)

 

このCM。レモンサワーの事より、梅沢富美男さんのハジけ具合の方がインパクト大なんですよね。(まだ見てない人は一度見て欲しい。本当にインパクト強いですよ 笑)

 

個人的には、非常に印象的なのでマスメディアのマーケティングとしては成功なのかななんて、違った視点でCMを見ていました。ただ、梅沢さんの方が記憶に残っていますけど、、、

 

さて、このCMで紹介されているレモンサワーもそうですが、どんな商品も「こだわりの〇〇〇」って入るだけで注文したくなっちゃいます。

 

例えば「店主こだわりの特製スープ!」や「こだわり食材を使った〇〇」といった具合に「こだわりの〇〇〇」は魅力的なコピーに感じる魔法のキーワードですよね。

 

このように「こだわり」という言葉ですが、私たち治療家でも治療へのこだわりってありますよね。ですが、そんな聞こえの良い「こだわり」もこだわり方を間違えてしまうと思いも寄らない結果になってしまいます。

 

今回はまだ経験の浅かった私が、肩関節拘縮の術後患者でやってしまった体験談を紹介したいと思います。

 

#こだわりをもったリリースで動きが変わらない患者

私が担当した方は、40代後半のママさんバレーをされている女性でした。

 

バレーで痛めたことをきっかけに肩関節周囲炎になり、強い痛みと炎症により徐々に拘縮(肩の関節包が硬くなること)となってしまったんですね。そこで当院で観血的関節受動術(マニピュレーション)という手術で拘縮を除去する手術を受けられたんです。

(聞きなれない方の為に簡単に説明しますね。この手術は、予め関節鏡を使って肩関節の関節包の一部を切離した上で、肩関節を屈曲や外転、外旋などの様々な運動方向へ可動域を徒手で広げていく手術なんですね)

 

そして、術後より私が担当する事になりました。

肩拘縮の術後って、一度関節包を切離し肩の可動域を改善させる手術なんですが、術後翌日からは肩が固まらないようにすぐにリハビリが開始され、肩の可動域獲得に全力を注ぐんですよね。

 

実はこの術後リハビリって結構プレッシャーなんです(汗)

 

なぜかというと、上手くリハビリが進まなければ再拘縮を起こしてしまうからなんです。

 

ですので、一生懸命時間をかけてマッサージしたり、モビライゼーションしたりする訳なんですね。この時はオランダ徒手療法を習い始めた頃だったので「リリース」という手技にこだわって治療に望んでいたんです。

 

ですが、一向に可動域が改善してこない。

 

「リリース」って筋肉の間や筋肉と腱、腱と靭帯などの組織間の癒着を剥がしていくので拘縮には非常に効果が高いんですよね。この時は、自分のリリースの精度がまだまだなんだなーって反省しながらも猪突猛進的に治療していました。

 

それから1週間経ち、2週間経ち、、、それでも思ったように可動域改善に繋がらなかったんです。その時は筋肉の硬さや癒着が原因だと思っていたのですが、どうもリリースやモビライゼーションだけでは限界だったようなんです。

 

その理由は、「筋肉が硬くなっている原因」にありました。

 

#筋肉が硬くなった原因は?

その原因というのが「関節が安定していないこと」と「組織の修復期間」だったんです。

 

これは完全に見落としていました。

 

よくよく考えてみれば当たり前なのですが、拘縮の手術では筋肉、関節包、靭帯などの組織損傷が生じます。言い換えると肩の安定感に貢献しているセンサーが一時的に壊されると言う事です。

 

その為、本来は「サイズの原理」に従ってインナーとアウターの筋肉が協同して肩の動きをコントロールしますが、術後はこの機能が成り立たなくなり、アウターが余計に緊張して肩をなんとか安定させようとするんですね。だから、どんどん関節は圧迫されてしまい正常な転がり滑り運動が起きなくなるんです。

 

そこで、再度アプローチ方法を見直し「関節の安定」を目的にインナートレーニングの比率を増やし治療に臨みました。すると、今まで時間をかけて一生懸命にマッサージやリリースしても変化がなかった可動域も徐々に改善し始めたのです。

 

この時も、忘れてならないサイズの原理に従って「代償が出ないインナートレーニング」での収縮練習を様々な角度で実施することでより安定感が出てきました。

 

このように偏った手技にこだわり過ぎてしまった結果。思うような結果が得られなかったとなると自分だけでなく患者さんが悲しい想いをしてしまいますよね。

 

PS

「こだわり」ってキーワードを試しに検索してみました!

 

すると、、、

「こだわりの店主による、こだわりのお客さんための、こだわりの一杯をお届けします」なんてコピーを発見(笑) 

 

もう何にこだわっているかわかりませんよね。自分の治療はこうならないように注意したいものです!


この記事を書いた人

長島 将太

長島 将太

理学療法士。JADMT認定 徒手療法士。プロの選手からインカレ・インターハイ選手など数多くトップアスリートを診てきている。また、オランダ徒手療法ではチーフ講師として本物の医療を伝えるために後進の育成にも余念のない。サーフィンをこよなく愛する2児の父。

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