日本オランダ徒手療法協会    

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あなたはいつまで同じ治療を続けますか?

2019.03.05

from 黒田雄太  自宅デスクより

 

本格的に花粉症に悩まされている黒田です(涙)

 

以前も話したことがあったと思いますが、僕はオランダ徒手の最上級コース「徒手コース」を受講していたんですね。いたんですねと過去形なのは2月に修了試験があり、一応全日程が終了したからなんです。結果は伏せるとして(笑)

 

徒手コースではトレーニングの授業が主なのですが、治療テクニックも学ぶんです。

「頚椎」。ただこれが繊細でとても難しい…。

 

これまで四肢や胸椎、腰椎をやってたんですけど、頚椎は難易度が桁違いに上がるんです。

 

テクニック自体は4月や5月に習ったんですが、全く出来ないんですね。ちょっとずつ上達はしていたんですが、自信を持って出来ると言うところまでには程遠い。

 

あー、やばいなーと思いながら、このまま2月までずっと出来ないんじゃないかなーと結構不安になってたんです。

 

でも12月のある時、何かが降ってきたかのように突然できるようになったんですね!!!

 

実は成長は1次曲線ではなく、2次曲線らしいです。

 

なので、時間をかけたら、かけた分だけ徐々に成長するのではなくて、あるときから急に右肩上がりに成長する。今回の僕のように急に出来るようになる。なので、それまでは辛抱が必要なんですね。継続は力なりというのは本当らしいです。

 

僕は今回の経験から続けていれば必ず成長できると信じることが出来ました!

 

治療の場面でも同じように悩みってありますよね。

 

いろんな悩みはあるかと思いますが、例えば「いつまで同じ治療を続けるのか?」という事。

 

僕も昔は効果が出ないからついコロコロと治療内容を変えていましたね。変えても効果は出なかったんですが(汗)

 

でもそんな時に続けるのか?、変えるのか?明確な基準があれば迷うことはなくなると思いませんか?今回は僕の体験から「治療を続ける基準」についてご紹介したいと思います。

 

寝たきり患者のリハビリ

僕は今老人ホームに勤めています。歩けない方ばかりで車椅子で過ごされる方がほとんどです。ですが、車椅子でも生活できずに、ほぼ一日寝たきりで過ごす方もいらっしゃいます。

 

自分で寝返りも出来ないので介護職員が時間ごとに横向きにしたり、上向きにしたりと床ずれ予防をします。

 

口から食事が取れる方もいれば、経管栄養の方もいます。

 

そんな寝たきりの方の大きな問題は「全身に拘縮がある」ということ。

 

膝や股関節は完全には伸びきりませんし、肩も上がらずに脇は閉じたまま。肩や首の周りはガチガチに緊張して、首も後ろに反った状態です。

 

クリニックの前に勤めていた病院にもこの様な全身に拘縮がある方への介入をしていましたが、全くと言っていいほど、変わらなかったですね。まぁ、現状維持ということであれば拘縮は進行していないので、良しとも言えるのですが。

 

全身の拘縮はあるのですが、特に僕は上半身で胸郭や肩甲骨、頸部周囲の筋緊張を低下させたり、可動域を上げたいと思っています。

 

首が反ったままの姿勢は救急で言う所の気道確保の姿勢になりますよね。ということは唾液などが気道を通って肺に到達してしまう可能性があるんですね。つまり誤嚥性肺炎を引き起こす。これを起こすと寝たきりの方はかなり危ないです。

 

そういった意味で上半身への介入を中心に行っています。

 

首の可動域を最終的には上げたいのですが、初めからそれを直接やるのではなくて、僕は胸郭からアプローチしていきます。

 

首の周りは呼吸筋なので、胸郭の機能が低下すると首の呼吸筋をたくさん使います。なので、首回りの筋の胸鎖乳突筋や斜角筋、僧帽筋はとても緊張が上がります。

 

また、仰向けだと肩甲骨も胸郭を圧迫するので、肩甲骨もしっかりと動かします。肩甲骨が動くようになると胸郭と肩甲骨の間にスペースが出来るのでその分胸郭も少しだけですが拡がることが出来るんですね。

 

そんなことをやった後に最後に首自体を動かしていきます。

 

この方針で寝たきりの方のリハビリを行っていました。

 

すると、首の緊張も低下してきましたし、何より目で僕の動きを追いながらそれに伴い首の回旋の動きも出て来たんですね!そして首を反っていたことで大きく開いていた口も閉じる様になって来たんです!

 

これには本当に感動しました!今まで拘縮に対してリハビリをしていてこれほどまで良い効果を実感した事がなかったので。

 

ここまで聞くとトントン拍子でうまくいっているような感じですよね。

 

でも、ここまで来るのに約半年間全く同じことを続けているんです。

 

以前の僕なら途中で挫けて、やることをコロコロ変えて…結果的にはなんの成果も出なかったと思います。

 

でも、今はどのタイミングでリハビリの内容を変えるのか、そのまま続けるのかその基準を明確に持つ事が出来ています。

 

そのある基準を持つために僕はあることにとても気をつけているんです。

 

細かな評価が続けるか止めるかを決める!

細かな評価なんです!当たり前のことですが実はこれをきちんと出来ていない事が多い。

 

評価は細かくする方がもちろん良いのですが、一概に細かくやればいいというものでもないと思います。

 

症状やその人の状態と無関係なところの部位を細かく評価してもあまり意味をなしませんからね。

 

では、どんな事が大事なのか?

 

それは同じ細かさでも治療前後の評価の細かさなのです。つまり治療前後の評価を同じ条件できているかという事。

 

仮に治療前後で違った方法で評価をしてしまうと、実は治療の効果は出ているはずなのにそれを見逃してしまう事があるんですね。

 

あと逆に効果は出ていないのに、効果が出ているように誤った評価をしてしまうという事。

 

どちらのパターンもあり得ます。

 

いずれにしても治療前後の評価が甘いとやった治療に対しての効果判定ができなくなるんですね。

 

私たちは治療行う前に仮説を立てます。

 

ある症状 → この部分の硬さが影響? →この部分の治療をしよう!…みたいな感じでですね。

 

そして、

 

実際の治療 → 治療後の評価 → 症状の変化の確認!

 

という流れで自分が立てた仮説の確認を行います。

 

でも、「この部分の硬さが影響?」と仮説を立てていても、その部分の硬さの変化をきちんと評価出来ていなければ仮説の検証すら出来ません。

 

治療をやって、硬さは解消されたけれども症状に変化がなければ別の治療を行うべきですし、

 

ある治療をやって、硬さに変化がなければそこの硬さが解消されるまでは何かしらの治療を続けておかないと、症状に関係しているかすら確認できないので、その場合は治療を続けるべきだと思います。

 

特に高齢者や脳卒中などを抱えた患者さんは行った治療に対する反応が若い人に比べると薄いと思うので、同じ治療を根気強く続けなければいけない印象があります。

 

今回は治療効果を判定する「評価の重要性」について書きました。

結構、治療技術に目が向きがちなのですが実はその効果を判定する評価の細かさがより大事だと思います。

 

そして、しっかりとした評価を心がける事で治療の細かい効果にも気づけるようになるので、自分の成長も自覚できるようになると思います。

 

皆さんも早速明日の臨床から細かい評価を心がけてみてくださいね!

 

【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように

 

P.S

この前耳鼻科に行ったのですが、花粉症にかかっている人は本当に多かったですね!病院の先生も患者さんに同じ説明を続けていたので、とても大変そうでした(苦笑)


この記事を書いた人

黒田雄太

黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。

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