日本オランダ徒手療法協会

blog

「痛みはどうですか?」その一言が腰痛を長引かせる

2019.01.15

from 黒田雄太  自宅デスクより

 

1月3日からメルマガを書いている黒田です(笑)

 

平日の朝、僕はだいたい5時ぐらいに起きる事が多いです。早起きして何をするかというと、散歩したり、ストレッチをしたり。ただ、最近は朝から外は寒すぎて出たくないんですけどね(苦笑)

その後はまだ妻や娘が寝ているんで、自分の勉強をしたり、メルマガを書いたりする事が多いです。6時40分ぐらいからは朝ごはんを食べますかね。

 

僕の平日の朝はこんな感じなんですけど、もう一つやる事があるんです。それは洗濯。洗濯自体は洗濯機がしてくれるのでそれをセットをするまでと終わった後に干すのをやるんですね。それを出勤前にやります。

 

全然、良い夫・パパアピールではないですよ(苦笑)

 

ある日いつものように洗濯を回した後にメルマガを書いていると、起きてきた妻がこう言ったんです。

 

妻「おはよー、もう洗濯回しちゃったんだね」

 

僕「もう回したよー、なんで?」

 

ありがとうね!という言葉を期待したのかしていないのかは皆さんのご想像にお任せします(笑)

 

妻「もう一着洗濯したかったのがあったんだよね」

 

僕「あっ、そうだったんだ…ゴメンね」

 

ちょっと、残念な結果に。いつもの事だから特に妻に確認することなく洗濯をしちゃったんですよね。

 

まぁ、洗濯ぐらいの話なので、それほど大きな問題ではないんですが。

ただ、気持ちよく生活するにはちゃんと確認すれば良かったなぁと思いました。その後からはきちんと確認するように心がけています。

 

というように「確認」って大事なことですよね。しない事でお互いの行き違いの原因にもなります。

 

臨床でも同じ事が言えますね。何か治療をしたらその効果が出ているかの「確認」をします。臨床では「評価」とも言いますね。

 

前回の治療の後はどうだったのか?それも来院した時に当然聞きますよね。

もちろんそれは大事な事なんです。

 

ただ、僕は以前「確認」の仕方を間違った結果、担当していた患者さんの腰痛を慢性化させてしまった事があるんですよね。

 

とてもやりがちな事なので、皆さんと是非シェアしたいと思います。

 

急性の腰痛で来院した患者さん

70歳代の女性で元々は膝の治療をしていた方。膝が良くなってきたので、今度は調子が悪かった肩の治療を行なっている最中でした。

 

だいたい、週に2回ぐらいの予約で治療していたんですけど、ある日予約していない日に来られていたんですね。診察室に入る姿を見ると、あまりにも苦痛な表情で、歩き方もぎこちない感じでした。

 

どうしたのかなぁ?転んだのかなぁ?

 

まだ、僕には情報が全く入ってきていないので、かなり不安でした。

 

その後、患者さんと医師が一緒にリハ室に入ってきて、僕に対して状態の説明がありました。

 

医師「下肢に強い痛みがある。レントゲンで腰椎の狭窄があるからおそらくヘルニアだろう。牽引と腰痛体操を指導してくれ。」

 

僕「そうですか。わかりました。では今回から腰の治療に変更でいいですか?」

 

医師「もちろん。」

 

ということで、腰の治療がはじまったわけです。

 

患者さんに話を聞くと、特別に明らかな外傷のようなきっかけはなかったものの、急に痛みが出てきたという事でした。とにかく左の臀部から下肢外側の激痛。

 

おそらく痛みの範囲や痛みの質から腰椎5番目か仙腸関節の関連痛なのだろうと仮説を立てました。

 

明らかな外傷もないですし、炎症所見もありませんでした。なので、組織の損傷はないだろうと。さらに臀部から下肢の外側部の痛みだったので、皮膚の感覚神経分布のデルマトームでは腰椎の5番目か仙椎の1番目あたり。これらの理由から関連痛だと仮説を立てました。

 

ただし、急性の腰痛や下肢痛の場合は

「特別な治療をせずとも痛みが増強しない範囲であれば日常生活を継続するように指導する」

 

これをやった方が治療の成績が良い事が分かっています。ヨーロッパの腰痛治療ではこのような方針なのです。

 

なので、僕もそのように指導をしたわけなんです。加えて動かせる範囲で足を立てて左右に倒し腰をねじったり、足を抱えて腰を丸めたりなどの運動も指導しました。ただし、これは無理してやる必要はないですよ、と伝えました。

 

このように初回の治療は

・日常生活を出来るだけ継続すること

・可能であれば腰を動かす運動をすること

 

の指導をして終えたんです。次回の予約は1週間後にとりました。

 

そして、1週間後…

 

患者さんは予約通り来院されました。

 

すると、患者さんからこんなことを僕は言われたんです。

 

患者さん「先生、痛みが出るのが怖くてこの1週間ずっと寝ていました」

 

僕「えっ、動かす方が良くなるんですよ。無理をする必要はないんですからね」

 

患者さん「だって、この前の治療の時に先生があんまりたくさん痛いかどうか聞くから、痛みが気になっちゃって…」

 

僕「・・・」

 

患者さんが安静をとってしまったのは僕の指導の仕方が原因だったんです。

 

痛みを確認することの功罪

僕は1週間前の患者さんへの生活指導や腰痛体操指導の際に動作をしてもらう度に、

 

「痛みはどうですか?」

 

と、何回も聞いていました。僕はこの動作やこの範囲であれば動かして大丈夫だな!と確認しそれを患者さんに伝えて安心させたいと思っていたのです。

 

ただ、この患者さんには何度も痛みを確認する行為が逆に「痛みへの注目」を強くしてしまったんですね。

 

実際に痛みは感じていなくても、動かしたらまた痛みが出てしまうんのではないか?と想像したり、不安に思うことで人間の体は痛みに対して過敏になってしまうのです。

 

これとは少し違いますが、夜や明け方などに痛みが強くなる人ってよくいますよね。炎症による夜間痛も1つの原因ですが、脳が痛みに注目しやすいというのも原因です。

 

夜や明け方は日中と異なり、光の視覚刺激や音の聴覚刺激など外部からの刺激が少ない時間帯です。すると外部からの刺激が少ない分相対的に痛みに対する注目が増えてしまいます。日中は逆に外部からの刺激が多いので痛みを感じにくくなります。

 

こんな理由が隠されているんですね。最終的に痛みを感じるのは脳なので脳に入る刺激の量や痛み自体に過剰に注目してしまうと痛みは過敏になるんですね。

 

人間のカラダってすごいですよね!逆にこれを考えると怖さもありますね(汗)

 

ちょっと脱線しましたが(汗)、あまりにも痛みを確認しすぎた結果、僕はこのような失敗をしてしまったんですね。

 

なので、その後患者さんにはこのように問いかけるようにしたんですね。

 

・「調子はどうですか?」

・「日常生活で何か問題はありますか?」

 

「痛み」というワードを使わないようにしました。すると少しずつですが、痛みに対する注目が外れてきたんですね。慢性化してしまったので、ちょっと時間はかかりましたが(涙)

 

全ての患者さんに当てはまるわけではないですが、元々痛みに過敏な人や不安が強い人はちょっと声かけに注意が必要かもしれません。

逆に組織が損傷しているケースではきちんと痛みや炎症については確認をしなければならないと思います。このようなケースはきちんと確認しないと痛みや炎症を知らないうちに助長させているかもしれませんから。

 

皆さんもいつも意識していない声かけにちょっとだけでも意識を向けてみてくださいね!

 

【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように

 

P.S.

家事も臨床も常に勉強ですね!ただし、家事は何度も同じ過ちを繰り返しがちですよね?あれっ、これ僕だけ⁉︎(笑)


この記事を書いた人

黒田雄太

黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。

'19/3全国+Webで成果をだす秘密を公開します!
'19/3全国+Webで成果をだす秘密を公開します!