日本オランダ徒手療法協会

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真夜中の音と痛みの正体

2018.10.09

From:長島 将太

 

@姪浜のスタバより

 

それは夏も終わりかけの8月下旬の出来事。

 

仕事も終わり、スタッフルームで休憩していると

ポケットに入れていたアイホンに1件のLINEが届いたんです。

 

通知を見ると、妻からの連絡。

 

「子どものお迎えのことかな?」なんて思って、急いで内容を見ると

妻から衝撃的な一言が、、、

 

妻「うちになんかいる…」

 

長島「んッ??????????」

 

最初は、なんのことかサッパリで全く事情が掴めなかったのですが

 

よくよく聞くと、、、

「最近、夜中にカチカチ物音がしていたらしく、なんか怖い」とのこと(汗)

 

そして、ご飯の支度をしていた時も同じような音がしたらしいので怖くなって連絡してきた訳です。

 

さすがに、ビビっている妻をほっとく訳にはいかないので急いで帰りました

(正直、心霊現象とか得意な方ではない私 汗)

 

そして、物音がするという夜中の時間

(就寝時間なので部屋は真っ暗に、、、)

 

「カチカチ…カチカチ……カチ」

 

正直、信じたくありませんでした(笑)

でも、妻の言う通りなんかへんな物音がかすかにしていたんです。

 

恐る恐る部屋の電気をつけて物音のする方に近づいていくと、、、

 

そこには「虫かご」が???

よくよく見ると、夏休みに娘がお友達から貰った「クワガタ3匹」が

 

エサを奪い合うための必死に格闘していたんですね(笑)

(内心、良かったーーーって思いましたね。オバケとかじゃなくて)

 

クワガタ「それは、俺のエサだ!!!!」と言わんばかりに

「カチカチ…カチカチ…カツカツ」と熾烈な争いを繰り広げていました。

 

そうなんです。すっかり忘れてました。

クワガタは夜行性だったので、夜中になると猛烈に動き回るんですよね。

 

昼間はじっと隠れて、木の後や土の中に身を潜めているのですが

 

夜中になると自己主張が半端ないんです。

 

私たちの臨床でも昼は全然おとなしいのに、夜になると活発に主張し始めるものってありますよね。

 

これ、「なぞなぞ」とかじゃありませんよ(笑)

 

そうです。

「痛み」ですね。もっと言えば「夜間痛」です。

 

# 痛みの夜行性「夜間痛」

夜間痛は、夜になると痛みが出ることを言いますよね。

 

術後すぐの患者さんでは、特に手術での軟部組織の損傷による急性炎症もキツくて眠れないなんてこともあるぐらい物凄い痛みを訴えますよね。

 

痛みのスケールで言えば、100分の100とか。

 

でも、これは急性期の炎症で夜も朝も昼も関係ないので、夜間痛とは言わないですよね。

ただ、なぜか夜の方がより痛みを訴えるですね。

 

私たちがよく聞く「夜間痛」は、炎症がある程度おさまっているはずの患者さんだと思います。

 

患者さんからは「夜眠る前に痛い」とか、「夜中に痛みで眼が覚めた」などの訴えをよく聞きますよね。

 

文献や教科書には「骨内圧の変化」や「自律神経の影響」など理由は様々ですが痛みを感じるメカニズムを理解していると理由が分かってきます。

 

#痛み=刺激量 

基本的に痛みは「脳」で感じますよね。

 

日常的に私たちは視覚から、聴覚から、触覚から、嗅覚から、体性感覚などの身体中のあらゆるセンサーから刺激を脳へ送っています。その為、脳は刺激量の強い順に「認知/感知」していくんですね。

 

ですので、夜になれば自然と電気が消え、外部からの音も減り、食事の臭いもせず、聞こえるのは妻のイビキだけ、、、こんなこと書いてたらしかられますね(笑)

 

冗談はさておき、夜になれば様々な感覚刺激が少なくなり、相対的に痛みに関する刺激量が上回ってしまい「痛み」として認知されやすくなるんですね。

 

つまり、夜間痛の正体は「刺激量の差」ということです。

 

ここで勘違いしないで欲しいのは、組織損傷が強い炎症の場合ではなくて、炎症症状がない状態のことなんで区別してくださいね。

 

区別の方法は組織損傷があるかどうかなんですが。組織損傷の場合は、炎症症状の特徴的な徴候である、、、おっと、これは次回にしておきます。

 

患者さんの痛みを理解するには、痛みの性質やタイミング、頻度など患者さんの訴えの裏に隠れているキーワードを拾っていき、痛みの原因を特定していく必要がありますよね。

 

今回の「夜の痛み」は、そのほんの一部にしか過ぎません。

ですが、患者さんに説明する上では理解しておくと非常に役立つのではないでしょうか。

 

PS

夜中の物音の正体はクワガタだったなんてオチだったのですが

妻はまだこれだけじゃないと、、、

意味深な発言をしていたことが気がかりでしょうがありません(怖)


この記事を書いた人

長島 将太

長島 将太

理学療法士。JADMT認定 徒手療法士。プロの選手からインカレ・インターハイ選手など数多くトップアスリートを診てきている。また、オランダ徒手療法ではチーフ講師として本物の医療を伝えるために後進の育成にも余念のない。サーフィンをこよなく愛する2児の父。

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